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2024.11.24

出汁ソースじゃぶじゃぶかけてうまい「カキフライ」の作り方

“週末鮨屋”の料理研究家として知られる野本やすゆきさんが、料理初心者の男性向けに「モテる」「デキる」レシピをご指南! 今回は、旬を迎えておいしくなっているカキを使い、「カキフライ」にトライします。おいしさの決め手は出汁がきいて、ごはんにぴったり合うソース!

CREDIT :

レシピ&調理/野本やすゆき 写真/吉澤健太  文・編集/秋山 都(Web LEON)

さっくり揚げたてカキフライをソースにジャポン!

牡蠣フライ 野本やすゆき
▲ ソースを工夫することででひと味もふた味も違う「カキフライ」。
Oysters are only in season in the 'r' monthsと英語圏で言われるように、牡蠣はRのつく月に食べるべし、と申します。つまり、September(9月)、October(10月)、November(11月)、December(12月)、January(1月)、February(2月)、March(3月)、April(4月)というわけで、5月から8月の夏季にはあまり推奨されていないのですが、これにはきちんと理由があるみたい。

「一般に食用にされる真牡蠣は夏に産卵を迎え、身が細ってしまうため、食べてもあまりおいしくないんです。逆に秋から冬は寒くなるほど旨みが乗ってきて美味。また海水の温度が下がることで、貝毒による食中毒のリスクも下がると言われています」と野本やすゆきさん。と、いうことは、まもなく牡蠣のベストシーズンがやってくるということではありませんか。では食べないと! カキフライ、作らないと!
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「カキフライ」を作ってみよう!

牡蠣フライ 野本やすゆき 材料

材料(2人分)

牡蠣(加熱用)  8個
Aたまご     1個
A小麦粉    大さじ4
A水      大さじ2
パン粉       適量
塩・胡椒     適量

揚げ油     適量

○下ごしらえ
片栗粉          大さじ1
塩            小さじ1/2
水 大さじ1

Bソース     大さじ2
B出汁     大さじ2
キャベツ       適量
レモン        適量

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牡蠣は加熱用をチョイス

まずは牡蠣の選び方から。スーパーや鮮魚店で売られている牡蠣には生食用と加熱用がありますが、牡蠣フライには加熱用をチョイスしてください。生食用のほうが新鮮で良いのでは、と思いがちですが、これらは鮮度の違いではなく、養殖の仕方と処理が異なります。まず生食用の牡蠣は汚染リスクが低い河口から離れたエリアなど指定海域で養殖され、さらに採取後に数日かけて浄化されています。対して、加熱用の牡蠣は一般的に栄養分が多い河口近くで養殖され、浄化する必要がありません。ということは……加熱用の牡蠣のほうが丸々太って旨味が濃いと言われているんですよね。
カキフライ 野本やすゆき
▲ 牡蠣の下処理は塩で揉んでから、さらに片栗粉をプラス。
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次に牡蠣の下処理について。牡蠣の表面にはぬめりがあり、汚れや雑菌が付着しているため、生食用、加熱用に関わらず調理前にしっかりと洗い落とす必要があります。野本さんのおすすめはボウルに入れ、塩で揉んでから、片栗粉、水を加えてさらに揉み、水で洗い、しっかりと水気をとるという方法。「スクラブで洗ってから、クレイパックしてさらに汚れを掻きだすイメージですね」って野本さん……あら、意外にビューティ男子なんですね。このプロセスを経ることで、牡蠣はきれいになるだけではなく、ふっくらおいしくなるんだそうです。
牡蠣フライ 野本やすゆき
▲ 片栗粉を入れて揉むことで、汚れが浮かび上がってきます。
下処理をした牡蠣はキッチンペーパーで拭くなどして、しっかり水気をとっておきましょう。洗ったことでよりふっくらした牡蠣……実においしそうです。
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牡蠣フライ 野本やすゆき
▲ 下処理を終えた牡蠣。ふっくらとしておいしそう~。
次に牡蠣を揚げるためにAの材料(小麦粉、卵、水)を混ぜてバッター液を作っておきましょう。バッターとは、英語で「batter」と書き、小麦粉と卵に、水または牛乳などを混ぜたものという意味。これを作っておけば、小麦と卵液をそれぞれつける手間を省き、パン粉をつけるだけでそのまま揚げることができるから楽チン。また均一に衣をまとわせることができるので、揚げた際に衣が落ちにくいという利点もあります。
牡蠣フライ 野本やすゆき
▲ 小麦粉(大さじ4)、全卵1個、水(大さじ2)を混ぜてバッター液を作ります。
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ポイントは出汁が香る和風ソース

牡蠣フライ 野本やすゆき
▲ ソースに出汁を加えることで、素材の持ち味をしっかり感じられる出汁ソースの出来上がり。
次が今回最大のポイントなんですが、ソースに同量の出汁を加え、出汁ソースを作ります。ソースは中濃にせよ、ウスターにせよ、味がしっかりとキマっているため、揚げ物にソースをかけるとソースの味に支配され、素材の持ち味がわかりにくくなるのが難。その点、出汁ソースなら適度に薄くて、牡蠣の味わいをしっかり感じられるのがうれしい。この日は中濃ソースを使用しましたが、とんかつソースでもウスターソースでも、おうちにあるソースで大丈夫です。
牡蠣フライ 野本やすゆき
▲ 牡蠣に衣をつける野本やすゆきさん。
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牡蠣フライ 野本やすゆき
▲ パン粉をつけたらなるべく早めに揚げましょう。時間をおくと、衣がはげやすくなります。
牡蠣は塩・胡椒で下味をつけ、バッター液にからませたら、パン粉をまぶして、油で揚げます。揚げ物は慣れないうちは緊張しますが、揚げ油をたっぷり使い、ひとつずつ落ち着いて揚げれば大丈夫。
牡蠣フライ 野本やすゆき
▲ 揚げ油に入れる際は手でも菜箸でもいいのですが、油がハネないようにゆっくり、静かに。
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揚げる温度と時間は、180度くらいの中温で2~3分ほど。時間を計らなくても、箸で牡蠣を持ち上げた際に軽くなり、ジジジ……とわずかな振動が伝わってくれば“揚がっています”というサインだと野本さんが教えてくれました。
牡蠣フライ 野本やすゆき
▲ これくらいがこんがり揚がったいわゆる‟キツネ色”というものかと。
フライの揚がったサインは他にも種々あって、たとえば、油に入れた食材(この場合は牡蠣)が、最初はジュワ~ッと大きな音がして泡が勢いよく出ますが、揚げ上がりに近づくと音がシュワシュワシュワ……と小さくなり、泡も細かくなります。色んな方法で揚げ上がりを伝えてくれているんですね~。
牡蠣フライ 野本やすゆき
▲ カラリと揚がった牡蠣フライ。おいしそう~!
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この牡蠣フライはぜひ揚げたてを召し上がれ。出汁ソースにじゃぼんと漬けていただけば、ほんのり香る出汁と牡蠣の濃厚な旨味、そしてソースのフルーティーな酸味がマッチして、ひと口、もうひと口と食べたくなります。とくに白いごはんに合うこと間違いなし!
牡蠣フライ 野本やすゆき
野本やすゆき

● 野本やすゆき (料理研究家)

東京・谷中で昭和初期から続く老舗寿司店「谷中 松寿司」に生まれ、現在、金・土・日曜のみ3代目として店を継承。“週末鮨屋”としても活動しつつ、わかりやすいレシピがTV、雑誌で人気の、いま注目の料理研究家のひとり。プロレス好き。
最近、YouTubeにて野本やすゆきチャンネルを開設。

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