2024.07.02
JSA認定ソムリエ:西 勇輔 編
ワインのような熟成関係がもたらしたエアキング、そしてコスモグラフ デイトナ
お洒落な男性なら誰もがステキな時計を持っているものです。そこでこだわり男子に、こっそり愛用時計にまつわるエピソードをインタビュー。実に興味深いお話がアレコレと飛び出します。
- CREDIT :
写真/鈴木克典 構成・文/長谷川 剛(Table Rock Script) 撮影協力/KAWARAI
ロッカーからソムリエという異色の転身を遂げて
以前は西麻布の有名会員制ワインバー「KEYAKI」にて支配人を務めるなど、その実力は折り紙付き。また、日本で唯一オールナイトニッポンGOLDのMCを務めたエンタメ系のワインマスターでもあるのです。
日々、世界的な高級ワインをセレブにサーブする目利きゆえ、身に付けるアイテムにもこだわりが深い西さん。時計に関しても思い入れの深いグラン・ウォッチを選び出し、時計ライフを楽しんでいます。
「やはりトップを目指すなら自分の店舗を持つのがひとつの条件。去年、気の合う仲間と会社を興しまして、現在はワインバーに適した店舗を鋭意探しているところです。またワインバー“Nr.14(フォーティーン)”という業態を同時に立ち上げ、既存の飲食店とコラボという形式にてソムリエ活動を続けています」
ソムリエというとワインに精通したプロフェッショナルというイメージですが、お店やその個人によってスタイルはそれぞれだそう。西さんはどのようなスタイルにてソムリエとしてのキャリアを重ねているのでしょうか。
プロデューサーがいてクリエイター及びプレーヤーがいてエンジニアがいる。そしてオーディエンスを楽しませ満足させる……。そういった座組のなかで、僕の場合はワインを軸としたエンタテイナーを目指すべきだと思ったのです」
また、ワインを愛好するお客様は知的であり良い人脈をお持ちの方が多い。そういった特別なゲストと触れ合えるところも、ソムリエの妙味といえるでしょう。しかし彼等のようなアッパーな人達を満足させるには、やはり一筋縄ではいきません。
ですのでフードアナリストの資格を取得したり、ウイスキーや日本酒などの鑑定に関わる認定試験をパスするなど、ワイン以外の知識も積極的にフォローするようにしています」
接客業のオンスタイルに適切な時計とは?
さらに現在は飲食シーン全体から見ても最難関とされる、マスターソムリエの資格取得に余念がないのだそう。
そんなチャレンジする若きワインマスターが、オンの時間に身に付ける時計のひとつがロレックス エアキング。KEYAKI時代にお客様から託されたものとのこと。
以前在籍していたKEYAKIは、そういったボトルをお客様からお預かりし、大切に保管しながらベストのタイミングを見計らい、そのお客様に楽しんでいただくというスタイルでした。ですので、お客様とのお付き合いも長期に至ります。場合によっては一生の関係になることも十分考えられます。
もちろんそのためには信頼関係もかなり重要。あるとき懇意にしていたお客様から『このエアキングは、僕が最初に買ったロレックスです。非常にシンプルで控えめだから、キミみたいな人がお店で付けるのに最適なんじゃない?』と渡されました。
個人的には、将来を見据えたお付き合いが許された証と考え、それ以来、大切に身に付けているんです」
「ソムリエももちろん接客業のひとつです。あまりに華美に走りすぎては、お客様に違和感を与えてしまうことも。特に時計は高額かつ派手なものにならない気遣いが必要です。
とはいえ、ハイクラスなワインを楽しみにいらっしゃるお客様は、往々にして高い美意識をお持ちです。装飾品もありきたりでチープなものでは信頼感を損ないます。
その点、ロレックスのエアキングはそこまでワル目立ちせず、さりとて貧相でもないことから、ある意味オンの時計として理想的だと言えるでしょう」
予想以上の汎用性の高さを持つ金無垢デイトナ
ケース素材をはじめ色々な種類がありますが、この一本はエバーローズゴールド使いが大きなポイント。どこかシャンパンを思い起こさせるリッチな輝きが気に入っています。
また、このモデルは文字盤がチョコレートブラウン。スポーティかつソフトなエレガンスを感じさせる組み合わせです。ラバーストラップであることもポイントで、僕は黒のレザーライダーズを羽織ることが多いのですが、ブレスレットタイプだと少しトゥーマッチになってしまいます。
スポーティかつ柔軟なラバーベルトが、ライダーズスタイルをしなやかに見せてくれるように思います」
「ライダーズとのマッチングを考慮してチョイスしたのですが、Tシャツスタイルにも良く馴染むんです。軽い着こなしに大人の重みを添えてくれる存在と言いますか。
また、ここぞのドレススタイルにも合わせることがあります。僕は三大ワイン騎士団のボルドー騎士の称号もいただいており、その関係から礼装で出掛ける場合もあるんです。タキシードなどの着こなしにも、このデイトナはマッチするように思います」
「そうですね。このデイトナを探す時にいろいろな種類を知り、正直言うとエバーローズゴールド以外にも惹かれたモデルがありました(笑)。ゆくゆくは複数のデイトナオーナーにもなりたいと思っています。
ただ、今はこの一本でとりあえず満足。このデイトナを眺めていると、初心を思い出して身が引き締まります。そして見れば見るほど良いデザインの時計だなとも思います。まずはこのゴールドのデイトナに見合う自分になれるよう“熟成”していきたいですね(笑)」
● 西 勇輔(JSA認定ソムリエ 株式会社ソムスクァッド 代表)
1986年生まれ。高校時代に組んだバンドで2013年メジャーデビュー。2014年に芸能界を離れ飲食業界に転身。フレンチレストラン「エラン ビタール」副支配人を経て2019年、会員制ワインバー「KEYAKI」の立ち上げに関わる。以降、同店支配人として4年8カ月従事。2023年に独立し、自身の会社である株式会社ソムスクァッド設立。JSA認定ソムリエ、JSA認定ワインエキスパート、JSA認定SAKEディプロマ、JWRC認定ウィスキーエキスパート、JFAAC認定フードアナリスト講師など多数の資格を持つ。
公式インスタグラム:winebar.14
◾️ 撮影協力/KAWARAI / とらふぐかわらい
住所/東京都渋谷区広尾1-15-3 クオリア 恵比寿パークフロント
TEL/03-3449-2552(紹介制)