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2024.08.07

約60万円の「Apple Vision Pro」は“安い”のかも知れない

Apple史上初の空間コンピュータ「Apple Vision Pro」。発売から2カ月近くが経ち、気になっている方も多いはず。ここでは、その実機を試して“安い”と感じた編集部員のレポートをお届けします!

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文・編集/平井敦貴(Web LEON)

Apple初の空間コンピュータ

「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
iPhoneはもちろんiPadにApple Watch。今や多くの人が当たり前のように使っています。でも、発売当初はネガティブな意見があったのをご存じでしょうか?

「iPhoneは電話として不便。1週間で飽きる」
「iPadは中途半端。ラップトップPCに劣る」
「充電が必要なApple Watchは時計ではない」
等々。

ですが、発売されて5年、10年が経ち、今や唯一無二の存在なのは周知のとおり。振り返ってみればネガティブな意見はいずれも的外れだったと言えるでしょう。
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で、そんなAppleが満を持してリリースしたのが「Apple Vision Pro」。Apple初のヘッドセット型デバイスです。果たしてこの新デバイスはこれまで通り世界のスタンダードとなっていくのか、あるいは“約60万円”という価格に見合った製品なのか、気になっている方もきっと多いはず。

今回は、実際に試してみた編集部員がその“真価”をレポートしていきます!
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「Apple Vision Pro」は何がすごい?

「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
「Apple Vision Pro」はその見た目からVRヘッドセットと捉えられますが、Appleは“空間コンピュータ”と定義しています。というのもコレ、今までのVRヘッドセット以上の機能が満載なんです。まずは実際に私が使って感じた“すごさ”を3つ紹介しましょう。
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◼︎ Point 1

現実空間を超リアルタイムで再現

「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
▲ リアルに映し出される現実世界に仮想のディスプレイを表示。
最初に驚いたのは「映像の精密さ」です。装着した瞬間、現実世界と区別がつかないレベルで自分の周囲がリアルタイムに映し出されます。実際にはディスプレイに映された映像を見ているのですが、その再現度はまさに“現実そのもの”。まるで裸眼のような自然さで仮想空間に没入できます。

さらには首を振っても映像が滑らかで遅延がなく、いわゆる“VR酔い”をしません。私自身、これまでVRデバイスを数多く試してきましたが「Apple Vision Pro」はその中でも群を抜いたリアル感。一度装着したら現実世界と仮想空間の垣根が一気になくなっていくのを体感できます。
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◼︎ Point 2

“視線”と“手のジェスチャー”で操作可能

「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
▲ 指のタップでアプリを起動。
続いて驚きだったのは「コントローラーが不要」なこと。「Apple Vision Pro」は視線と手のジェスチャーによってあらゆる操作が行えます。例えば目の前に表示されたアプリのアイコンに視線を向けて、手の親指と人差し指をタップすればそのままアプリが起動します。
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「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
▲ 仮想空間での写真をピンチアウト中。
また、写真を表示させた状態で両手の指をピンチアウトすると拡大表示ができ、まるで巨大なiPhoneを操作しているような感覚です。視線のトラッキングも正確に追従するので操作性はかなり直感的。アクセシビリティの高さは“さすがApple”といったところ。基本操作さえ覚えれば使いこなすのはそんなに難しくありません。
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◼︎ Point 3

空間カメラで“その場、その時”を撮影

「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
▲ リアルな3Dで表示される写真。
「Apple Vision Pro」は“見る”だけじゃありません。“撮る”こともできます。デバイスを装着したまま写真やビデオ録画をすれば、12個のカメラ、5つのセンサー、6つのマイクによって目の前の「空間そのもの」が記録できます。

これまでの写真、動画、あるいは360度カメラとも違う「3D空間」を記録するので、その立体感・リアル感は現実とほぼ遜色なし。ちなみに私が体験したデモでは、バースデーケーキのローソクに息を吹きかける少女が目の前に現れたのですが、「フー!」と吐く息のリアルさに思わずのけぞってしまったほど。空間オーディオにも対応するので、視覚・聴覚の臨場感はまさに桁違いです。
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「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
▲ 3Dの空間映像。
人生における大切な一瞬は後で何度でも見返したいものでしょう。「Apple Vision Pro」なら「見返す」だけじゃなく、「体験し返す」ことが何度でもできそうです。これなら恋人はもちろん、家族やペットとの“その場、その時”の思い出を残すのにもぴったり。もしかすると10年、20年先には、この「3D記録」が新しいカメラの形になっているのかもしれません。
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結局、「Apple Vision Pro」は何ができるの?

