2023.09.28
普段から女性にもっと魅力を感じてもらうコツって? 心理学者が解説
エロい大人とは、単なる“いい人”で終わらない、また会いたいと思ってもらえるオスとしての魅力の溢れるオトコ。では、いったいどうすればエロい大人になれるのか? 心理学を専門とする齊藤 勇先生に、日頃から気を付けるべきポイントを教えてもらいました。
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文/井上真規子
普段の振る舞いから、もっと魅力を感じてもらうコツって?
では、エロい大人になるにはどうしたらいいの? ということで、立正大学名誉教授で心理学を専門とする齊藤 勇先生に、女性にオスとしての魅力を感じてもらうためのポイントを教えてもらいました。
好感を持たれるにはステップがある
だからこそ、普段から大人の男性として女性に好感を持たれる振る舞いを心掛けておくことが大切だそう。では、具体的にどうすればいいのか?
「心理学で男と女は、刺激(Stimulus)→価値(Value)→役割(Role)という3つのステップを踏むと言われています。これは心理学者バーナード・マインスタインが提唱したSVR理論というもの。初対面は外見から刺激を受け、デートを重ねて価値観の一致を確認し、それから結婚相手という役割に相応しい人かを判断するというものです」
ですから、まずは好感をもたれる外見を心がけること。これは皆さんもよくご存知のことかと。LEONでもモテる装いを提案してきましたが、実際はどんなが服装が好まれるのでしょう。
つまり、相手の好みがわからないうちは清潔感のある奇抜すぎない服装を選んでおくのが無難ということでしょうか。
そんなのわかってる、俺は大丈夫と思った貴兄。これだけではまだ不十分! 外見で人を惹きつけるには、もう一つ大切なポイントがあるんです。
話す内容より、話し方や表情、仕草が大事
「著名な心理学者のアルバート・メラビアンは、相手に好意を持つかどうかは表情や仕草が9割で、話す内容は1割にも満たないと唱えています。たとえ話の内容が好意的なものでも、表情が悪いと『この人本当のこと言ってないな』とか『無表情で冷たそうな人』と思われたり、話し方に品がなかったりすると相手はネガティブな印象を受けてしまう。逆に『嫌い』と言われても、好意的な表情で優しい声の男性なら好意を抱くという研究結果もあります」
また、「相手と視線を適度に合わせることも大切」と齋藤先生。まったく視線を合わせない、逆に、しつこく視線を合わせるなども女性から敬遠される原因になってしまうそう。
「なので、デートならカウンター席の角が良いでしょう。テーブル席に対面で座ってずっと目を合わせているのは圧迫感がありますし、一方で横並びだと目線が合わないこともあります。だから、視線を合わせる・外すが適度にできる角席がちょうどいいのです」
自分の振る舞いを客観的に観察するのって意外と難しいもの。装いばかりにこだわって、振る舞いはおざなりになっているオヤジさんも多いのでは? なんかモテない……というオヤジさんは改めて自分自身を振り返ってみることをオススメいたします。
一方的に喋りまくるオヤジは嫌われる
「相手と意見や育ち、趣味などの価値観が一致すると、親近感や安心感を感じる類似性バイアスという心理があります。人は、自分と似たような人に好感を抱くのです。男性だって、第一印象がどんなに素敵な女性でも、話してみたら意見が噛み合わない、価値観がかけ離れていると感じたら、この先一緒にいられるのか不安になりますよね」
類似性バイアスを利用するには、相手の話をよく聞いて同意や賞賛を伝えるのがベスト。ですが、男性はつい自己アピールに走ってしまう傾向が……。
「本来、男性は無口で、女性はおしゃべりなのですが、恋愛の初期は立場が逆転します。日本の男性は特に話し下手ですが、それでもオスの孔雀が羽を広げてメスにアピールするように最初はよく喋るんですね。逆に女性は相手を見極める側になるので、話さなくなります」
相手の話も聞かずに一方的に話しまくるオヤジさんは、間違いなく敬遠されますから、要注意!
「まずは女性が不快な顔をしてないか、楽しそうにしているかを確認してみてください。相手が自然と発する雰囲気をキャッチすることが大切です」
しかし、モテたかったら自分からアピールすべし
「相手と関係を進めたいなら、自分から好意があることをアピールしなくてはダメ。これは覚醒理論と言って、相手に『この人は私との関係を進めようとしている!』と気づかせる必要があります。そうして初めて、女性は受け入れるかどうかを判断するわけですね。
さらに、返報性の原理と言って、人は相手から好かれると好意を抱きやすくなる傾向があります。なので、相手に好いてほしかったら、自分から好意を伝えないと何も始まりません」
しかし、こう言うと暴走気味にアピールして、かえって引かれてしまうオヤジさんも……。
「不安な人は、まず相手を褒めることから始めてみてください。人は褒められると承認要求が満たされて、相手に好感を抱きます。ただし、顔やスタイルを褒めるのはニュアンスが難しいので、服装や化粧、持ち物が似合っているとか、話し方が素敵など、気付いたことを褒めてみる。それも苦手な人は、相手の話を聞いて相づちを打つだけでもOK。『そうだね』『すごいね』など、同意しつつ褒めてみてください」
日本人男性はあまり女性を褒めない、と言われますが、まず相づちなら挑戦しやすいのでは?
また齋藤先生によると、頻繁にデートに誘うことも大切なアピールの手段なのだとか。マメに誘えばそれだけ好意が伝わるのですから、手間を惜しんではダメなのです。
選ぶのは、あくまでも女性
「男性が楽をしてはダメ(笑)。強い気持ちを持って、ダメ元でアピールするぐらいの気持ちが必要です。それでも女性は選ぶ立場にあるので、大体はやめておこうとなる場合が多いんです」
これはオスがメスを追いかけて、メスがそこからひとつを選ぶという動物としての本能があるからだそう。
「そもそもオスは、自分の子孫をたくさん残すために、できるだけ多くのメスと子作りをしたいのですが、メスは1度に1人しか子供を産めませんから、来るもの拒まずというわけにはいきません。自分と子供をきちんと養ってくれて、一緒にいて安心できる人を1人選ばなくてはいけないのです。そのため、必然的に女性の受け入れる間口は狭くなるわけで。
だからこそ、男性は着飾るだけでなく、表情に気をつけ、相手を褒め、好意をアピールする必要があるのです。アピールするのが男性、選ぶのが女性だということを念頭に置いた振舞いを心がけてみてください」
日頃から女性に好意の気持ちを伝えることを忘れずに。そして独りよがりにならず、相手の気持ちを意識して振る舞うこと。すると、自然と大人のオトコとしての余裕と品格とが身に付き、女性にイイなと思ってもらえる大人の“エロさ”が滲み出てくるのかもしれません。
● 齊藤 勇(さいとう・いさむ)
立正大学名誉教授、文学博士。また、日本ビジネス心理学会会長、日本あいづち協会理事長も務める。早稲田大学で心理学を学んだ後、一貫して、対人心理学を研究。『超・相槌』『心理分析ができる本』など対人心理学、社会心理学関係の啓蒙的著書を多数執筆。その数は、200冊を超える。最近では、苦手な人間関係を克服する「あいづち対話法」の開発と普及に努め、対人関係に悩む現代のビジネスマンや学生などにコミュニケーションスキルを提示している。