2024.07.19

あなたの知らないサウジアラビア Part.3

「サウジアラビアのいまを見に行きませんか?」そんなお誘いから始まった今回のプレスツアー。サウジって渡航できたっけ? お酒が飲めないのでは? 治安はどうなの? どんな料理が食べられる? そもそもサウジってモテるの……? モヤモヤいっぱいのなか、LEON編集長ダイリの未知旅、3つのパートに分けてお届けいたします。

CREDIT :

文/堀川正毅(LEON編集長代理)

これまでの記事はコチラ! 「Part.1」、「Part.2」。

◆ Part.3

モテるオヤジはアートも強い

サウジアラビア滞在も後半戦、首都リヤドに次ぐ第二の都市、ジェッダへ。これまでリヤド、ウシャイガー、ウナイザ、ブレイダと、いわゆる中東らしいエリアにいたので、ジェッダの開放的で、まるでL.A.のようなムードがとても新鮮。紅海を臨む港湾都市として発展したジェッダは、気候が湿潤で過ごしやすく、ウォーターフロントには世界最大の噴水「キング・ファハド噴水」があったり、外資系の高級ホテルが立ち並んでいたりと、実に華やかな印象です。

また、前回触れた聖地「メッカ」や「メディナ」への通り道でもあるため、他人種民族が入り混じるコスモポリタンな街でもあり、サウジアラビアの発展と繁栄の鍵を握ることになりそうです。
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312メートルの高さまで水を噴き上げる巨大噴水。その高さは、2022年にエジプトにできた噴水に抜かれるまではギネスレコードを取っていました。
▲ 312メートルの高さまで水を噴き上げる巨大噴水。その高さは、2022年にエジプトにできた噴水に抜かれるまではギネスレコードを取っていました。
ジェッダにある「アル・バラド地区」は、彼らの文化や歴史を知ることができる旧市街。通りの角には市民が集い憩える椅子とテーブルが置かれているのが特徴的。町内の諍いなんかもここで話し合って解決していたようです。
▲ ジェッダにある「アル・バラド地区」は、彼らの文化や歴史を知ることができる旧市街。通りの角には市民が集い憩える椅子とテーブルが置かれているのが特徴的。町内の諍いなんかもここで話し合って解決していたようです。
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ユネスコの世界遺産に選ばれたアル・バラド地区には、地元の材料と東洋建築が融合した、独特の建築物を見ることができます。
▲ ユネスコの世界遺産に選ばれたアル・バラド地区には、地元の材料と東洋建築が融合した、独特の建築物を見ることができます。
▲ 夕方のアル・バラド地区に響いていたアザーン(お祈りの時間を知らせるアナウンス)。異国を感じるひと時ですね。
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ちなみに宿事情はリッツやローズウッドなど、高級な外資系ホテルがありますが、よりローカルの馴染むことができるカジュアルなホテルも。今回お世話になった「Nuzl Shada Hotel」は、シティミュージアムやコンベンションセンターからほど近い好立地にあり、屋上にはプール設備も。
▲ ちなみに宿事情はリッツやローズウッドなど、高級な外資系ホテルがありますが、よりローカルの馴染むことができるカジュアルなホテルも。今回お世話になった「Nuzl Shada Hotel」は、シティミュージアムやコンベンションセンターからほど近い好立地にあり、屋上にはプール設備も。
シンプルで清潔感のあるお部屋。WiFi完備、ランドリーやカフェなども併設されており、長期滞在にオススメです。
▲ シンプルで清潔感のあるお部屋。WiFi完備、ランドリーやカフェなども併設されており、長期滞在にオススメです。
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そんなジェッダで、個人宅にお邪魔をする機会を得ましたので、そのご紹介を。ハーニさんのご自宅は、1880年に建てられた2軒の古い家を1軒のモダンな邸宅にリフォームしたもの。

ご主人は貿易関係のお仕事をしており、奥様とふたりの娘さんの4人家族で、「サウジアラビアの歴史や生活を知ってほしい」と、今回の機会を作ってくれたそう。神殿のような立派な扉を潜ると、吹き抜けの広いリビングがあり、壁面や棚にはセンスの良い古美術やアートが飾られていました。

広々とした中庭にはプールもあり、夕食はプールサイドに用意されたテーブルでいただきました。さぞ資産家と思いきや、サウジアラビアでは「中の中」くらいとのこと。上の世界は一体どんなにすごいことになっているのでしょうね。
ハーニさん邸宅のエントランス。周りは住宅街ですが、ショッピングモールも至近と便利なエリアにあります。
▲ ハーニさん邸宅のエントランス。周りは住宅街ですが、ショッピングモールも至近と便利なエリアにあります。
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ハーニさんご家族(お姉さんは中座中)。高校2年生の妹のアヤさんは、大学はイギリス・ロンドンに留学を予定しているのだとか。
▲ ハーニさんご家族(お姉さんは中座中)。高校2年生の妹のアヤさんは、大学はイギリス・ロンドンに留学を予定しているのだとか。

世界遺産の中心で愛を叫ぶ

ジェッダからハラマイン鉄道でメディナへ移動し、そこからクルマで最後の訪問地「アルウラ」へ。アルウラは、サウジアラビアの北西部に位置し、世界遺産に登録されている「ヘグラ遺跡」を見ることができます。

紀元前1世紀頃、ナバテア人によって栄えた都市で、時の権力者のお墓が現存しています。世界遺産といえば、ローマのコロッセオや、ロンドンのビッグベン、バルセロナのガウディ建築などが思い浮かびますが、サウジアラビアのへグラ遺跡に行ったことがある! というのは、かなりのモテポイントかと。なまじイメージがつく渡航先より、意外すぎるデスティネーションの方が「え、どこそれ。行ってみたい」なんてトントン拍子でサウジデート旅が決まっちゃうかも!?

