2024.01.14
【第86回】
男まさりを封印してモテ街道を爆走。永島アナ似美女の恋愛談
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関する著書を執筆する林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
第86回のゲストは、優実さん(27)です。
一緒にサッカーしてる男子が、実は私のことを可愛いって思ってた!?
「よろしくお願いします」
── 早速ですが、まずここでのニックネームを決めるために似ている芸能人をお伺いしているんです。誰かに似ているとは言われませんか。
「アナウンサーにいそうと言われることが多いです」
── いわゆる清楚系の美人って、そう言われますよね。乃木坂46にいそうなはっきりとした顔立ちをされているなと思うんですが、アナウンサーの方だと、永島優美さんが近い雰囲気だと思うので、今日は優実さんと呼ばせてください。
「光栄です」
── 綺麗だねと言われることが多いと思うんですが、自分が美人かもしれないと気付いたのはいつ頃でしたか。
「それについては小学4年生の時に驚くようなことがありました。私は兄ふたりの末っ子で、どちらかというと男の子の遊びを好んでするような女の子だったんです。男子は鬼ごっこやドッジボールの仲間という感じで」
── ああ、小学生の時にそんな感じの女子がいたような気がします。
「いつも半袖短パンみたいな女子、あれでした(笑)。ある日、クラスの男子が可愛い女子ランキングを作っていたんです。小中学校の男子って結構そういうのやりますよね。私それの3位だったらしいんですよ。自分が可愛い部類に入るとは思わなかったので、うれしかったです」
── 3位でもうれしいんですね。
── 面白い! 男の子みたいに遊んでた女の子も、可愛いって言われたらそうなっちゃうんですね。その後やっぱり変わりました?
「そうですね。ハンカチなんか持ってなかったのに『とりあえずハンカチは持っていくか』みたいな。お母さんのリップをこそっと塗ってみたりもしました」
── 微笑ましい変化ですね。ここから凄いモテが来るんじゃないかと期待しちゃいますが、どうでした?
「まず小4で可愛い方向にイケる可能性を見出したわけです。小学生はそこまでで満足していましたが、中学に上がったら上の世代、兄ふたりは年子だったので、兄の友達も狙える、よし、環境は整ったなと思いました」
── ワハハハ、可笑しい〜。
「相変わらず運動は好きで部活は運動部でしたが、まずは眼鏡だったのをコンタクトにしました。私髪色が元々茶色くて肌の色も白いので、それだけでちょっとイケたんですよ。とはいえ1年の時は垢抜けないし、先輩もいるので大人しくしていたんです。2年から垢抜け大作戦が始まりましたね。髪型を変えたり、スカートもちょっと短くして、靴をスニーカーからローファーに変えたりして」
モテるのは楽しい、でも付き合うって何だかよくわからなかった
「中2の時に初めて男友達だった子と付き合ったんですが、思ってたのと違うことに気付いてすぐに別れてしまいました。付き合うって何すれば良いの?となってしまって。中高合わせて10人ぐらいと付き合いましたが、全部3ヶ月以内で終わりました」
── え? それはなぜですか?
「付き合うまでの過程が楽しくて、付き合うのがゴールみたいになってしまうんだと思います」
── ああ、困った女子だ〜。そうなんですよね。付き合うまでのあのドキドキが一番楽しいんですよね。男子が自分と付き合うために一生懸命になっている、あれががもうたまんないんでしょうね。
「そうそう、たまんないんですよ。部活の後に呼び出されて告白されるとかでもう満足しちゃうんですよね。おそらく目的がモテで、付き合うのはまた違うステージだったのかな。付き合った瞬間に冷めてしまっていました」
── 例えば、高校生ぐらいになってきたら、キスをするってこともありますよね?
「それが一回もしなかったんです。ウブだったというか、なんか嫌だったんですよ。その頃は接触が苦手だったんです。女子同士で戯れあって抱きつき合うようなのも好きじゃなかった」
── そうか、成熟してからじゃないと接触を受け入れられないようなこともあるんですね。これを読んで「あ、あの高校生の時に突然フラれたのは、そういう理由だったのかも」とホッとしている男性もいるかもしれません。その後はどうでしたか?
大学の新歓ではモテ大フィーバーでした(笑)
── それはモテちゃいますよね(笑)?
「新歓の時には大フィーバーでした(笑)。ある程度ノリも良い方ですし、一目惚れしたなんて言われて、『おお〜大学楽しいな〜! 地元だけじゃなくてここでも通じるんだ、もしかして全国レベルでいけるんじゃないの私〜!?』なんてね。ただ、心配はしてたんですよ。今まで3ヶ月しか付き合ってないし、本格的に男性とお付き合いするのは無理なのかもって」
── そういうことは自分の中の悩みになりますよね。
「はい。大学も1年の夏〜秋くらいになってくると、周りでもカップルが増えてくるんですよね。それを見ると、彼氏欲しいなーとは思うんですが、新歓のフィーバーも落ち着いちゃったし、部活もバイトも楽しかったので、そんなに焦りもせずで」
── やっぱり男性自体そんなに好きじゃないんですね。
「最初はその感覚を引きずっていました。でも、すれ違えば挨拶する、いわゆる“よっ友”くらいの関係の男子がいて、彼からバイト帰りに連絡が来たんです。『好きなユーチューバーの配信が始まるよ』って。推しが同じだったんですよね。それで『わあ、そしたら急いで家に帰んなきゃ!』って返信して。
── あ〜そうか、スポーツ中継のようにリアルタイムで配信を観ることに価値があるんですね。コメントもできるし、応援にもなるし。それで彼はなんと?
経験もないまま、男友達の家に泊まることに……
── ええ〜! 一対一ですよね!?
「そうです。部屋に入るのも初めて(笑)。配信が終わって、面白かったね〜なんて話していると彼が『どうする? このまま泊まってく?』と言い出して」
── でもまだ何も経験ない状態ですよね? キスもしたことがない。
「そうそう! やばいな、夜に男の子とふたりか〜、でもまあいいか、と」
── じゃあ、その彼に少しは好意があったんですね。
「そうですね。背も高くてカッコいいな〜とは思っていました。ただ、恋愛感情では見ていなかったので、『泊まってく?』と言われて初めて、あっそういうこと?と。で、そろそろ寝るかということになって、『私床で寝るよ』『いいよ、床硬いからベッド使いなよ』ってお決まりのパターンみたいになって」
── うわ〜楽しい。でもなんかハラハラします。
「だから『私こういうの初めてなんだよね』って言ったんです」
── あっ、言えたんですね。よかった〜。
「彼はびっくりしたみたいですが、『だから本当に何もしないでほしい、今日はちょっと違うから』と言いました。そうしたら本当に何もしないでいてくれて」
── 彼、優しくて誠実ですね。
「はい、優しかったです。そこから気になりだして頻繁に会うようになり、3年生になるまでお付き合いしていました」
── イイ話だ〜。安心しました。男子は彼を見習った方が良いです。それでは、その後の恋愛談は後編で聞かせていただけますか。
後編に続く。
■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/19:00〜24:00
定休日/日・祝
TEL/03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)。最新刊は『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(幻冬舎)