2023.08.13
アルファロメオでドライブ! 最高にお洒落でラグジュアリーなミラノ〜コモ湖の楽しみ方。
40代に入ってからミラノの魅力にハマり、一時期は夢中になって通ったという筆者。お気に入りのホテルで優雅な休日を過ごした後は、足を延ばして近郊の観光名所、コモ湖へのドライブというのが最高のようです。旅の相棒はアルファロメオ初のハイブリッド車、トナーレ ヴェローチェで決まり⁉
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文/岡崎宏司(自動車ジャーナリスト) イラスト/溝呂木 陽
岡崎宏司の「クルマ備忘録」連載 第215回
ミラノ~コモ湖を、アルファロメオで粋にお洒落に楽しむ!
何度も回を重ねたのが、パリ、ロンドン、ミラノ、ミュンヘン、ウィーンだが、中でも、一時期夢中になったのがミラノ。
40代に入った頃から、いわゆる「ミラノ ファッション」に興味を抱き始めたのがキッカケだったが、ミラノは期待通りだった。家内共々好きになり、ミラノ通いが始まった。
はじめは老舗ホテル、プリンチペ ディ サヴォイアがお気に入りだったが、2003年、パークハイアット ミラノがオープンして以後は、そちらがわが家の定宿になった。
パークハイアット ミラノは、18世紀の宮殿を改装したものだが、内装は「寛げるモダン」とでも表現すればいいのか、、すっかり気に入ってしまった。とくに、バスルームの広さは、なんとも心地よい。
ビットリオ エマヌエーレ2世ガレリアに徒歩30秒! の立地も最高。ドゥオーモにもスカラ座にも近いし、お気に入りのレストラン、トラサルディ アラ スカラや、焼きリゾットが美味しいカフェ、イル フォワイエも近い。
ファッションストリートといえば、スピガ通りよりモンテナポレオーネ通りの方が有名。だが、ちょっと気分的に重々しく感じるせいだろうか、、特別な買い物でもない限りはほとんど行かない。
ちょっと変わったアクションとしては、パークハイアットに泊まりながら、時々、サヴォイアの朝食を食べに行くことか、、。
サヴォイアの朝食は僕も家内も気に入っていて、朝の散歩がてらにサヴォイアまで行く。途中には公園もあるし、気持ちのいい散歩と美味しい朝食が楽しめるということだ。
今回は、そんなミラノを拠点にした妄想の旅を考えたが、行く先はコモ湖。季節は秋。
旅の相棒はアルファロメオ トナーレ ヴェローチェにした。アルファロメオ初のハイブリッド車だ。ボディカラーは、艶やかで鮮やかなミサノ ブルー。シートは黒のレザーにした。
ミサノ ブルーを着こなすのはいささか難しそうだが、、シートが黒のレザーなら、スポーティで明るめのグレー系ジャケット、白のリネンシャツ、濃いめのグレー系細身のパンツ、、といったミラノ系コーディネート? はどうだろう。靴は例によって、オールマイティな明るめの茶のウィングチップを選ぶ。
初めは艶やかなブラックのボディカラーも考えた。でも、せっかくのミラノなのだから、ちょっとチャレンジングなことをして楽しみたい、という気持ちが勝ったということ。
オーディオシステムはハーマンカードンの14スピーカー、、で、何を楽しむかということになるが、僕の気分はダイアナ クラール。
ジャズヴォーカル界のクイーンだが、初めての出会いは、2002年に復活したマイバッハの試乗会でのこと。
ショーファー付きの後席に乗るプログラムがあったが、その時用意されていたCDが彼女の初アルバム、「LIVE IN PARIS」だった。
つまり、それ以来のファンで、彼女のいろいろなアルバムは、MacにもMac Bookにも、iPadにもiPhoneにも入っている。
