「アートな時計」で腕元美術館に彼女をご招待!?

日常とは異なる体験を求めるのが旅だとすれば、それはアートに触れることにも通じます。大胆な発想や圧倒されるような創造性、目を見張るような表現技法に刺激され、新たな感性を発見する。時を超越した価値に、感動は深く記憶に刻まれます。

そんなアートな気分を満喫したいなら、旅は腕元の時計から始まります。いずれも個性豊かな作品であり、時刻を知るためのツールという時計の概念を超えたものばかり。

なかには時分針もなく、どうやって時間を読み取るのかわからないモデルも。でも、だからこそ時刻を忘れ、ふたりだけの時を刻み、それも旅時計の醍醐味であることを知るのです。

時計でありながら、タイムレスな腕元の美術館があれば、いつどこにいようとも、彼女とともに旅を楽しむことができますね。

精緻なメカニズムを内蔵するのに対し、古くから文字盤は個性を表現するキャンバスになってきました。伝統技法を注ぐ技術工芸としての価値をはじめムーブメントと連動したオートマタの動きも多彩に表現に加えています。

「メメントモリ（死を想え）」とは、死を意識することでいまを大切に生きるという意味であり、多くのスカルアートがここから生まれました。

共鳴した新進気鋭のデザイナー、フィオナ・クルーガーによるスカル時計は、M.O.P.の文字盤にパターンを転写し、艶やかさに奥行きや立体感を表現。くりぬかれた目や鼻からはムーブメントが覗きます。

ルーヴル美術館とのパートナーシップによって、所蔵する古代アート作品をモチーフにします。1863年に北エーゲ海のサモトラケ島で発見された船首像の翼を広げた女神をWGに手彫りとパティーナ加工を施し再現。

これを茶色とグリザイユ技法のエナメルによる文字盤に備えます。四隅に設けた小窓には、時分に加え、日付と曜日を表示します。

文字盤に浮かび上がる馬は、アーティストのブノワ・ピエール・エメリが2010年に発表したスカーフの《カレ》に由来。

これを何層にも重ねたホワイトエナメルにレーザーで微細な穴を開け、1678粒のブルーエナメルビーズを1粒ずつピンセットではめ込みます。ベゼルは52個のバゲットダイヤモンドで取り巻きます。

伝統的なオートマタ（からくり人形）技術とエナメルや手彫り技法を駆使し、四川オペラの変面の世界を再現します。プッシュボタンを押すと、ドラゴンの頭が立ち上がり、変面の額にジャンピングアワーが現れるとともにドラゴンの尾がレトログラード式に分を表示。この間も表情は変わり、釘付けに。