■瀧川鯉斗(落語家)
「当時の仲間には悪いけど、ここ(暴走族)にいたら将来はないなと思っていた」
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瀧川 そこは先輩からの推薦なんですよ。暴走への出席率とか、ケンカを売られても怯まないとか、そういうところで認められていくんです。でも17歳の終わりに、初日の出暴走を最後に引退しました。引退暴走では、走っている途中に、仲間が「ご苦労さま」「お疲れさま」って、次々に花束を渡してきて、最後は花束が走っているみたいになりましたね。
── きちんとしているんだか、なんだか分からない(笑)。でも17歳って、どんなスポーツより引退が早いですね。
瀧川 人の回転が早いんですよ、暴走族って。仲間内の暗黙のルールもあって、そろそろ……という雰囲気でもありました。それに、当時の仲間には悪いですけど、「ここにいたら将来はないな」と思っていました。それで、人生を一度、リセットしようと思って東京に出たんです。映画が好きだったから「役者になれればいいな」というような、大雑把な心持ちでした。
当然、食べてはいけないから、とりあえずアルバイトをしなきゃと思って、『フロムエー』に載っていたレストランに応募して働き始めました。そのレストランで、年に2回、うちの師匠(瀧川鯉昇。当時は春風亭鯉昇)が落語会をやっていて。そこで師匠の「芝浜」を初めて聴いて、衝撃を受けて、落語家になろうと思ったんです。
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■ローランド(実業家)
「自分にハッパを掛けるためにビッグマウスを叩くんです」
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ローランド 俺はそんな人間じゃないです。人間って、そんなに強くないですよ。100人いたら98人は弱い人間です。自分も褒められれば調子に乗るし、落ち込むことだってあります。俺はそんな自分に発破を掛けるためにビッグマウスを叩くんです。負け方なんてわかんないよってね。
── ときに有名なローランド語の数々は、自分に責任を与えるためのものだったのですね。
ローランド かといって、これが誰にでも通用するメソッドだなんて、思っていませんよ。たまたま俺には有効な手段ですけど。ただがむしゃらに間違った方向に走り出しても意味がないし、正しい努力をすることも大切でしょ? 野球選手になりたいのに、バスケの練習してもしょうがないですからね。
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■藤原史織(元ブルゾンちえみ)
「あなたの職業は何? という質問自体が、ナンセンスだと思っちゃう」
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藤原 なんでも(笑)。コメディアン、女優など自分をカテゴライズされることに違和感を覚えるんです。決めてしまうことがこわいというか、もっと漠然とした存在でありたいというか。そもそも、職業ってひとつに決める必要あるんですか? と聞き返したくなってしまう。
── では、藤原史織さんにとって「カッコいい大人の条件」とは?
藤原 常に挑戦し続けていること。いくつになっても、何か新しいことを始めるとか、すべてを捨ててどこかへ旅立つとか、失敗を恐れずに行動できる人。こどもや、後進はそういう人の背中を見てカッコいいと思うんじゃないでしょうか。
私自身、その時「やりたい」と思うことをリスト化して、その優先順位一位からやっていきたいんです。「やりたいけどやれない」と、言い訳をつけることはしたくない。いちばんの自分の“WANT”に時間と労力を割く——それがこれからの藤原史織です。
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■ 魔裟斗(元K-1 MAX世界王者)
「ボロボロになっても続けるのは、当時はカッコ良くないと思っていて」
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魔裟斗 選手として、もっと見たいと惜しまれながら引退するのが理想だったんです。肉体的にボロボロになっても続けるのは、その当時はカッコ良くないと思っていて。ただ、こうして40歳を超えると、好きなことを続けるのも一つの美学だと思えるようになりました。
それと、引退のもう一つの理由は、格闘技はやっぱりコンタクトスポーツなので、脳にダメージが溜まっていくというのがありました。パンチドランカーというか、実際の試合はボクシングと違って3分3ラウンドしかないですけど、練習のスパークリングでは毎日のように殴り合っていますから。そんなにダラダラ続けない方が良いだろうと思っていたんです。
── 惜しまれながら退く美学。それとは逆に、40歳を超えてから気づいた「続けることの美学」とは?
魔裟斗 やっぱり、何か一つのことをずっと好きで続けるのはカッコいいことだと、今になって思うんです。サッカーの三浦知良さんも選手としてずっと続けていて、それは素晴らしいことだし、そういう美学もあると思うんですね。野球でも監督になったら70歳くらいまでユニフォームを着るじゃないですか。そうすると子供の頃からずっとユニフォームを着て好きな野球を続けていけるわけで。それは選ばれた人たちしかできないですけど、純粋に羨ましいですよね。
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