2025.01.10
第3回 尾野真千子 【vol.01】
美しい人、尾野真千子。「誰の前でも自然体。嫌なものは嫌って言っちゃうし(笑)」
大人の女性の美しさに迫るグラビア連載「美しい人」。第3回目に登場いただくのは尾野真千子さんです。1997年に芸能界デビュー後、数々の映画やドラマに出演、確かな存在感で今や時代を代表する女優と評価されています。どこでも自然体にこだわり自分らしさを大切にする尾野さんの「美」の秘密とは?
- CREDIT :
文/渡辺朋子 写真/渞忠之 スタイリング/大園蓮珠 ヘアメイク/石邑麻由 編集/森本 泉(Web LEON) プロデュース/Kaori Oguri
ありのままの自分を見据える尾野真千子さんの自然体の美しさに刮目せよ!
第3回のゲストとしてご登場いただいたのは尾野真千子さんです。映画やドラマで次々と重要な役どころを演じ、まさに現代を代表する女優として高い評価を得ながら、生活の拠点は沖縄に置き、仕事の時だけ本土にやってくるという二重生活を送る尾野さん。自分らしさを大切にする尾野さんの誰にも真似できない無垢な「美」の秘密とは?
【interview 01】
母のような笑いジワができる大人になりたいと、ずっと思っていた
尾野真千子さん(以下、尾野) 楽しかった。カメラマンの渞(忠之)さんとの撮影はいつも衣装を着て自由に思うままに、そのときの印象のままにやっているから楽しいです。
── こういうスチール撮影は苦手という方もいますが、尾野さんはどうですか?
尾野 基本はやっぱり苦手ですよ。みんなが見ているなかで、ポーズを決めるってやっぱり恥ずかしいよね(笑)。
── でも、すごく自然体で素敵でした。
尾野 それも(カメラマンの)渞さんが何をやっても受け入れてくれるからだと思います。
尾野 え、そうなんですか? へ〜、美しい人なの?(笑)
── 尾野さんは人の美しさはどういう部分に表れると思いますか?
尾野 私が“なんかいいな”って思う人たちって、やっぱり笑っている人。いつも無理なく、本当に幸せそうに笑う人たちって素敵だなって思う。うちの母もそうですけど、笑いジワってすごく好きで、ああいう笑いジワができる大人になりたいなって、ずっと思っていました。自分もそんなにきれいなほうじゃないけど、きれいとかではなく、笑っている姿が素敵だなって言われる人になりたい。
── 尾野さんも笑顔が素敵なイメージがあります。
尾野 特に心がけているわけではないんですけど、今の事務所もそうだし、友だちもそうだし、沖縄に帰ってもそうだけど、今、心から笑えるところにいるからだと思います。
尾野 それはたくさんいますよ。米倉涼子さんが凄く素敵だなとか。共演はないんですけど、写真とかで見ても、凄く高いヒールを履いているのに立ち方も歩き方もすごくきれいで、うわぁ、素敵だなと思います。だから私、米倉さんが出ている雑誌とかをよく買っていたんです。自分は到底なれないってわかっているんですけど、どこかでいつかって思っているところがあったんでしょうね(笑)。結局ここまできちゃいましたけど(笑)。
── 今までに「美しくなりたい」というような願望を抱いたことはありますか?
尾野 あります、あります。そりゃあ美しくなりたいですよ。かわいいとか美しいって言われたいし。共演者でもきれいだなとか、かわいらしいなと思う人がいたら、その人の持っているものや着ているもので似たものを着てみたりとか、そういうことはありますけど。でも結局、自分の中で私には無理だなっていうところがあるから、自分のスタイルに戻っちゃうんですけどね(笑)。無理はできないですよね。
尾野 本当はダメなんですけどね(笑)。一応、釣りの時とかだけは日焼け止めを塗るけど、普段はもう汗をかいて塗ってないようなものなんで、もういいやと思って日陰を歩いています。でも沖縄の日差しって痛くて、本当に焼けてるっていう感じなので、日陰を歩いていても焼けちゃうし、車の運転をしているだけで真っ黒。
── でも、今日の撮影を拝見していて、今の尾野さんが今までで一番美しいんじゃないかと感じました。
尾野 そうだったらいいな。そりゃね、エステとかそういうこともやらないし、年だからだんだん衰えてきてはいるけれど、それでも写真を撮りたいって言ってくれる人がいたり、一緒に芝居をやりたいって思ってくれる人がいるっていうのはうれしいことですよね。
尾野 比べるとかはないですね。でも、あの人いいなと思ったり、嫉妬することもありますよ。あるけど、それでいいんです。
── 今、自分にとって一番心地よいと思うのはどんな時間ですか?
尾野 生活のリズムが変わった分、仕事をしていても気持ちいいし、もちろん沖縄にいても気持ちいいし、今も帰りたいです(笑)。
── 尾野さんが自分らしくいるために大切なことは何だと思いますか?
尾野 自然体でいることかな。嫌なものは嫌って言っちゃうし(笑)。芝居でも仕事をしている時でも普段でも誰の前でも、作ることなく、自分らしくいられることが一番かな。
※vol.02に続きます。
● 尾野真千子(おの・まちこ)
1981年11月4日、奈良県生まれ。1997年に河瀨直美監督作品『萌の朱雀』で主演デビューし、第10回シンガポール国際映画祭最優秀主演女優賞などを受賞。2007年には第60回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作『殯の森』で河瀨直美監督と再びタッグを組む。その後、ドラマ「mother」、NHK連続テレビ小説「カーネーション」、「最高の離婚」、「ライオンの隠れ家」、映画『クライマーズ・ハイ』、『そして父になる』など数々の作品で存在感を発揮。2021年には、『茜色に焼かれる』で第95回キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞ほか多数の主演女優賞を受賞。2025年は、1月9日から「阿修羅のごとく」がNetflixで配信中。早春には「憶えのない殺人」(NHK BS、NHK BSプレミアム4K)が放送予定。
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