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2024.12.15

モルディブ版「こういうのがいいんだよ」は、1室2名16万円からのシャンパン付きオールインクルーシブでした

寒い冬を抜け出して南国バカンスに出るならどこがいいか? まったくの異世界を望むなら、やはりモルディブは鉄板です。そして、島でとことん解放的になるには、オールインクルーシブのリゾートが間違いない。理想の条件を満たす「オーゼン ライフマードゥー」と「オーゼン リザーブ ボリフシ」を、2回連続でご紹介します。

CREDIT :

文/大石智子

格好つけない自分になれるリゾートへ

忙しない毎日から飛び出し、何も考えない抜け殻みたいな時間を過ごす。ただお酒を飲んで、ほろ酔いで青い空と海を眺める。欲しいのは、まるでダメ人間なバカンス。

大人にそんな贅沢なユルさを与えてくれる旅先といえば、モルディブでしょう。インド洋に浮かぶ26の環礁と約1200の島々からなる群島国であるモルディブ。眩い海に囲まれ、人々のムードも時間の流れも、世界トップクラスにゆったりしています。国の一大産業は観光であり、基本は1島1リゾート。その数は170以上にのぼります。

「ソネバフシ」「ソネバジャニ」「ワン&オンリー リーティラ」「シュヴァル ブラン ランデリ」「ザ・リッツ・カールトン」などなど、モルディブにはあらゆるラグジュアリーリゾートが集結。来年はついに「アマンモルディブ」も開業します。それらはもちろん素敵でカッコいい。

でも、この大らかな国で、“ユルさ”を極めるのもひとつの正解。辿り着いたのは、「モルディブこそオールインクルーシブがいい」という結論でした。その気持ちへ導いたのは、「オーゼン ライフ マードゥー(OZEN LIFE MAADHOO)」と「オーゼン リザーブ ボリフシ(OZEN RESERVE BOLIFUSHI)」。
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「オーゼン ライフ マードゥー」の海上ハンモック。写真:Ohashi Masahiro
▲ 「オーゼン ライフ マードゥー」の海上ハンモック。写真:OhashiMasahiro
「OZEN」はモルディブ発のブランドで、前者は2016年に、後者は2020年に開業しました。ともにお酒も料理もすべて宿泊費に含まれる完全オールインクルーシブ。前者の方が手頃で、後者はよりラグジュアリーな造りです。

今秋、4人でこの2軒に3泊ずつ泊まり、私たちはモルディブのオールインクルーシブに目覚めてしまった。メンバーにはモルディブ20回以上、10回以上の猛者もいて、筆者は3回目。そんな私たちがいままで泊まったリゾートより手頃な「OZEN」を体験して、「ここでよくない?」と思わず発言。漫画『孤高のグルメ』の名言、「ほー いいじゃないか こういうのでいいんだよ こういうので」をモルディブで感じてしまったのです。
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「オーゼン ライフ マードゥー」の水上コテージ。もう、十分じゃないですか?
▲ 「オーゼン ライフ マードゥー」の水上コテージ。もう、十分じゃないですか?

目覚めたら一面ブルーの世界

ラグジュアリーなスピードボートでリゾートへ。
▲ ラグジュアリーなスピードボートでリゾートへ。
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まず向かったのは、「オーゼン ライフ マードゥー」。島はモルディブの玄関口となるマーレ空港からスピードボートで約40分に位置します。今回はコロンボ経由のスリランカ航空で夜8時着。ちなみにシンガポール航空で、経由地シンガポールで遊んでからの翌昼マーレ着というプランもおすすめです。

夜の海を進み、リゾートに着くと辺りは真っ暗。目覚めの絶景を楽しみに水上ヴィラで眠りにつきました。そして翌朝、窓の外に広がっていたのは静かで真っ青な海。寝起きなので、まさに目が覚めるほどの青。一瞬で旅人を非現実に連れ出す光景に囲まれていました。「やっぱりモルディブの海は格別」と、はるばる来た甲斐を感じます。
ベッドが海を眺める特等席となる水上ヴィラ。
▲ ベッドが海を眺める特等席となる水上ヴィラ。
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テラスにいるだけで悦に。
▲ テラスにいるだけで悦に。
95室のヴィラは水上ヴィラとビーチヴィラに分かれ、もしも「オーゼン ライフ マードゥー」と「オーゼン
リザーブ ボリフシ」を梯子するなら、前者で水上ヴィラ、後者でビーチヴィラとするのがおすすめ。詳しくは次回お伝えしますが、後者のビーチヴィラは、目の前にドロップオフがある絶好のシュノーケリングスポットだからです。
床が透けるか透けないかで大違い。
▲ 床が透けるか透けないかで大違い。
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宿泊した「オーゼン ライフ マードゥー」の水上ヴィラは、率直に言うと格好つけ過ぎてなくて心地よかった。モルディブ初期的な王道のデザイン。ベッドボードに魚が描かれているようなホテルに泊まりたい時もあるのです。