ダイアナ クラールを聴くと、僕はゆったりした気分になり、ゆったりした走りになる。もちろんロマンティックな気分にも、、。ミラノの街はほとんど走らないが、大人の粋を纏った街にダイアナ クラールはピッタリだ。
コモ湖までは一般道をのんびり走って2時間くらい? アウトストラーダ A9を走れば、ミラノ市内を抜ける時間を入れても小一時間ほどで着く。
ドライブ距離としては、ちょっと物足りないかもしれない。でも、アルファロメオ トナーレの楽しさは味わえるだろう。
僕のオススメは一般道。北イタリアの街を自然を味わいながらのドライブは楽しい。
エンジンは160ps/240Nm。48Vのマイルドハイブリッド システムは20ps/5.6kgmを発揮。そして、7速DCTが組み合わされる。
パワーはそこそこだが、DCTはレスポンスもいいし、大型のパドルシフトとのコンビネーションで楽しめばいい。
トナーレ ヴェローチェのタイヤは20インチ。個性的なホイールの奥に見える赤のブレーキキャリパーがいい。ミサノ ブルーと赤のキャリパーは互いを引き立て合う。
ミラノ、コモ湖、北イタリアの街々、、とミサノ ブルーのアルファロメオ トナーレ。粋で素敵なコンビネーションだと思う。
なので、写真にしても「素敵なシーンを撮る!」ことを意識してシャッターを押そう。そうすれば、素晴らしいアルバムができること請け合いだ。
コモ湖での宿泊は「ヴィラ デステ」。イタリアでも、もっとも名の知られたホテルだ。
「コンコルソ デレガンス ヴィラ デステ」=「コンクール デレガンス ヴィラ デステ」、、希少なヒストリックカーが集う、世界最古のクラシックカー祭典の場、、といえば、クルマ好きならすぐわかるはず。
コモ湖畔に建つこのホテルのイメージをひとことで言えば、「贅沢にして優美」、あるいは「華麗にして優雅」といった表現が相応しいだろう。建物はもとより、年輪を重ねた家具調度品、彫刻や絵も非日常の世界に誘ってくれる。そしてなにより、コモ湖との調和がもたらす魅惑の奥行きは深い。
部屋に入り、コモ湖を眺めながら一息入れたら、まずはサンデッキ バーで喉をうるおす。お腹が空いていたら軽食を取るのもいい。
コモ湖に突き出したプールでひと泳ぎするのも、リフレッシュには効果的。夜の寝つきを良く、眠りを深くもしてくれるはずだ。
ディナーは、コモ湖に面したレストラン、「ベランダ」で。そこで過ごす類のない時間は、消えることのない記憶になるだろう。
プールは夜も美しく照明されている。夜のコモ湖を眺めながらのひと泳ぎも、貴重な思い出作りにもなる。
翌日は、ヴィラ専用のボートで巡るコモ湖ツアーに。 コモ湖に点在する贅沢なヴィラは見ておく価値ありだ。僕は観光ツアーにはほとんど興味はないが、美しい専用ボートでのコモ湖巡りは別だ。
「コモ湖とヴィラ デステでの時間」は、まるで別世界にでも迷い込んだかのような感覚に引き込まれる。その余韻を大切にするためにも、いきなり日本に帰るのではなく、ミラノに2~3泊してから帰るのがいい。
ヴィラ デステの余韻で、ちょっぴり贅沢な買い物の誘惑に駆られてしまうかもしれないが、、それもいい。ミラノで買ったものは長持ちする、、僕はそう思っている。
そうとう前にミラノで買ったバッグもブーツも、未だ現役で楽しませてくれている。
もし、ジャズが好きだったら、「ブルーノート ミラノ」で旅を締めくくるのもいいかもしれない。そうしたことが2度あるが、素晴らしい締めくくりになった。
● 岡崎宏司 / 自動車ジャーナリスト
1940年生まれ。本名は「ひろし」だが、ペンネームは「こうじ」と読む。青山学院大学を経て、日本大学芸術学部放送学科卒業。放送作家を志すも好きな自動車から離れられず自動車ジャーナリストに。メーカーの車両開発やデザイン等のアドバイザー、省庁の各種委員を歴任。自動車ジャーナリストの岡崎五朗氏は長男。