悠久の時を経て、かつて栄えたこの地で彼女への愛を叫べば、一生記憶に刻まれること請け合いですよ。
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ジェッダ空港にある「ハラマイン高速鉄道」には、2大聖地である「メッカ」と「メディナ」への新幹線が通っています。
▲ ジェッダ空港にある「ハラマイン高速鉄道」には、2大聖地である「メッカ」と「メディナ」への新幹線が通っています。
アルウラにあるへグラ遺跡は、中に入ることができるものもあり、中には死者を埋葬するスペースなどが作られています。ちなみにこちらは女性が葬られているお墓で、別名ガールズマウンテン。
▲ アルウラにあるへグラ遺跡は、中に入ることができるものもあり、中には死者を埋葬するスペースなどが作られています。ちなみにこちらは女性が葬られているお墓で、別名ガールズマウンテン。
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もっとも有名な古墓がこちら。なぜに有名かと言いますと、クザの息子の墓とされているのですが、内側には使用された形跡がなく、主人が不在の墓となっているのです。一説にはお金がなくなってしまって未完成とも、主人が戦争で亡くなってしまったため放置されてしまっている、とも。歴史のいたずらミステリーです。
▲ もっとも有名な古墓がこちら。なぜに有名かと言いますと、クザの息子の墓とされているのですが、内側には使用された形跡がなく、主人が不在の墓となっているのです。一説にはお金がなくなってしまって未完成とも、主人が戦争で亡くなってしまったため放置されてしまっている、とも。歴史のいたずらミステリーです。
ちなみに、へグラ遺跡からほど近いところにある「エレファント・ロック」もオススメ。象のカタチに見える巨大な岩山を借景にサウジコーヒーやミントティーをいただけます。表参道のお洒落なカフェでの一杯はなかなか記憶に残りませんが、エレファント・ロック見えの一杯は、きっと記憶に残るワンシーンとなりましょう。
大きな象のカタチをした岩山はインスタ映えすること間違いなし。周りには洒落たカフェスペースもあるので、ゆっくり借景を楽しむことが出来ちゃいます。
▲ 大きな象のカタチをした岩山はインスタ映えすること間違いなし。周りには洒落たカフェスペースもあるので、ゆっくり借景を楽しむことが出来ちゃいます。
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夜になると岩山をライトアップしてくれるので、より幻想的なムードに。お酒は売っていないのでシラフでの駆け引きになりますが頑張って!
▲ 夜になると岩山をライトアップしてくれるので、より幻想的なムードに。お酒は売っていないのでシラフでの駆け引きになりますが頑張って!
そ、し、て、最終目的地、「マラヤコンサート ホール」へ。

建築家フロリアン・ボジェによって2019年に建てられたこちらの建物は、先のへグラ遺跡からクルマで10分ほどの距離にあります。その立方体な建物は、9740平方メートルの鏡面で覆われているのが最大の特徴。つまり、周りの風景を完全に写し込んでいる建物なんですね。まるでアート作品のようなこちらは、世界最大の鏡面をもつ建物としてギネス世界記録を認定されています。

約500人を収納できる歴としたホールで、アーティストのアシリア・キーズやアンドレア・ボチェッリ、エンリケ イグレシアスらがパフォーマンスを行ったことがあるそうです。次回の大物アーティストの公演に合わせて行くのも良いかもしれませんね。
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岩山に囲まれた「マラヤコンサート ホール」は、総ガラス張りなので周りの景色を映し込み、なんだか騙し絵のような状態に。
▲ 岩山に囲まれた「マラヤコンサート ホール」は、総ガラス張りなので周りの景色を映し込み、なんだか騙し絵のような状態に。
鏡、鏡、鏡。近寄ると自分が映り込むのが分かります。それが巨大な建物なのだから、そのスケール感は桁違い。
▲ 鏡、鏡、鏡。近寄ると自分が映り込むのが分かります。それが巨大な建物なのだから、そのスケール感は桁違い。
ちなみに、マラヤコンサート ホールは、2km先にあるリゾートホテル「バンヤン ツリー」に宿泊すれば、ホテルのお部屋からその姿を楽しめるそう。朝昼晩と映り込む風景の変化を楽しみたい方は、大オススメです。

いかがでしたでしょうか。あなたの知らないサウジアラビア、その片鱗を知ることで、皆さんの知的好奇心や冒険心がムクムクしているのではないでしょうか。

最初に掲げたテーマ、「サウジアラビアはモテるのか」ですが、改めて申し上げますと、ものすごくモテます。未来への夢があって、過去という知的好奇心をあおる要素があるのですから、これでダメだったら、貴兄のセンスを理解できない相手に問題ありと諦めてくださいw だって、LEONは、「必要なのはお金じゃなくて、センスです」から、ね。マルハバ、サウディ!
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