デザインコンシャスでスンとしたリゾートとは違う和やかさ。お気に入りは入口とテーブルの下の床がガラス張りだったこと。水上ヴィラの真下で魚がひらひら泳ぐ様子が見えて癒されます。
バスルームもオーシャンビュー。アメニティはアスプレイ。
▲ バスルームもオーシャンビュー。アメニティはアスプレイ。
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「ウインドヴィラ(水上ヴィラ)」はプールなしで85㎡、ありで112㎡。テラスから海に降りて泳げるので、プールなしでも満たされます。
▲ 「ウインドヴィラ(水上ヴィラ)」はプールなしで85㎡、ありで112㎡。テラスから海に降りて泳げるので、プールなしでも満たされます。
テラスにはソファの他にネッドベッド(写真は仕様の違う参考画像)と2つのサンベッドがあり、ヴィラ内だけでも寛ぐ場所が多い!
▲ テラスにはソファの他にネッドベッド(写真は向き違いの参考画像)と2つのサンベッドがあり、ヴィラ内だけでも寛ぐ場所が多い!
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代わって水上ではない「アースヴィラ(ビーチヴィラ)」はこのようなデザインで185㎡〜。
▲ 代わって水上ではない「アースヴィラ(ビーチヴィラ)」はこのようなデザインで185㎡〜。
「アースヴィラ」のプール。この先にビーチが広がっています。
▲ 「アースヴィラ」のプール。この先にビーチが広がっています。
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どこでもシャンパンが叶う島

夕陽にシャンパンは欠かせない。
▲ 夕陽にシャンパンは欠かせない。
さて、特に予定のない2日目。朝食をとりのんびりして昼食と続きますが、ここは島に着いたらほぼすべてがフリー。オールインクルーシブには下記が含まれます。お金がかかるものを探す方が逆に難しい!

・オールデイダイニング「THE PALMS」朝昼夕食
・モルディブ料理「LONU」昼食のみ
・インド&スリランカ料理「THE TRADITIONS-IndoCeylon」夕食のみ
・中華料理「THE TRADITIONS-Peking」夕食のみ
・プールバー&ピッツェリア「Joie de VIVRE」11:00〜21:00
・レストランでのすべてのドリンク(ワインなどのアルコール込)
・カクテルと軽食「Hudhu Bay Beach Club」10:00〜18:00
・毎週金曜夜のガラパーティー(ライブミュージックとウェルカムカクテル)
・客室のミニバーとスナック (1日1回補充)
・サンセットクルーズまたはサンセットフィッシング
・シュノーケリングツアー
・シュノーケリングセットのレンタル
・モーターなしのウォータースポーツ (ウィンドサーフィン、カヌー、サップなど)
・テニスコートの使用
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「LONU」ではモルディブの伝統料理を食べられます。左は魚のフレークを混ぜて食べる“マスバイ”という米料理で、右はカナマドゥというナッツを使ったケーキ。
▲ 「LONU」ではモルディブの伝統料理を食べられます。写真は魚のフレークを混ぜて食べる“マスバイ”という米料理。
「LONU」ではモルディブの伝統料理を食べられます。左は魚のフレークを混ぜて食べる“マスバイ”という米料理で、右はカナマドゥというナッツを使ったケーキ。
▲ カナマドゥというナッツを使ったケーキ。
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「THE TRADITIONS-IndoCeylon」は早めのディナーを予約して空の移り変わりをお楽しみあれ。
▲ 「THE TRADITIONS-IndoCeylon」は早めのディナーを予約して空の移り変わりをお楽しみあれ。
気になる宿泊費は、税もすべて込み込みで1室約16万円から。いまや1室30万円以上のリゾートも乱立するモルディブで、ひとり8万円のオールインクルーシブは良心的であり、環境も十分。何より、レストランでメニューを選ぶ時に金額が目に入らないのがこんなに解放的とは。やはり数字は気になるもので、島国モルディブの食事は正直なところ割高です。

元は無人島であった場所で料理をいただけるのですから、それはもちろん高くなり、個人的には機内食に通ずるありがたみを感じるもの。「OZEN」のように選択肢が広いオールインクルーシブとくれば、他に何を望みましょう?
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自室ヴィラのテラスでシャンパンを飲む。美しいこの世の果てのようです。
▲ 自室ヴィラのテラスでシャンパンを飲む。美しいこの世の果てのようです。
特にうれしいのが、シャンパンをいたるところで飲めること。朝食のパンケーキにも、海老カレーにも、ピザにも合わせることができます。客室のワインセラーには赤白ワインとシャンパン、デザートワインを常備し、それらも飲み放題。お昼にルームサービスのナシゴレンをつまみにシャパンを空けたら、数時間後には補充されていました。泡を切らすことがない。客室のボトルはハーフなので、ふたりで(ひとりでも)一度に飲み切るに都合がいいです。

