2018.04.11
【バーゼル速報09】
ショパールのゴールドは、製造過程も美しいことを宣言
世界最大規模の時計見本市が、スイスのバーゼルで行われる「バーゼルワールド」。著名な時計ブランドが多数出店するなかで、静かで熱い地殻変動がおこっている模様。そんななかから、LEON.JPが注目する時計ブランドの最新作と、目が離せないブランドの動向をご紹介します。すべてのウォッチ&ジュエリーにエシカルなゴールドを使用することを発表した、ショパールです。
- CREDIT :
写真/小林孝至 取材・文/福田 豊
◆ ショパール
気品あるブランドとは、こういうものなのです
現在のショパール グループ共同社長のカール-フリードリッヒ・ショイフレ氏は、その新生ショパールの2代目オーナー(ちなみに初代はカール-フリードリッヒ・ショイフレ氏の父であるカール・ジョイフレ)。子どものころから父親の海外出張などに同行し、徹底的に帝王学を学ばされたそう。スポーツや芸術にも造詣が深く、まさにノーブルな人物で、時計界きってのウェルドレッサーでもあります。
そんなショイフレ氏の“良き趣味”から生まれた「ミッレ ミリア」が今年誕生30周年を迎えます。クラシックカーレースの最高峰であるミッレ ミリアのパートナー兼タイムキーパーになったことから生まれたコレクションで、当初はレース出場者へのプレゼント用として制作され、残りが販売されたことがその始まりとなったそうです。まさしくノーブルを地で行く逸話により生まれた、高貴なタイムピースなのです。
また今年は、ショパールを代表するレディスの名作「ハッピースポーツ」も誕生25周年になります。ダイヤルの上をダイヤモンドの粒が転がり踊るのが溜まらなく愛らしい。こちらもプレシャスなコレクションです。
公正なゴールドだけを使うことを宣言
そして今年の「バーゼルワールド」で随一といってよいほどの大きな話題が、プレスカンファレンスでの「2018年の7月までに、メゾンのすべてのジュエリーと時計に、100%エシカルなゴールドを使用する」という宣言でした。
ショパールは2013年より、「サスティナブル・ラグジュアリーへの旅」プロジェクトを始動し、フェアマインドゴールドの使用を決定しました。フェアマインドゴールドとは、自然環境と鉱山労働者への適切な配慮がなされた鉱山で採掘された倫理的なゴールドだけに与えられる認証。文字どおりに、「公正なゴールド」、ということです。
そのフェアマインドゴールドを主に、信頼できるゴールドのみを使用することで、ショパールの全ジュエリー&ウォッチに使われるゴールドのすべてを、流通から精製、採掘までトレース可能にするということなのです。ですがそれは、いうまでもなく、とても大変なこと。なぜならショパールは高級時計ブランドであり、ハイジュエラーでもあるので、ゴールドの使用量は相当に多いでしょう。それをすべてトレーサブルにするなんて、ただただ驚き感心してしまいます。
続けてショパールは言います。
「真のラグジュアリーとは、原料の供給元を知ることによってこそ叶うものだと思う」と。
これは誰にでも言えることではない、とても重たい言葉ですね。ショパールというのは、本当に他にはないユニークなメゾンだと、そう思うのです。
バーゼルワールドとは?
「BASELWORLD」=「バーゼルワールド」は、毎春先にスイスのバーゼルで開催される、世界最大級の時計宝飾見本市。そもそもはスイスの主要産業である工業製品を国内外に披露する「スイス工業展」が起源で、昨年100周年を迎えました。
そんな長い歴史と伝統から、市民にとっては“年に一度の祭事”のようになっており、チケットを買えば誰でも入場できる、まさにお祭りのような明るくオープンな雰囲気が特徴。週末には、友だち同士や、カップル、ベビーカーを押した家族、老夫婦、犬連れの方など、さまざまな来場者が皆うれしそうに時計を眺めている姿を見ることができます。
■ お問い合わせ
ショパール ジャパン プレス 03-5524-8922