2025.02.16
モフモフな犬たちと一緒にトリュフを採るためトスカーナへ
食いしん坊であれば一度は憧れる、イタリアでのトリュフ収穫体験。どんな伝手で実現できるか謎と思う人も多いはずですが、トスカーナのホテル「コモカステッロ デル ネロ」が、その願望を叶えてくれます。ホテル自体も十二分に素敵ですから、トリュフ・バカンスのインパクトは大きいはず。
- CREDIT :
文・写真/大石智子 編集/森本 泉(Web LEON)
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「イタリアにトリュフ採りに行こう」と誘えるホテル
かくいう筆者も、昨年ある体験のためにイタリア・トスカーナに飛びました。きっかけは、「このホテルに泊まると犬と一緒にトリュフ狩りに行けるよ」という会話。教えてもらったホテルは、「コモ ホテルズ アンド リゾーツ(COMO Hotels and Resorts)」に属する「コモ カステッロ デル ネロ(COMO Castello Del Nero)」。
コモはシンガポール拠点の家族経営のホテルブランドで、現在世界中に20軒を展開しています。ナチュラルでセンスがよく、過去訪れた2軒も素晴らしかった。コモ好き、犬好き、トリュフ好きですから、迷う理由はありません。その日にトスカーナ行きを決意したのでした。


元古城のホテルに酔いしれる




テーブルの上には全室にギフトとして用意されているホテルオリジナルの赤ワイン。1回はこのワインを飲みながらルームサービスをいただくのもおすすめです。




トリュフ狩りではモフモフがリーダーです

プロのトリュフハンターであるマッティアさんのトラックに乗って現れたのは、ブリーザとアルデジア。ともにラゴット・ロマニョーロという鋭い嗅覚をもつ犬種です。優秀なトリュフ犬になることで知られる犬種ですが、第一印象は腰が抜けそうなほどかわいい! ケージから出るや尻尾を振って私たちを舐め、愛嬌を振りまきます。

そう話す先で自由に走り回り、まずはウンチをきめる2匹。「これが済むといいスポットに行くんだ」とマッティアさん。このツアーのメリットは、トリュフ狩りの仕組みや文化の話(英語)とともに、森を散歩できることにもあります。例えば、犬たちはトリュフが好きだから探し当てるわけですが、なぜトリュフを好きになるのか。赤ちゃんの時、乳首にトリュフをすりつけたお母さんのミルクを飲んでいるからとか。

しかし、古くからのトリュフ文化を知るマッティアさん家族は、「私たちの手は情熱で汚れています」と、森の土を表す言葉を胸に実直な仕事を続けています。ちなみに家庭の味としてあげたのは、鶏のブロスのスープにトルテッリーニ(小さなラビオリ)を浮かべてトリュフを削ったもの。想像するだけで美味しそうで、この文を打った瞬間にリアルにお腹がなりました。
知る人ぞ知る“ビアンケット”を探して

ビアンケットとは、トスカーナやマルケなどの限られた地域でのみ収穫される希少なトリュフ。黒でも白でもない小粒で、穏やかな芳醇さを潜めます。ブリーザとアルデジアは、オークの木や松の木の下に育つビアンケットの匂いを嗅ぎとり、お尻をフリフリふって進んでいく。見つけると穴を掘るわけですが、彼らが食べる前にマッティアさんがトリュフを採り、ご褒美におやつを与えます。

当日は雨のあとで匂いを嗅ぎとりづらかったものの、いくつか収穫し1時間強の森林ウォークが終了。犬への関心と食い意地が先行したトリュフ狩りでしたが、「これってウェルネスでは?」と感じた時間ともなりました。



人を幸せにする朝食もあります

朝食の他、お篭りの場合は以下3軒のバー&レストランを巡ることになります。
(1) ラ タベルナ(LA TAVERNA)=古城のキッチンを改築したバー
(2) パビリオン(PAVILION)=ピザ窯も備える地中海料理
(3) ラ トーレ(La Torre)=ミシュラン1つ星を獲得するトスカーナ料理
トスカーナらしいアクティビティもお見逃しなく

手摘みのサンジョヴェーゼの深みが際立つ「キャンティ・クラシコ グラン セレツィオーネ」(約1万5600円)のグラスもコース込み。リッチなものほど自然のなかで飲むと格別に感じます。


▲ テラスで鳥の声を聴きながら飲むコーヒーが美味しい。
▲ 曜日によっては「メルカート ナイト」というディナービュッフェの催しもあり。
▲ 「メルカート ナイト」でのバンド演奏。
▲ スパのジャグジー。
▲ 帰りはフィレンツェの郷土料理ランプレドットの店「ダ・ネルボーネ(Da Nerbone)」に立ち寄り。牛肉の煮込みにスパイシーなトッピングがよく合い、コップワインが進む。
▲ フィレンツェではネーム入り犬の首輪を購入。
▲ テラスで鳥の声を聴きながら飲むコーヒーが美味しい。
▲ 曜日によっては「メルカート ナイト」というディナービュッフェの催しもあり。
▲ 「メルカート ナイト」でのバンド演奏。
▲ スパのジャグジー。
▲ 帰りはフィレンツェの郷土料理ランプレドットの店「ダ・ネルボーネ(Da Nerbone)」に立ち寄り。牛肉の煮込みにスパイシーなトッピングがよく合い、コップワインが進む。
▲ フィレンツェではネーム入り犬の首輪を購入。
「コモ カステッロ デル ネロ」
1泊2名朝食付き参考価格705ユーロ(約11万5000円)〜
HP/https://www.comohotels.com

● 大石智子(おおいし・ともこ)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、毎月海外に渡航。スペインと南米に行く頻度が高い。柴犬好き。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。