専任のワインディレクターがワインとシャンパンのプログラムを監督。数社のメーカーとパートナーシップを結んでいるとのことで、消費量を考えるとメーカーにとっても大クライアントです。年に数回はワインのマスタークラスやメーカーズディナーも開催されるとか。
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人生初、ナシゴレンにシャンパンを合わせました。
▲ 人生初、ナシゴレン×シャンパン。
夕方にはサンセットを眺めながらシャンパンで乾杯。ただ海を眺めて泡酒を飲む3日間は、これが最初で最後でしょう。ポンポンッっと抜栓音が響く島は、みんなが根明になりそうなムードです。些細な悩みや、欲張りすぎる気持ちを忘れます。言うまでもなく、絶対に仕事を抱えて来てはいけない。
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夕暮れどきの乾杯は海上ベッドの上で。写真:Ohashi Masahiro
▲ 夕暮れどきの乾杯は海上ベッドの上で。写真:Ohashi Masahiro

水中レストランで、サメを眺めながらのディナーを

目の前をひっきりなしにサメが通る異質さがステキ。写真:Ohashi Masahiro
▲ 目の前をひっきりなしにサメが通る異質さがステキ。写真:Ohashi Masahiro
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4泊以上するゲストには水中レストラン「マイナス 6 ミーターズ(MINUS SIX METERS)」での食事も含まれるようになります(3泊までのゲストには有料で提供)。店名通り水深6mに位置し、海の中での食事が叶う場所。店に続く桟橋を渡る時点で高揚します。

店内に入ると270度くらいがガラス張り。珊瑚礁に囲まれているので魚が多く、想像以上の魚種がガラス1枚を隔てて泳ぎ回っています。実は人間の方が水槽の中にいるマイナー種になったようで面白い。「あっ、サメだ!」「ほんとだ、サメだ!」といった単純すぎる会話が起こるのも新鮮。自由な魚たちを見ているうちに泳ぎたくもなってきます。
時に罵倒言葉として使われるコバンザメ。
▲ サメの下にいるのがコバンザメ。
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店内はガラスに沿ってソファが置かれています。
▲ 店内はガラスに沿ってソファが置かれています。
円柱状の建物の地階が水中レストラン。写真:Ohashi Masahiro
▲ 円柱状の建物の地階が水中レストラン。写真:Ohashi Masahiro
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肩肘はらないカジュアルさがいい

森と海に挟まれたテニスコートも自由に使えます。
▲ 森と海に挟まれたテニスコートも自由に使えます。
「オーゼン ライフ マードゥー」はカップルで来るのもいいけれど、気心が知れた仲間と4人くらいで旅するのにぴったりの場所。飲んで、語って、潜って、夕日を見て、といったシンプルな贅沢がここにはあります。近年のモルディブはSNS上でブランド競争が進み、「いいなあ」と思わせる投稿が増えています。しかし、そのあと「でも、とても行けない」と諦める人が多いのも事実。ここは、まだ手が届く価格帯で、現地でのリアルな時間に面白みがあるところ。

地元の公園によくある「ジョリ」という網の椅子が置いてあったり、ダイビングセンターのペンが土産物屋のキャラペンだったり、親しみやすさがクセになる。一貫して、「こういうのでいいんだよ こういうので」と感じさせます。
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ハンモックと椅子が合体したような「ジョリ」。写真:Ohashi Masahiro
▲ ハンモックと椅子が合体したような「ジョリ」。写真:Ohashi Masahiro
元ジュメイラの名残でしょうか。
▲ 中東おじさんノペンでサイン。
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肝心なシュノーケリングにも触れたいですが、2軒目「オーゼン リザーブ ボリフシ」の方が体験したスポットに近かったので次回。「オーゼン ライフ マードゥー」からも遠くはないため、「マードゥー」だけに泊まる人は次回の記述をご参考ください。では、ユルめのモルディブ旅行記は姉妹リゾートに続きます。
パブリックプールにゲストが少ないのもモルディブならでは。
▲ メインプールにゲストが少ないのもモルディブならでは。
サンセットクルーズへの参加もフリー。
▲ サンセットクルーズへの参加もフリー。
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希望があれば、ふたりっきりのビーチシアターもセッティングしてくれます。
▲ 希望があれば、ふたりっきりのビーチシアターもセッティングしてくれます。
右下に映るのは、最も広い「THE OZEN RESIDENCE」(430㎡) 。
▲ 右下に映るのは、最も広い「THE OZEN RESIDENCE」(430㎡) 。
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■ OZEN LIFE MAADHOO

● 大石智子(おおいし・ともこ)

出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、毎月海外に渡航。スペインと南米に行く頻度が高い。柴犬好き。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。

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