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2024.08.11

【第97回】

完璧な告白をしてくれた男はまさかの……!? 美女が彼氏に求めるコト

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関する著書を執筆する林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)

「ワイングラスの向こう側」(KADOKAWA)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第97回のゲストは、前回に続き由里子さん(21)です。

前編では、大学生で初めて同級生と付き合ったもののリードをしてくれなかったこと。その次に付き合った10歳歳上の彼氏のために、マッチングアプリで経験を積もうとしたことを話していただきました。後編では、マッチングアプリのお相手とのやり取りから聞かせていただきます。
美人はスーパーカーである【恋愛編】 大人 恋愛 モテる エロ
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私の中では“講習”を受けている気持ちでした

── 経験を積むためにマッチングアプリで練習相手の男性を探したとのことですが、そんなことって本当にあるんですね。その人とは1回練習しておしまいだったんですか。

「いえ、復習のためにもう一度会いました。もう自分の中では講習を受けている気持ちなので」

── え〜そんなこと考えるんだ。その気持ちは全然わからない(笑)。

「ちゃんとできるか分からないから、合っているかどうか確かめたかったんですよ!」

── マッチングアプリの相手ではなく、年上の彼と初めての体験をしたいという気持ちはなかったんですか。
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「もちろん彼のことは凄く好きでした。だからこそ逆に、やったことないって思われるのが恥ずかしいくらいに思っていました。なんだろう、見栄を張りたかったのか、ちょっと大人に見られたいって気持ちがあったのかもしれないです」

── うーん、それはちょっと分かるかもしれない。慣れているように思われたいんですよね。彼とは今もお付き合いしているんですか。

「いえ、昨年別れました。1年くらい付き合っていましたが、仕事が忙しくて土日も出勤だから1〜2ヶ月会えないって言われちゃって。最初の1ヶ月は待ってたんですけど、耐えられなくなって私からお別れをしました」
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真面目で穏やかだったけど、もっといい出会いがあるはず

── そうか、じゃあ、彼のことはあまり知らないまま?

「知っているつもりでしたけど、考えてみると聞かないままにしていたことも多かったかも。彼には『結婚しよう』って言われたんですけど、その上で会社名とか給料とかを聞くと、彼は見定められてるって感じるんじゃないかなと思って。だから、会社とかを聞くのには抵抗がありました」

── その気持ちはわかります。でも、結婚するとしたら聞いた方がいいですよね?

「私まだ21なんで、結婚願望ゼロですよ(笑)」

── あ〜そうだ、まだ学生だった(笑)。でも彼は将来結婚したいって言ってたんですね。真面目でいい人じゃないですか。

「本当に真面目で、心も広くて穏やかで、私が求めていた感じの人でしたね。でもその分、面白さとかはあんまりなかったかな」

── 由里子さんにはまだまだこの先いい出会いがきっとありますもんね。

「はい。そう思ってまたマッチングアプリを入れて、何人かとお会いした中で一番カッコいい人と付き合いだしました」
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別れを切り出したら激昂し、追いかけてきた彼

美人はスーパーカーである【恋愛編】 大人 恋愛 モテる エロ
── その人はどんな人だったんでしょう?

「カッコよくて、着ている服が派手な感じ。ちょっとお金に貪欲で、女の人を見下している雰囲気もあり、そのくせ人への執着が凄い。私を友達と交流させないようにしてきたり」

── 独占欲が強いんですね。

「見た目に惹かれたけど、付き合いだしてから2週間くらいで『この人やばい』と思って、すぐ別れを決めました。でも、話を切り出したら、突然豹変しちゃったんですよ。『他に好きな人ができたんだろう、携帯を見せろ!』って怒鳴られて」

── あ、それは怖いですね。人がいる場所での話だったんですか。
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「いえ、割と閉じた空間だったので、外に逃げました。彼のヤバさを友人に相談していたので、そのやりとりを見られるわけにはいかないと思ったんです。彼としてはなんとか説得したかったみたいですけど、振り切ってそこから駅まで猛ダッシュで逃げました」

── うわあ〜逃げ切れたんですか!?

「いえ、捕まりました。私に直接暴力を加えたわけではないですが、周辺の壁を蹴ったり殴ったりして」

── 怖い怖い怖い!!

