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2024.12.01

最新サウジアラビアの旅 第4回

異文化体験のクライマックス!? イスラム教の聖地と歴史ある港町をホッピング

2019年、観光ビザが解禁になったサウジアラビア。ようやく扉が開かれたこの国では見るものすべてが新鮮。好奇心あふれるオヤジさんにこそ、おすすめしたいラストフロンティアです。今回は、イスラム教の聖地に立ち寄りつつ、第2の都市ジェッダへ。わくわくする冒険も最高潮に!

CREDIT :

文/古関千恵子 取材協力/サウジアラビア政府観光局

イスラム教の聖地メディナ。巡礼者の多さに圧倒!

砂漠の一本道をひたすら進む、メディナへの道。
▲ 砂漠の一本道をひたすら進む、メディナへの道。
オアシス都市のアルウラを朝8時に出発し、目指すはメディナ。砂漠の一本道を、車は延々と走り続けます。車窓から見えるのは、サンドベージュ一色の景色。道路脇で移動中のラクダの群れを見かけたこともあったけれど、ほぼ変化のない景色をひたすら眺めるのも、ある意味、非日常です。
牧羊犬(?)に誘導されるラクダたち。サウジアラビアにはヒトコブラクダしかいません。
▲ 牧羊犬(?)に誘導されるラクダたち。サウジアラビアにはヒトコブラクダしかいません。
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アルウラから車で移動すること約4時間。お昼頃にメディナに到着。高速道路から見上げるビル群のギャップに混乱するほどの、いきなりの都会です。カップル旅ならメディナでまず目指したいのは、彼女のために髪を隠すためのヒジャブの店。ここは敬虔なイスラム教徒が目指す聖地です。

メディナは、サウジアラビア西部の紅海に沿って広がるヒジャーズ文化圏。預言者ムハンマドがメッカから西暦622年に移り住み、布教を行ったイスラム教の二大聖地のひとつです(もうひとつの聖地はメッカ)。
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イスラム教徒の巡礼者が目指すのは、「預言者のモスク」。預言者ムハンマドが築いた世界最大のモスクで、100万人もののイスラム教徒を収容するそう。濃緑のドームの下がムハンマドの墓廟になっているそうです。イスラム教徒以外は入ることが許されません。

ランチは、その預言者のモスクと通りを挟んで向き合う「タイバ・メディナ・ホテル」のレストラン。床から天井までの大きな窓からはモスクが視界いっぱいに広がっています。ビュッフェから料理を皿に取り、席に着くと、あたりの様子が変わってきました。
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お祈りの時間のようです。イスラム教徒が一斉にモスクを目指し、その数はまるで渋谷のスクランブル交差点のよう。お祈りが終わると、人の波の向きが変わってモスクから大勢が出てきます。誰かが誘導しているわけでもないのに、その秩序だった行動は美しくもありました。

預言者のモスクの周辺には高級デーツ(ナツメヤシの実のドライフルーツ)を扱う店が並んでいます。メディナのデーツは、日本でいうところのお伊勢参りの「赤福」のようなもの。たしかに名産品とあって、甘さも上品、舌触りもいい感じです。
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イスラム教に興味をもったら、預言者のモスク近くの博物館(預言者の伝記とイスラム文明の国際見本市と博物館)で知識を得ることもできます。他にもムハンマド率いるイスラム軍とメッカ軍の戦場となったウフド山などの史跡もあります。

メディナからサウジアラビア第2の都市ジェッダへはハラマイン高速鉄道で約1時間50分。サウジアラビアの黄金ルートの仕上げの地へ向かいます。

歴史香る旧市街とモダンな新市街、そしてリゾート気分の海岸線からなる第2の都市ジェッダ

ジェッダは人口300万人を抱える、首都リヤドに次ぐサウジアラビア第2の都市。夜景の美しさから“紅海の花嫁”とも呼ばれています。

街名の由来には2つの説があり、ひとつは“祖母”を意味する“ジャッダ”。“アダムとイヴ”のイヴ(人類の祖母)の墓がこの地にあると考えられているからだそう。
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紅海沿岸のジェッダ・コーニッシュにある「ジェッダ・サイン」。
▲ 紅海沿岸のジェッダ・コーニッシュにある「ジェッダ・サイン」。
もうひとつは東西交易の中継港として栄えていたことから、“海岸”を意味する“ジュッダ”。647年にはメッカへの拠点として港も整備され、ハッジ(大巡礼)のシーズンともなると、200万人ものイスラム教徒がメッカを目指し、その玄関口となっています。
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東西交易で栄えた旧市街アル・バラド地区(ユネスコ世界遺産)、紅海沿いのリゾート気分あふれる「ジェッダ・コーニッシュ」、今時のモダンなショップやレストランなどが多い新市街。いろいろな顔を持ちながら、港町特有のおおらかな空気が流れているのがジェッダの心地良さでしょう。
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ユネスコ世界遺産の旧市街アル・バラド地区をぶらり散策

ジェッダの看板といえば、2014年にユネスコ世界遺産に登録されたアル・バラド地区。東西交易として栄え、聖都へ向かう巡礼者の歓迎とおもてなしの港だったこの地。16~20世紀にかけて商家たちが建てた、歴史的な家並みやモスクが600軒以上も残されています。
緑のテラスや出窓が印象的な歴史的建造物。
▲ 緑のテラスや出窓が印象的な歴史的建造物。
特徴的なのは、紅海のサンゴ石やインドネシアの木材を使い、土でできた複数階ある建物群であること。精緻なカービングが美しい出窓や扉にも目が奪われます。迷路のような小道を歩いていると、まるでタイムトリップしたよう。
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歴史的な建造物の内部を見られるのが、17世紀に建てられた個人所有の「マトゥブリ・ハウス博物館」。直射日光や外からの視線は遮りつつも、風通しに優れた木造の出窓“ラワシン”も内側から効用を体験できます。
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アル・バラド地区にはカフェや商店、土産物店もあり、庶民の暮らしも営まれています。そして祈りの時間を知らせるアザーンが流れると、そうした店もパタパタと戸締りをし、店の人たちもモスクへ。あっという間に閑散となった旧市街にサウジアラビアのリアルな日常を感じます。

