『ウルトラＱ』のオープニング映像のような（例えが古いか）クールな植木鉢発見！

世界を舞台に活躍するDJ田中知之（FPM)さんが自らの美意識に叶った「男の定番」をご紹介する連載。今回のテーマは……。

三重県四日市を拠点に、タイや台湾を中心に海外の育種家（ブリーダー）たちと密な関係を築き、レアな植物のバイイングを手がける竹岡篤史さんと初めて食事をご一緒した時、彼が僕にとても貴重な植物を２鉢プレゼントしてくれた。アフリカ原産のサンセベリアをタイのブリーダーが交配して誕生させた品種と、ブラジル原産のディッキアをこれまた別の育種家が手がけた一株だ。

デザイン性溢れる植物にももちろん惹かれたのだが、植えられていたポット（つまりは植木鉢）に私はとても感動したのだ。竹岡さんに尋ねるとPlants Monsters（プランツモンスターズ）というタイ出身の４人が作陶を中心にさまざまなプロダクトを生み出すデザイン集団の作品だった。

もうネーミングからして最高。メンバーは皆、植物が大好きで、陶芸をする前はプラントハンターとしてタイ全土で活躍していたそうだが、見つけた植物にふさわしいポットが見つからない、それならば自分たちで作ってしまおう、ということでクリエイションがスタートしたという。それが瞬く間に話題を呼び、タイ国内のみならず、日本、台湾、シンガポール、インドネシア、マレーシア、と人気はアジア全般に広がっていった。

いろんな作風をもつ彼らなのだが、僕がプレゼントしていただいたのが今回紹介するモノクロのマーブル模様のタイプ。チョコレートを練り込んだ美味しそうな菓子パンのような、『ウルトラＱ』のオープニング映像のような（例えが古いか）、とにかくとてもクールだ。模様のように見える部分は描いているのではなく、ガスを使って焼くという独特な製法で模様を作っている。

実際に探してみればわかるのだが、佇まいが良く、現実的なプライスの作家モノの植木鉢ってホントに見つからない。私はもう植木鉢は一生彼らの作品で良いかもと思うくらい気に入っている。

彼らのポットとの出合いがきっかけとなったと言えば少し大袈裟だが、私は作年夏に京都にオープンしたミュージックバーならぬサウンドフォレスト＝「FUL（フル）」のプロデュースを担当したのだが、店内に架空の森を築いた。ユーフォルビア、ビカクシダ、チランジアなど、竹岡さんに集めてもらった珍しい植物も店内に溢れている。もちろん、プランツモンスターズのポットも店内各所に配している。なかなかインパクトあるスペースなので、機会があれば訪れていただきたい。

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