「もう怖すぎて大泣きですよ! その時近くを通った人に助けを求めたら、彼はいなくなりました」

── あ〜よかった。聞いてるだけでも血の気が引きます。
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「ただ、まだ続きがあって。その後、電車で地元まで帰って、駅前のベンチで友達にその日の経緯を電話で話したんですけど、なんとなく目線を上げたら、前に彼が立ってました」

── ひえ〜〜〜!!!!!

「驚いて呆然としていたら、彼は私から携帯を奪って走り去って行きました。この状態で家に帰るもの怖いし、どうしたらいいのかわからなくて、大泣きしながら行きつけのバーに駆け込んで、助けを求めたんです。そうしたら、しばらくして彼が店に来ました」

── あ、そのお店は知っていたんですか。

「一度一緒に行ったことがあったので、ここにいるんじゃないかと思ったそうです。彼は周囲のみんなにも謝り、私に携帯を返してくれました。きっと、私が友達に送ったメッセージを見て諦めがついたみたいです」
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美人はスーパーカーである【恋愛編】 大人 恋愛 モテる エロ
── その時はもう落ち着いていたんですね。

「そうみたいでした。私はそんな経験は初めてだし、本当に怖かったんですが、彼も周囲の人まで巻き込んでしまって諦めがついたのか、最後にちゃんとお別れのメッセージが来てちゃんと終わりました」

── あ〜、よかった。長く拗れたりせず終わって、本当に良かったですね。

「はい。その後もしばらく警戒していましたけど、大丈夫でした。それでもう、顔で選んだらダメだなと思い知りましたね」
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完璧なデート、ロマンティックな告白、だけど中身は……

── 命があっての恋愛だと、教訓になりましたね。密室で話さないこと、周囲のみんなに知らせることは大事かもしれません。今は恋愛していますか。

「しばらくお休みしてから、一回好きになりかけた1歳下の人がいましたが、年下はちょっと違うって思いましたね。包容力があってリードしてくれる人だったら年齢は関係ないかもしれないですけど、彼は年下の可愛さみたいなものを最大限に出してきたんですよ。デートの店を決める気すらない感じで」

── そうか、男性は経験値を増やして、美味しい店、雰囲気のいい店なんかを覚えた方がいいですか。

「絶対その方がいいです」
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── まあそうですよね。ちなみにその追いかけてきた元彼って、デートは楽しかったんですか。

「エスコート的なことに関しては、もう完璧でした。そのうえ、告白する時には薔薇も用意していて(笑)。もらった時はびっくりして笑っちゃいましたが」

── そういうロマンティックな演出をしてくれるんですね。うれしかったですか。

「うれしかった。だって、そんなことされたことなかったですもん」

── やっぱりそうですよね〜。笑っちゃうけど、ロマンティックにやってもらった方がうれしいですよね。彼はその辺ちゃんとわかってるんだな〜。

「その辺に関しては、そうでしたね。なかなか恋愛って難しいです」
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会話のテンポの良さや頭の回転の早さに惹かれます

── そうですよねえ。では最後に、ついつい好きになってしまうのはどんな人ですか。

「う〜ん、賢そうな人」

── 僕もさっきからちょっと思ってたんです。由里子さんは勉強ができる人が好きなんだろうなと。でも偏差値の高さで選ぶわけじゃないですよね?

「そうですね〜。偏差値というより、いろんな知識とか、会話のテンポとか頭の回転の早さとかに惹かれることが多い気がします。でも偏差値が高い人の話は大抵面白いです」
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── なるほど、確かにそう感じることは多いかもしれません。他にはありますか。

「う〜ん、距離が近い人かな」

── 距離が近い人ですか? それはなぜ?

「なんかこう、物理的にも心理的にも、距離感を詰めてくる人のことを恋愛対象として意識してしまう気がします」

── あ〜そうか、スッと距離を詰めるのが上手な男性ってモテる気がしますね。逆に相手が緊張して、または遠慮して距離を置いていると、恋愛には発展しずらい?

「うん、友達のノリになっちゃうかもしれません」

── これは確かに、どの世代にも通じる話かなと思います。男子諸君は上手に距離を詰める練習をしましょう。今日は勉強になりました。ありがとうございました!
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【林さんから〆のひと言】

マッチングアプリで良い人と出会えるという話も聞きますが、やっぱり悪い人もたくさんいそうですね。由里子さん、本当に大変なことにならなくて良かったです。これからも楽しい恋をしてくださいね。
bar bossa(バール ボッサ)

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/19:00〜24:00
定休日/日・祝
TEL/03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)。最新刊は『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(‎幻冬舎)

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