2025.02.22
【第102回】
「男性の"オス"なところを見せられると嫌になっちゃいます」彼氏が途切れない美女の本音
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関する著書を執筆する林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林 伸次 写真/玉井美世子 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
第102回目のゲストは、絵梨花さん(28歳)です。

最初の恋以降、ずっと受け身です
「こんにちは!よろしくお願いします」
── 今日は、これまでの恋愛についていろいろとお話を伺っていきますが、匿名で行うインタビューなのでニックネームをまず決めたいんです。誰かに似ていると言われたことはありませんか。
「見た目は、生田絵梨花さんに似てると言われることが多かったです」
── あ、それはわかる! では今日は、絵梨花さんと呼ばせていただきますね。では初めて誰かとお付き合いしたのはいつ頃でした?
「私、小学生から武道をしていたんですが、試合のたびに顔を合わせる子にずっと片思いしていたんです。その人と中2で付き合ったのが初めてでした」
── おお! 片思いが通じたんですね。それは自分から告白して?

── いや、嬉しかったと思いますよ! でも中学生だと、付き合っても何をしたらいいのか分からないという男子も多いと思うのですが、デートはできましたか。
「お互いに部活が忙しかったのでそんなにたくさん遊べたわけではないんですが、部活がオフの時に映画に行ったり、友人のカップルとダブルデートで遊園地に行ったりしました」
── わあ〜青春だなあ。中学生らしいお付き合いだったんですね。
── あらら、初恋を引きずってしまったんですね。すると高校生の時には誰かと付き合ったりすることもなく?
「それはそれで心の中にしまって、普通に他の人とお付き合いしましたよ。高1の時に、同じ武道のトップクラスのひとりと付き合いました」
── それは絵梨花さんの方から好きになったんですか?
「いえ、最初の彼の時に自分からガンガンいってしまって、ちょっと失敗したかな、もう私のことを好きになってくれる人はいないのかもって思ってしまったので、それ以降ほとんどが受け身の恋愛です。好きって言ってくれたら『ああ好きになってくれるんだ、それなら今はそんなに好きじゃなくても付き合ってみよう』と思って」
私の親は、彼と同じ部屋に泊まっているとは思ってなかったはずですが

「やはりお互い部活ばかりで忙しかったんですが、彼の家にもよく遊びに行っていたので、向こうのご両親にとても可愛がってもらいました。初体験の相手は彼でした」
── 立ち入ったことを伺いますが、高校生で部活ばかりしている人たちって、どこでするんでしょう。
「彼の家に行くと、夜ご飯をご馳走になってからご両親が『泊まっていけば?』って親に連絡してくれるんです。私の親はたぶん常識として、同じ部屋に泊まっているとは思ってなかったはずですが。彼の実家はとても大きくて、彼の部屋はフロアが違うんですね。だから、泊まった時です」
── そうか〜、わざわざご両親が連絡をくれているし、なんとなく親のいる家の中だから変なことはないだろうって思っちゃいますよね。絵梨花さんとしては、それは嬉しいことだったんですか。
決まりごとのようにデートに組み込まれていると面倒に感じます
── 今でも相手のオスの部分が見えると嫌になっちゃうんですか。
「ええ、今でもちょっと抵抗はありますね。デートの中にセックスをすることが決まりみたいに組み込まれていると、面倒に思えてくるんです。“してもしなくてもどっちでもいい”という関係性があって、今日は何だかいい雰囲気だから、みたいなシチュエーションがあれば、ひとつのコンテンツとして楽しめるんですけど」
── あ〜なるほど、ストーリーみたいなものがあればいいんですね。
「そう、料理と一緒ですよ。下ごしらえも味付けもしなかったら美味しくならないでしょ。どうせ食べるなら美味しいもん食べたくない?って酔った席でよく言ってます(笑)」

「大学に進学しました。教員免許を取得する道を選んだので勉強が忙しく、部活やサークルには所属できなかったです。卒業した高校で部活の外部コーチをやって、それ以外の日はバイトをしていたので、毎日忙しかったですね」
── とってもちゃんとしているんですね。ちなみに教員にはなったんですか?
「それがなっていないんですよ。教員採用試験には受かったんですが、途中から“閉鎖的な世界だな”と感じて悩んでしまって。もうちょっと幅広い年代の人と関わって生きていきたかったし。それで、こんな中途半端な気持ちで40人の子どもを教えられないぞと思い、辞退しました。今は医療関係の仕事に就いています」
── ちゃんと考えて辞退されたんですね。真面目だなあ〜。ではその忙しかった学生時代に恋人はできましたか。
「最初の履修登録の時に助けてくれた先輩とお付き合いしました。登録中にサーバーがダウンしちゃって、隣にいた彼と、困ったねなんて話していたんですよ。私はバイトに行かなきゃいけなかったので諦めると言ったら、彼が代わりにやってくれるって言ってくれて。その時に連絡先を交換したことがきっかけになりました」
── 入学してすぐじゃないですか(笑)。彼は逆にラッキーって思ったでしょうね、素敵な子が隣で困ってて。絵梨花さんには男性が吸い込まれてしまうような魅力があるんだと思いますよ。それでは学生時代以降の恋愛については後半でお聞かせください。
後半に続く

■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)、『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(幻冬舎)。最新刊は『マスター、お酒の飲み方教えてください』 (産業編集センター)