リシャール・ミル流「角形ドレスウォッチ」でスーツの腕元に差をつける!?

腕時計のプロたちが魅了された1本をリコメンドする本企画。今回、時計ライターの高木教雄が選んだのは、リシャール・ミルのRM 16-02 オートマティック エクストラフラットです。

トノー型のイメージが強いリシャール・ミルに2007年、新風を吹き込んだレクタンギュラーウォッチ RM 16-02 オートマティック エクストラフラットが、フルリニューアルを果たしました。しかも、15番目となる自社製ムーブメント搭載で。

機構的にはデイト表示も秒針もないミニマルな二針ですが、その造作にはリシャール・ミルらしさが見事に発揮されています。地板もブリッジもチタン製とし、まるでラビリンスのような、不規則な格子状にスケルトナイズしているのです。

チタンケースも用意されていますが、今回ピックアップしたのは新色テラコッタカラーのクオーツTPT®仕様で、その厚みは9.5mm。薄型であることも、リシャール・ミルのイメージを覆します。

意外かもしれないが、実はリシャール氏は薄型時計が大好き。以前ご本人の口から聞いたので、確かな情報です。彼の理想を形にした初代RM 16-02 オートマティック エクストラフラットのフルリニューアルは、実に慎重に開発が進められました。なにしろ最初にレクタンギュラーケースを発表してから18年ぶりとなるのですから。

自社製となったスケルトンムーブメントは無秩序な格子状のようで、実際には各パーツを的確に支えられるよう綿密に形状が計算されています。ブリッジも調整しやすさを配慮し、分割。直線的なスケルトン構造に合わせ自動巻きローターを台形とし、インデックスもホワイトの数字とワイヤーワークのような一筆書きの組み合わせとしたのも、お見事です。

新色テラコッタクオーツTPT®は色味がシックで、ミルマルな２針とも相まって、これはリシャール・ミル流のドレスウォッチだと言えるでしょう。