2023.12.16
featuring デザイン・広告会社経営 鵜瀬 竜児編
対照的であり共通点もあるウブロとパテック フィリップ
お洒落な男性なら誰もがステキな時計を持っているものです。そこでこだわり男子に、こっそり愛用時計にまつわるエピソードをインタビュー。実に興味深いお話がアレコレと飛び出します。
- CREDIT :
写真/大森 直(Table Rock Inc.) 構成・文/長谷川 剛(Table Rock Script)
定番好きだが時計は自分らしいモノを選びたい
── 現在44歳の鵜瀬さん。取材の日の装いはシンプルなモノトーンのジャケットスタイル。聞けばそもそも学生時代から装いに関しては、安定感のある定番的な着こなしがお好みとのこと。また、装飾品に関してもほとんど身に着けることがないと言います。気に入ったものをじっくり長く使うスタイルのため、トレンドに左右されないアイテム選びが自身の流儀と語ります。
── 謙遜気味にトークを進める鵜瀬さん。しかしルックスは非常にスマートかつ清潔感も十分。シンプルな着こなしの中にも自分のスタイルがきちんと貫かれている印象です。そんな鵜瀬さんが社会人になって、最初に手に入れた本格時計がウブロとのこと。
── そして選んだのがウブロのクラシック フュージョン オートマティック。ただ、“キチンとする”ということであればロレックスなども候補に入るはず。その辺に関し、試行錯誤や迷いはあったのでしょうか。
鵜瀬 服装などは定番的なものを選ぶのが自分流です。ただし持ち物の場合、あまりに他人とカブってしまうのはイヤなんです(笑)。だから信頼性のあるブランドを前提に、自分らしい個性を感じさせる一本を探しました。そして雑誌などを見て、直感的に刺さったのがウブロの時計。学生時代にサッカーをしていた自分としては、ウブロがワールドカップなど、国際大会の公式タイムキーパーを務めていたことなども知っていました。それに非常に勢いを感じていたブランドなので、思い立ってすぐに買いに行ったのです。
鵜瀬 2016年の購入当時、本格的な時計はこのウブロ一本。個人的にかなり気に入ってしまったこともあり、オンもオフも構わず使い続けていました。カレンダー以外に数字を持たない盤面など、洗練された外観ゆえに大抵の装いにマッチするんです。最近は、スポーティなカジュアルスタイル等に合わせて楽しんでいます。
── とは言うものの、時が経てば人間考え方が変わるもの。40歳を過ぎたころに、成長した自分にマッチしたもう少し大人っぽい時計が欲しいと思うようになった鵜瀬さん。そこで時計にウルサイ知人に意見を求めたところ、とある一本が紹介されたのです。
腕元に品の良い存在感が備わるビンテージ・パテックの妙
やっぱり時計を気にしだすと、パテック フィリップの名前はどうしても耳に入るもの。縁があればぜひ手に入れたいと考えていたので、ほぼ即決で購入しました。このカラトラバはご存知のとおり、非常にミニマルなデザイン。要素としては素っ気ないとも言えるのですが、やはり研ぎ澄まされた美しさがあります。身に着けると非常に気分も引き締まります。
そんな堅実なエグゼクティブに、個人的な時計選びのポイントを改めてうかがったところ、納得の返答に加え意外な事実も判明しました。
衝動買いに近いけど、後悔はまったくなし
しかし、だからといってすぐに飽きてしまうことはありません。どちらの時計も非常にシンプルで余計な装飾を持たないデザイン。そして実用アイテムとしてスペックは十分。そういったモノを選んで長く使用するのが自分流なんです。今所有している車にしても、もう15年ほど乗り続けていますからね。
聞けば、従業員の異動が多いデザイン業界にありながら、鵜瀬さんの会社では辞めてしまうスタッフがほぼゼロだとか。それは確かな直感力と決断力、じっくり向きあうなどの継続的な愛情を持つリーダーが、しっかり会社を支えているからだと考えられるのです。
● 鵜瀬竜児 (デザイン・広告会社経営)
1979年神戸市生まれ。2016年にWEBデザインをはじめとするコンサルティング等の業務をメインとする、株式会社ノーティスデザインカンパニーの代表取締役兼CEOに就任。同じく広告や映像、WEBサイト等を行うニューモア株式会社の代表取締役と、商業施設のプロモーションを手掛ける株式会社アド・ウォークの常務執行役員も兼務。現在はそれら3つの会社の組織運営を担いながら、自らも様々な企画のプロデュースやサービス開発を行っている。