2018.06.29
カラー文字盤の時計は、最新技術の結晶だった!?
ご自身の腕時計の文字盤に注目したことはあるだろうか? いま、文字盤の技術は大きな進化を遂げているのだ。
- CREDIT :
文/広田雅将(『クロノス日本版』編集長)
文字盤と風防の切っても切れない関係
コーティングとたいそうな呼ばれ方をしていたが、中身は歯磨き粉に含まれるフッ素で、つまり簡単にはがれてしまった。はがれて風防が汚くなるなら、コーティングはいらない、と時計メーカーは考えるようになった。コーティングをはがしてしまうと風防が光るため、文字盤は見にくくなる。そんな状況で、文字盤の仕上げをよくしても仕方ない、というわけだ。中には丈夫なコーティングもあったが、これらは青や黄色っぽく見えるという弱点があった。
コーティングと塗装、双方の進化によってカラフルな文字盤が実現
例えば、カラフルな黄色やオレンジにするには重ね塗りするしかないが、そうすると文字盤の細やかな仕上げは失われてしまう。一方メッキだと繊細な仕上げを与えられるが、色は安定しない。しかし、塗料が良くなり、メッキの工程も進化した結果、各社は文字盤に鮮やかな色を与えられるようになったのだ。
鮮やかなターコーズカラーの文字盤とラバーストラップが目をひくこちらのモデル。爽やかな印象で着こなしのアクセントにもってこいだ。「ロイヤル オーク オフショア・ダイバー」自動巻き、SSケース(42mm)、ラバーストラップ、300m防水。210万円/オーデマ ピゲ(オーデマ ピゲ ジャパン)
一方、こちらにはカーキ色の塗装が施されている。ここまではっきりとしたカーキ色は大変珍しい。日本人の肌によく馴染む色なので変化球的な一本をお探しの方におすすめしたい。「ロイヤル オーク オフショア・ダイバー」自動巻き、SSケース(42mm)、ラバーストラップ、300m防水。210万円/オーデマ ピゲ(オーデマ ピゲ ジャパン)
「ロイヤル オーク オフショア・ダイバー」の文字盤デザインの特徴であるメガ・タペストリー。巧みな塗装技術により、この繊細な凹凸もはっきり見て取れる。
鮮やかなターコーズカラーの文字盤とラバーストラップが目をひくこちらのモデル。爽やかな印象で着こなしのアクセントにもってこいだ。「ロイヤル オーク オフショア・ダイバー」自動巻き、SSケース(42mm)、ラバーストラップ、300m防水。210万円/オーデマ ピゲ(オーデマ ピゲ ジャパン)
一方、こちらにはカーキ色の塗装が施されている。ここまではっきりとしたカーキ色は大変珍しい。日本人の肌によく馴染む色なので変化球的な一本をお探しの方におすすめしたい。「ロイヤル オーク オフショア・ダイバー」自動巻き、SSケース(42mm)、ラバーストラップ、300m防水。210万円/オーデマ ピゲ(オーデマ ピゲ ジャパン)
「ロイヤル オーク オフショア・ダイバー」の文字盤デザインの特徴であるメガ・タペストリー。巧みな塗装技術により、この繊細な凹凸もはっきり見て取れる。
一方で中間色の表現にも成功!
文字盤の濃厚な紫色と、ロジウム仕上げのゴールド針&インデックスのコントラストが美しい。「リトル・ランゲ1」手巻き、18KWGケース(36.8mm)、アリゲーターストラップ。369万円。直営店限定世界限定100本。/A.ランゲ&ゾーネ
グレーのダイヤルには、上品さが漂う。スーツスタイルにマッチするだろう。「リトル・ランゲ1」手巻き、18KWGケース(36.8mm)、アリゲーターストラップ。369万円/A.ランゲ&ゾーネ
ピンクゴールドのケースには、ココアブラウンの文字盤を採用し、温かみのあるワントーンに仕上げている。「リトル・ランゲ1」手巻き、18KPGケース(36.8mm)、アリゲーターストラップ。369万円/A.ランゲ&ゾーネ
文字盤の濃厚な紫色と、ロジウム仕上げのゴールド針&インデックスのコントラストが美しい。「リトル・ランゲ1」手巻き、18KWGケース(36.8mm)、アリゲーターストラップ。369万円。直営店限定世界限定100本。/A.ランゲ&ゾーネ
グレーのダイヤルには、上品さが漂う。スーツスタイルにマッチするだろう。「リトル・ランゲ1」手巻き、18KWGケース(36.8mm)、アリゲーターストラップ。369万円/A.ランゲ&ゾーネ
ピンクゴールドのケースには、ココアブラウンの文字盤を採用し、温かみのあるワントーンに仕上げている。「リトル・ランゲ1」手巻き、18KPGケース(36.8mm)、アリゲーターストラップ。369万円/A.ランゲ&ゾーネ
年々、大きく変わりつつある時計の文字盤。その理由を、ある時計メーカーのCEOはこう語る。「スマートウォッチと普通の時計の違いは、文字盤がデジタルかそうでないかだ。であれば、時計の文字盤は、スマートウォッチには真似できないものに進化していくだろう」。10年前とはまったく違った仕上げをもつ、現在の腕時計の文字盤。しかし、その進化は、今まさに始まったばかりなのである。
■ お問い合わせ
A. ランゲ&ゾーネ 03-4461-8080 www.alange-soehne.com
オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000
■ 広田雅将
1974年生まれ、大阪出身。時計専門誌『クロノス日本版』編集長。サラリーマンを経て2004年からフリーのジャーナリストとして活躍し、2016年より現職。関連誌含め連載を多数抱える。また、一般・時計メーカー・販売店向けなど、幅広い層に対して講演も行う。
高級腕時計専門誌クロノス日本版[webChronos]
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