「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
そんな「Apple Vision Pro」ですが、具体的に何ができるのかを見ていきましょう。このデバイスを装着すれば、現実空間にさまざまなデジテルコンテンツを融合させることができます。
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◼︎ できること1

大画面でのエンタテインメント

「Apple Vision Pro」ではiPhoneやiPadの多くのアプリが使えるので、いつもの動画アプリでコンテンツ視聴ができます。

それも片目あたり4K以上の高解像度で、最大約30メートルにも及ぶスクリーンを目の前に出現させることもできるのだから、その視聴体験はまさに異次元。自宅でもオフィスでも飛行機の中でも、“どこでも映画館”が実現するんです。
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「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
▲ NBAの試合をコートサイドで観ることができます。
それだけじゃありません。「Apple Immersive Videos(アップル イマーシブ ビデオ)」と呼ばれるコンテンツでは180度パノラマ映像と空間オーディオで、まるでその場にいるような“体感動画”が視聴できます。デモ体験したNBAの試合では、あたかもコートサイドでゲームを見ているような感覚になりました。

こんなに間近でレブロン・ジェームズのダンクやステフィン・カリーの3ポイントを見ようと思ったら現実世界なら最低でも2000ドルはかかります。ちなみにNBAファンの私、この最前線の映像が毎試合観れるなら60万円は安いかも……と思ったほど。かなり心が揺れました(笑)。

とりわけ、この「Apple Immersive Videos」はスポーツコンテンツの新しい形になるかもしれません。映画好きはもちろん、スポーツコンテンツが好きな方なら絶対にハマるはずです。
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◼︎ できること2

ディスプレイを拡張することで仕事を効率化

「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
「Apple Vision Pro」を装着すれば仮想空間上にディスプレイを無限に追加でき、どんなに狭い場所でもワークスペースを確保できます。Apple純正の「Magic Keyboard」や「Magic Trackpad」によってMacのような操作感でアプリを使ったり、さらにはMacのディスプレイそのものを拡張することだってできるようになるのだとか。
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「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
私の場合では、ブラウザを開きながらの資料作成や、大量の写真からベストショットのセレクト、動画の編集作業にうってつけだと感じました。また、現実空間から離れて作業できるので集中力も上がりそうです。

その意味では、一人で作業に集中したい人や広い作業領域が欲しい人には、「Apple Vision Pro」が最良の選択肢になるかもしれません。
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◼︎ できること3

仮想空間で“あの人”に会える

「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
▲ 右に表示されているのはFaceTimeの相手の「Persona」。
「Apple Vision Pro」はオンラインコミュニケーションに革命をもたらすかもしれません。カメラ機能を使って自分の姿をアバター化する「Persona(ペルソナ)」を用いれば、まるで実際にその場にいるような会話をFaceTime上で行えます。等身大なので、リアル感が尋常じゃありません。

また、相手が「Apple Vision Pro」を持っていない場合でも通常のFaceTime画面が同じく等身大で表示されるので、これまでよりももっと身近に感じることができます。離れていても仮想空間で“会える”ので、大切な人とのコミュニケーションにも使えそうです。
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まったく新しい「空間コンピュータ」という概念

「Apple Vision Pro」599,800円から/Apple
▲ 現実世界に仮想のディスプレイを表示。リアル空間に人が近づくと、その人を透過して映し出します。
今回、「Apple Vision Pro」を実際に試してみると、ただ仮想空間を表示するだけでなく“現実世界との融合”という新たな没入体験を実感。その臨場感はこれまでの写真やビデオとは別物で、コンテンツの楽しみ方を一変させる可能性さえ感じました。Appleが「VRヘッドセット」と言わず「空間コンピュータ」と定義づけているのも納得です。

また、一般的なVRヘッドセットに比べて数倍の金額になりますが、「最先端テクノロジーを搭載した3Dカメラ」に「Appleの最新コンピュータ」と考えると、約60万円という価格は適正か、今の為替状況を考えれば、むしろ安いのかもしれません。

iPhoneやiPad、Apple Watchのように10年後にはスタンダードになっている可能性が高い「Apple Vision Pro」。未来をいち早く体験したい人はぜひ一度試してみるのがオススメです。

ちなみに私自身、実際に試して購入する意欲がかなり湧きました。次の自分へのバースデープレゼントとして検討中です(笑)。今後も“デキる”“モテる”Apple製品をレビューしていきますので、ぜひWeb LEONをお気に入り登録お願いします♪

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