紅海の風を感じる、海沿いのジェッダ・コーニッシュ

紅海の海岸線沿い、約30キロメートル続くリゾートエリア、ジェッダ・コーニッシュ。緑が整えられた遊歩道が整備され、ジェッダ市民のくつろぎの場になっています。5~6月に開催されるフェスティバル「ジェッダ・シーズン」の会場や、アメリカズカップで盛り上がるヨットクラブ、F1の市街地コースもあり、華やいだ雰囲気です。
夕方のひと時を盛り上げる、迫力のファハド王の噴水。
▲ 夕方のひと時を盛り上げる、迫力のファハド王の噴水。
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ジェッダ・コーニッシュには思わず写真に撮りたくなるシーンもあちこちに。上空312メートルまで吹き上げる世界一高い噴水の「ファハド王の噴水」、満潮時には海に浮かんでいるように見える通称フローティングモスク「アムラーマ・モスク」、屋外に飾られた数々のアート作品など、レンタル自転車で軽やかにチェックしてみるのはいかがでしょう。
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ジェッダ・コーニッシュはラグジュアリーなリゾートホテルが多いエリア。海岸線近くのザ・リッツ・カールトン、ジェッダは、どこか宮殿を思わせる荘厳な佇まいです。広大な車回しに、立派な柱が林立するロビーエリア、そして笑顔で迎えてくれるスタッフ、まるで王様になった気分。そして美味なるメニュー揃いの朝食ビュッフェ会場はまるで舞踏会が開かれる広間のよう。客室ももちろんエレガントです。
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■ ザ・リッツ・カールトン、ジェッダ/The Ritz Carlton, Jeddah

住所/Al Hamra District, Southern Corniche, PO Box 13344, Jeddah
TEL/+966-12-2314444
HP/https://www.ritzcarlton.com

アラビア文字で自分の名前、書いてみる? サウジアラビアのカルチャー体験

アルファベットでも漢字でもない、独特なスタイルのアラビア文字。何が書いてあるのか、どんな意味があるのか、まったくわからないけれども、図柄としてみると、流れるようなラインがなんとも美しい。
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まったく解読できないけれど、見惚れてしまう美しいアラビア文字。
▲ まったく解読できないけれど、見惚れてしまう美しいアラビア文字。
Qanaateer」は、アラビア語を母国語としない人にアラビア語を教える教育センター。ジェッダにある施設ではアラビア語の書道教室(カリグラフィー)を開催しています。

ペンの角度で線の太さを変える方法や点の打ち方など、簡単なレクチャーを受け、先生に各生徒の名前のお手本を書いてもらいます。そのお手本を参考に、各自がアラビア語の自分の名前に挑戦。ユニークな自分土産になりますよ。
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新市街にある「タイバット博物館」は各地の民族ごとの暮らしぶりや、薬学や天文学、歴史などの学術など、ジェッダやサウジアラビアのありとあらゆることを展示。ひとつの部屋に600点ほどの展示があり、それが333室も! これが私設博物館とはオドロキです。オーナーのサウジアラビア愛、伝わってきます。

■ タイバット博物館/Tayebat Museum

住所/Irfan Al Jamil, Al Faisaliyyah
TEL/+966-50-567-5465
営業時間/8:00〜12:00、17:00〜21:00、金曜定休
入場料/SAR80
HP/https://www.visitsaudi.com/ja/destinations/jeddah/attractions/tayebat-museum

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新市街のお洒落なレストラン&ショップ3軒

伝統的なものと、モダンなものが同居しているジェッダ。新市街には伝統を大切にしつつ、新しい感性が光るお店が増えているもよう。ここではおすすめの3軒をピックアップ。

1) ミーズ・レストラン(Meez Restaurant)
中東各地の伝統的な家庭料理に、調理法やスパイスなど、アレンジを効かせたアラビアのフュージョン料理。米やマカロニ、豆をトマトソースや辛みのあるソースで混ぜながら食すエジプトの国民食「コシャリ」も、モッツアレラソースを詰めたボール状にするなど、クリエイティブ。元ネタとなった料理を知らなくても、楽しめます。
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地元の女子が集うおしゃれカフェ。アジア各国料理が楽しめます。しょう油ラーメンやチキンかつ丼など、聞きおなじみのある料理名も、ひとヒネリ。味について先入観を持たずにいただくと、意外や美味です。
2階まで吹き抜けになった店内は、カジュアルな雰囲気。
▲ 2階まで吹き抜けになった店内は、カジュアルな雰囲気。
パッタイやチキンかつ丼など、アジア人にとって親しみやすいメニュー。
▲ パッタイやチキンかつ丼など、アジア人にとって親しみやすいメニュー。
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中東のファッション、インテリア、フードを集めたコンセプトストア。2フロア吹き抜けの店内には女性オーナーが集めた、地元のアーティストのアイテムがセンスよくディスプレイされています。ポップだったり、ソフィスティケートだったり、今ドキの感性に中東のイメージが一新されるはず。
来年は日本とサウジアラビアの国交70周年、彼女とワクワクするアバンチュールの旅先にいかがでしょう?

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