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2025.03.11

オメガは自動巻きのスピードマスターもイイぞ! 王道パイロットウォッチの魅力もたっぷりな新作

腕時計のプロたちが魅了された1本をリコメンドする本企画。今回は時計ジャーナリストの渋谷ヤスヒトさんが「オメガ」の『スピードマスター パイロット』を選びました! ムーンウォッチとは違う、スピードマスターの魅力が楽しめます。

CREDIT :

文/渋谷ヤスヒト 編集/岸澤美希(Web LEON)

腕時計のプロたちが魅了された1本をリコメンドする本企画。今回、時計ジャーナリストの渋谷ヤスヒトさんが選んだのは、オメガのスピードマスター パイロットです。

選者:時計ジャーナリスト 渋谷ヤスヒト

自動巻きの「スピマス」もお忘れなく!

「スピードマスター パイロット」自動巻き、SSケース(40.85mm)✕ブレスレット。100m防水。146万3000円/オメガ 腕時計
連載 一本取られました 腕時計 プロが選ぶ
オメガのスピードマスターといえば、アメリカのアポロ計画で宇宙飛行士たちの公式装備として月に行ったことから、“ムーンウォッチ”の通称で知られる手巻きのプロフェッショナルモデルがまず頭に浮かぶことでしょう。月に行っただけではなく、アポロ13号の危機を計器となって救った話とか、とにかくエピソード満載で、マニアの中には「手巻きじゃないとスピードマスターじゃない」という方もいらっしゃるほど。

ところで“ムーンウォッチ”はなぜ手巻きだったのか。それにはふたつの理由があります。ひとつめの理由は月に行く時計を選んだ当時、自動巻きのクロノグラフがまだなかったから。

そしてもうひとつは、宇宙空間や月面には重力が少なく、自動巻き機構の意味がないから。ただ、実はふたつめの理由は正確じゃありません。なぜなら腕に着けていれば、重力が少なくても回転錘は回るので、それなりにぜんまいは巻かれるはずなのです。
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ケースが特徴的な「スピードマスター マークⅢ」。 ※アーカイブモデル
▲ ケースが特徴的な「スピードマスター マークⅢ」。 ※アーカイブモデル
一方で、スピードマスターの自動巻きモデルには、手巻きとは違う魅力があります。なかでもマニアの間で人気なのが1971年から発売されたスピードマスター マークⅢ

その特徴は、ひと目でそれとわかる存在感抜群の“トノー型”の外枠をもつケース。“ボルケーノ(火山)”や“モノコック”、マーク型などと呼ばれています。そして1970年代のレーシングデザインと言えばよいのか、インダイヤルやインデックスに鮮やかな“差し色”を使った文字盤も特徴です。加えて、オメガ初のレマニア製自動巻きクロノグラフムーブメント、Cal.1040が搭載されました(※)。実は、ボルケーノ・ケースは分厚いこのムーブメントを搭載するために生まれたデザインだったのです。

自動巻きクロノグラフが各社から競って登場したのはマークⅢより1年半くらい前の1969年。「オメガとしても自動巻きモデルを出さないわけにはいかない」という気合いを、このボルケーノ・ケースからは感じられます。

そういえば、マークⅢの前作のマークⅡも手巻きではありますが、プロフェッショナルとは違うテイストのデザインでした。「他の人とは違うスピマスが欲しい」という向きには、そっちもなかなかに魅力的です。
※レマニア:1884年創業のエボーシュメーカーで、傑作ムーブメントの数々を生み出した。現在はブレゲに吸収合併されている。
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「パイロットウォッチの王道デザイン!」(渋谷)

「スピードマスター パイロット」自動巻き、SSケース(40.85mm)✕ブレスレット。100m防水。146万3000円/オメガ 腕時計
▲ 「スピードマスター パイロット」自動巻き、SSケース(40.85mm)✕ブレスレット。100m防水。146万3000円/オメガ
そんな自動巻きスピードマスターの最新モデルがスピードマスター パイロット。ベゼルにはマット仕上げのアルミニウムリング付きで、タキメータースケールには、プロフェッショナルなどで有名な“ドット.オーバー.90”(90の数字の斜め上にドット)と“ドット・ダイアゴナル・トゥ 70”(70の数字の斜め下にドット)を配置。

ケースバックにも伝統的なシーホースのメダリオン取り入れるなど、手巻きスピードマスターの伝説をさりげなく継承しているのも見逃せないところ。
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さらに、コックピットの目標照準表示をモチーフにしたスモールセコンドや、先端を飛行機モチーフにしたクロノグラフ針など、ひと目でわかるパイロットクロノグラフの王道を行くデザインも魅力です。この鮮やかな色遣いはマークⅢに通じますし、実は1969年に発売された手巻きのパイロットウォッチ、フライトマスターのデザインを継承しているとも言えます。

手巻きの“ムーンウォッチ”の伝統を継承しつつ、パイロットウォッチの王道を行く自動巻きモデルであるスピードマスター パイロット。これで146万3000円という価格は、かなり良心的。スピマスの未来を拓こうという、オメガの気合いを感じます。

コンサバの手巻きももちろんいいけど、ここまで作り込まれてる自動巻き、なかなかない。何しろ、マスタークロノメーターだし!
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連載 一本取られました 腕時計 プロが選ぶ
渋谷康人 ヤスヒト 腕時計 プロ

● 渋谷ヤスヒト(しぶや・やすひと)

ジャーナリスト、ライター、編集者。腕時計をいちばんのメインに、洗濯機や掃除機などの白モノ家電、パソコンやケータイ、デジカメなどの情報家電からクルマ、靴などのファッションアイテム、食品まで幅広く「本当に良いモノ」を探求中。

※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ 

オメガ 0570-000087

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