2024.07.14
連載/真の“贅沢”とは
日本酒の味の未来を変える!? 「SHUWAN」とはどんな器なのか
さまざまなメディアでラグジュアリーライフを提案するコラムニストの中村孝則さんが、真の“贅沢”をご紹介する連載。今回のテーマは……。
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文/中村孝則
■ 『天酒堂』の「SHUWAN」
しかし、その醍醐味を楽しむには、従来の器、いわゆる“ぐい呑”ではサイズ的に小さく、本来のポテンシャルを存分に引き出せない、という切実な課題に直面しています。かといって、よく流用されるワイングラスでは風味のバランスだけでなく、ほかの器や設えとの相性のミスマッチも起こります。
そこで、トップクラスの酒蔵や現代陶芸作家たちの協力を得て、最適なサイズ感や素材で新ジャンルの酒器として開発されたのが「酒碗」なのです。東京・青山にある専門店「天酒堂」には、現代を代表する陶芸家による、さまざまな「酒碗」が並ぶので、ぜひ立ち寄ってほしいと思います。
サイズもコンマ㎜単位で設計され、日本を代表する蔵元の意見を汲み取り、陶芸家の村山健太郎さんが設計したもの。素材は量産可能な白磁で、3960円というロープライスを実現。今後は日本酒のテイスティングの基準になる器を前提にしているところがキモになります。名前も欧文にしたのは、国際的な戦略であると筆者はみております。
リーズナブルなので酒造の現場やワインスクール、もちろん飲食店でも使いやすいのではないでしょうか。もちろん筆者も真っ先に手に入れていますが、手のひらにすっぽり収まる質感もさることながら、めっぽう扱いやすいのもいい。日本酒の魅力を再認識する意味でも、おひとつ常備することを強くオススメいたします。
● 中村孝則(なかむら・たかのり)
コラムニスト。世界各地を独自の視点で読み歩き、さまざまなメディアでラグジュアリーライフを提案。「世界ベストレストラン50」の日本評議委員長も務め世界各地で美食探求の日々を送る。
※価格はすべて税込み価格です
■ お問い合わせ
天酒堂 03-6459-2084