2025.03.06

【Q4】筋トレが続きません。続けるコツは？

たるんだ体を目にしては、筋トレの必要性を感じているオヤジさんは多いかと。そこで服を着こなせる引き締まった体になるために、筋トレに関する疑問について、フィジカルトレーナーの坂詰真二さんにうかがいました。

CREDIT :: イラスト／STOMACHACHE.　文／大塚綾子　編集／菊地奈緒（Web LEON）

A.筋トレも腹8分目で余力を残す。見た目の変化が現れる3カ月までは続けることです

体型の崩れを自覚するたび、「そろそろ筋トレしないとマズい？」と思いつつ、なかなか一歩を踏み出せないオヤジさんへ。いくつになってもファッションを楽しめるように、引き締まった体はキープしたいところ。

とはいえ、お洒落オヤジとしては、やみくもに鍛えるのはなんか違う。効率よく筋肉を付けるには筋トレこと筋力トレーニングを理解しなくては！ということで、日本におけるパーソナルトレーナーの草分け的存在・坂詰真二さんに疑問をぶつけてみました。

Q.筋トレが続きません。続けるコツは？

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坂詰真二さん（以下坂詰）　長く続けるコツとして一番大切なのは、トレーニングも腹8分目を心がけることですね。限界ギリギリまで自分を追い込むようなトレーニングは、短期間が勝負のアスリートがやること。長い人生を健康に生きていくための筋トレに、無理は禁物。「もうちょっとできるな」という余力を残した状態でやめるのが、継続のモチベーションになります。

もう1つは、３カ月の壁を乗り越えること。筋肉を1kg付けるには1年くらいかかるので、始めて3カ月では見た目の効果が出にくいんです。3カ月を過ぎる頃から、ジャケットを着た時の肩や胸の筋肉の張り感が違うと気づいたり、パンツをはいた時にちょっとウエストがゆるくなったり、小さな変化が現れてくるので、それまでは我慢です。

人間の行動は段階を経て少しずつ変わっていくという「行動変容理論」によると、何事も半年続けられると継続率がすごく高くなるんです。その頃になると「シュッとしましたね」とか「背中がカッコいい」とか言われたり、体の変化に周りも気づいてくれる。そんなご褒美が増えてくるのも半年経ってからなので、その後はトレーニングが楽しくなるはずです。

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── 半年は続けるべきなんですね。気分が乗らない日は休んでいいですか？

坂詰　体調が悪い日はやめてください。なんとなくだるいとか気分が乗らない場合は、1種目1セットだけでいいのでとにかくやってみる。現代人がだるさや疲れを感じる理由は、一日中デスクワークだったなどだいたいが動いていないから。1セットやってみるとむしろ楽になって、いつものトレーニングができてしまうことが少なくありません。

── 忙しくてトレーニングができない日に、ながらでできる筋トレはありますか？

坂詰　そうですね、エレベーターを待っている時など、大胸筋と背中の広背筋を鍛える「脇の下クリップ」はどうでしょう？雑誌やノートなどを脇の下に挟み、呼吸を止めずに落とさないように肘を全力で体側に10〜30秒押し付け、左右を交代。表面がツルツルしていて重みのある雑誌などのほうが、より効果が高まります。

階段を上がる時は「スクワット・ステップ」がオススメ。背すじを伸ばして胸を張り、上体を垂直に保ちながら階段を1段飛ばしで上がります。できるだけ前脚の力のみで踏みしめるようにして全身を引き上げましょう。1段飛ばすと股関節と膝関節が大きく動くので、太もも前側の大腿四頭筋や後ろ側のハムストリングス、お尻の大臀筋に効きますよ。

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● 坂詰真二（さかづめ・しんじ）

スポーツ＆サイエンス代表。NSCA認定ストレングス＆コンディショニング・スペシャリスト。同協会認定パーソナルトレーナー。横浜市立大学文理学部を卒業後、株式会社ピープル（現コナミスポーツ）で、ディレクターや教育担当を歴任。その後、株式会社スポーツプログラムスにて、実業団等のチーム、個人選手へのコンディショニング指導を担当。独立後はアスリートへの指導、スポーツ・医療系専門学校講師などを務める。トレーナー歴は30年を超え、育成したトレーナーは3000人以上。著書も多数で、最新刊は『眠れなくなるほど面白い図解筋肉の話』（日本文芸社）。YouTubeは「坂詰真二の『真・トレーニングちゃんねる』」。