駆け引き上手な腕時計!? 男女の甘いやりとりが始まります

見る者を幻惑させる文字盤で、オーナーでなければ時刻の読み方がわからない……。高度な時計技巧をなぜこのような方向で発露したのか、ブランドによって理由や狙いはさまざまですが、ひとつだけ確かなことは時間が読めないからこそ始まる、男女間の甘〜いやりとりに重宝するということです。

時刻の視認性は、時計が大事にすべき要素。ですが以下の3本は、インデックスをランダムに配したり、中央に置いたトゥールビヨンで文字盤全体を渦巻きのようにデザインしたり、はたまたピカピカ輝く黄金のスフィンクスを鎮座させたりと、一瞥した限りでは時間がわからない文字盤デザインを備えています。

これら“幻惑時計”の魅力は、所有者でなければ時間が読めないという優越感に浸れるのに加え、時間に縛られたくない夜遊びの場面で、駆け引きの道具に使えるところ。

例えば時計のリッチな佇まいに興味を示した女性に対し、「この時計、いま何時を示しているかわかる？」なんて語りかければ、距離もグッと接近。そこから時間の深遠や不思議についてトークを進めれば、さらなるロマンティックな展開が待っているでしょう。

刻む時間はわかりにくいものの、お相手の心にあなたの魅力をくっきりと刻みつける時計たちなのです。

時間は規則的に進むという固定観念から解放するかのごとく、毎正時ごとランダムに配置された数字に向かって時針がジャンプ！ ブランドお得意の遊び心溢れる機構です。

時に対する独自の哲学と遊び心の象徴として、2003年の登場以来多くの人を魅了するクレイジー アワーズ機構。それをヴァンガードモデルの存在感あるケースに搭載した限定作です。ランダムな数字インデックスにはダイヤモンドをセットし、煌びやかに。表示時刻は4時10分。

同心円を重ねて渦巻きのように見える文字盤は中央がフライングトゥールビヨン。その外側に秒、分、時針のディスクが順に並んでいます。メゾンの超絶技巧を存分に見せつけた一本です。

トゥールビヨンを核とする同心円に、秒針、分針、時針を外に向かって放射状に配置。すべての円を異なる高さとし、かつダイヤル外周部に広大な空間を作ったことで、かつてないほど立体的で躍動感あるスケルトンフェイスに。ムーブメント裏面にも、ジュネーブの伝統的装飾技法がテンコ盛りです。表示時刻は10時10分。

ルーブル美術館に保管される、タニスの大スフィンクスの頭部を文字盤中央にゴールドで浮き彫り加工に。4つの小窓で時、分のほか、曜日と日付を表示しています。

芸術と密接に関わりながら発展してきた現存最古の時計メゾンは、近年パリのルーヴル美術館とパートナーシップを締結。同館所蔵作品から着想を得た稀少なタイムピースを発表しています。彫金やエナメル装飾など高度な手仕事の技術で、スフィンクスや古代エジプトの装飾を見事盤面に再現。表示時刻は5時55分。