2025.03.02
ルイ・ヴィトンの腕時計の新たな一手は、"旅の真髄"を感じさせるデジタル式表示!?
腕時計のプロたちが魅了された1本をリコメンドする本企画。今回は時計ジャーナリストの柴田 充さんが「ルイ・ヴィトン」の『タンブール オトマティック コンバージェンス ピンクゴールド』を選びました! 旅の真髄を標榜するメゾンにふさわしく、時を優雅に味わうことのできる機構が魅力です。
- CREDIT :
文/柴田 充 編集/岸澤美希(Web LEON)
選者:時計ジャーナリスト 柴田 充
ルイ・ヴィトンが盤石の体制を整えた新たな一手とは?


ルイ・ヴィトンが本格的にウォッチメイキングに参入したのは2002年、嚆矢となったのがタンブールでした。旅の真髄を標榜するメゾンにふさわしく、ケースフォルムは黎明期のトラベルウォッチであるドラム型時計をモチーフに、シリーズ初期からトゥールビヨンを発表し、コンプリケーションにも積極的に取り組んでいます。
昨年これに新たなアイコンコレクションとしてエスカルが加わり、スポーティシックとオーセンティックドレスという盤石の体制を整えたのも記憶に新しいところ。その次なる一手がなんと針のないデジタル式表示だったというわけです。
「移り変わる時に込められた旅の真髄」(柴田)

現在ではジャンピングアワーのスタイルに受け継がれますが、本作では瞬転ではなく、時分表示はディスクの回転によってゆっくりと変わります。メゾンではスピンタイムというジャンピングアワー機構をもち、これを応用開発することは不可能ではなかったと思います。ではなぜそうしなかったのか。
それは、たとえデジタルでも移り変わる時を優雅に味わいたいという思いからではないでしょうか。そこに目的地に到着するまでの移動もまた醍醐味でもあるという旅の真髄が伝わるのです。


● 柴田 充(しばた・みつる)
ライター。コピーライター、出版社編集を経て、フリーランスに。現在は時計、ファッション、クルマ、デザインなどのジャンルを中心に広告制作やメンズライフスタイル誌に執筆中。今年は年明けから時計購入モードに突入。旅する余裕なく、働き続けるか。
■ お問い合わせ
ルイ・ヴィトン クライアントサービス 0120-00-1854