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2025.04.09

【海外試乗】最新のロールス・ロイス「ブラックバッジ・スペクター」は何が特別なのか?

ロールス・ロイス「ブラックバッジ」は、さらに特別を求めるひとのために作られたモデル。2025年2月に発表された、その最新モデル「ブラックバッジ・スペクター」に、バルセロナでジャーナリスト小川フミオが乗った。

BY :

文/小川フミオ(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

写真/Rolls-Royce Motor Cars 編集/高橋 大(Web LEON)

最新のロールス・ロイス・ブラックバッジ・スペクターにバルセロナで試乗!

グリルもマスコットもダーク仕上げがブラックバッジの特徴。
▲ グリルもマスコットもダーク仕上げがブラックバッジの特徴。
ロールス・ロイスのなかでも、さらに特別なものを求めるひとのために作られたのが「ブラックバッジ」。これでユーザーの平均年齢が若返ったそうです。その最新モデルが「ブラックバッジ・スペクター」で、おどろくほどの性能ぶりです。

2025年2月に発表された、ロールス・ロイス・ブラックバッジ・スペクター。3月にはバルセロナでメディアを招いて、どんなクルマかテストドライブのチャンスをくれました。

まず、見た目がいかしているんです。通常のスペクターでは、クロームで輝くパンテオングリル、スピリットオブエクスタシー、ウインドウフレーム、アウタードアハンドル、といったものがすべてダーク仕上げ 。
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23インチのロードホイール装着。
▲ 23インチのロードホイール装着。
光らないロールス・ロイスです。でもそれゆえに、ひときわ輝きを放っているともいえます。バッテリー駆動による最高出力は485kWに達し、しかもレスポンスを向上させ、ステアリングをシャープに、足回りのダンピングをぎゅっと締める「インフィニティモード」採用で、ブラックバッジ・スペクターの走りは従来を上回るシャープなものになっています。

実際に、「どんどんインフィニティモードを使ってみて」とロールス・ロイスのエンジニアに勧められました。ステアリングホイールに設けられた8の字が横になったような、無限大(インフィニティ)のシンボルが描かれたボタンを押すと、軽くアクセルペダルを踏んだだけで、おっ! と思わず声が出るするどい加速を感じさせます。
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サーキットで走行した感想は「おどろくほど気持ちよかった」

ファストバックスタイルだけれどトランクは独立式。
▲ ファストバックスタイルだけれどトランクは独立式。
このモードの効用は、バルセロナ近郊のサーキットを走ってみて、堪能できました。走る、曲がる、止まる、すべてにおいてシャープなインフィニティモード。全長5.5mのサイズ感をまったく意識させません。

小さなコーナーへ入る時にはぐーっと強く減速し、ステアリングホイールを力を込めずに回して出口が見えたところで、アクセルペダルを踏み込んでいく、一連の操縦性のスムーズさは、特筆ものです。

同時にびっくりしたのは、気持ちよさ。直線は言うにおよばず、カーブを曲がっている時も、乗員には強いGがかからず、しかも車体の姿勢はフラット。ピットに戻って、感想を尋ねられた私は「おどろくほど気持ちよかった」と返すと、「その感想がいちばん多かった」とエンジニアは言うのでした。
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バイパーバイオレットに代表される車体色は4万4000におよぶ。
▲ バイパーバイオレットに代表される車体色は4万4000におよぶ。
操縦に力のいらない「エフォートレス」とか、波のない水面を滑るような「ワフタビリティ」とかが、ロールス・ロイス車の特徴。ブラックバッジで走行性能があがっても、そこはしっかり守られているのでした。パフォーマンスについては、さらにもうひとつ、すごいもんがそなわっています。「スピリテッド・モード」という、超をつけたくなる発進加速を実現するモードです。

ブレーキペダルを左足でおもいきり踏んでおいて、アクセルペダルを右足で床まで踏み込みます。ブレーキの力のほうが強いので、クルマが身をよじるようにブルブル震えるのがわかります。そこでブレーキペダルをぱっと離すと、ブラックバッジ・スペクターは、まさに放たれた矢のように発進します。
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シートはドアトリムやパネルの素材や色の組合せはほぼ無数。
▲ シートはドアトリムやパネルの素材や色の組合せはほぼ無数。
その加速力を体験してみました。なるほど、ロール・ロイスが発表している静止から時速100kmまでの加速に要する時間がわずか4.3秒というのも事実だろうな、と思わせる速度感です。

こんなすごいものが必要なんですか? とエンジニアに尋ねると、「これまでスペクターのオーナーの走りかたのデータをとらせてもらったのと、直接の要望を聞いた結果、ここまでの飛び抜けたパフォーマンスを実現させようという決定になりました」との答えでした。

総じての印象は、ブラックバッジ・スペクター、最高! というものでした。もちろん、雰囲気も抜群です。ユニークな車体色としては、「1900年代のクラブカルチャーからインスパイアされた」というベイパーバイオレットがあります。やっぱり若々しい!
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Rolls-Royce Black Badge Spectreギャラリー

後席中央の「ウォーターフォールセクション」にも「インフィニティ」マーク。
▲ 後席中央の「ウォーターフォールセクション」にも「インフィニティ」マーク。
バルセロナではけっこう雨にたたられたがサーキットでも安定した走り。
▲ バルセロナではけっこう雨にたたられたがサーキットでも安定した走り。
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スピリットオブエクスタシーもダーク仕上げ。
▲ スピリットオブエクスタシーもダーク仕上げ。
センターコンソールにはさりげなく高価なカーボンファイバーが貼られている。
▲ センターコンソールにはさり気なく高価なカーボンファイバーが貼られている。
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シートのエンブロイダリーもフルオーダー可能。
▲ シートのエンブロイダリーもフルオーダー可能。
張りのある面とダイナミックさを感じさせる造型が個性となっている。
▲ 張りのある面とダイナミックさを感じさせる造型が個性となっている。
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■ Rolls-Royce Black Badge Spectre

全長×全幅×全高/5490×2015×1575mm
ホイールベース/3210mm
電気モーター バッテリー駆動 全輪駆動
車重/2900kg
最高出力/485kW
最大トルク/1075Nm(スピリテッド・モード)
バッテリー容量/102kWh
乗車定員/5名
一充電航続可能距離/493ー530km(WLTP)
価格/5614万円~

ロールス・ロイス・モーター・カーズ・ジャパン
HP/https://www.rolls-roycemotorcars.com/ja_JP

小川フミオ(自動車ジャーナリスト)
クルマ雑誌、グルメ雑誌の編集長を経て、フリーランスのライフスタイルジャーナリストとして活躍中。新車の試乗記などクルマ関連を中心に、グルメ、ファッション(ときどき)、他分野のプロダクト、人物インタビューなどさまざまなジャンルの記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。

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