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2025.03.29

恒松祐里「着飾るのも素敵だけど、飾りをとっても自信があって自分を好きでいる大人がカッコいい」

子役時代から20年近いキャリアをもちつつ、いつでもピュアな美しさを漂わせる女優の恒松祐里さん。最新作『ガンニバル』シーズン2では呪われた村の秘密を握る当主を演じます。

CREDIT :

文/井上真規子 写真/平郡政宏 スタイリング/武久真理江 ヘアメイク/安海督曜 編集/森本 泉(Web LEON)

恒松祐里 WebLEON  LEON  ガンニバル
いつでもピュアな美しさを漂わせながらも、子役時代から20年近くのキャリアで、ジャンルを問わない幅広い役柄をこなしている女優の恒松祐里さん。最新作で累計発行部数400万部越えの人気コミックを実写化し、ディズニープラス スターで独占配信されたヴィレッジ・サイコスリラー『ガンニバル』の新シーズンに出演中です。

人喰いが噂される人里離れた山村を舞台に、村を牛耳る後藤家の当主、後藤 銀の若かりし頃を熱演する恒松さん。壮絶な人生を歩んできた銀の驚くべき役作りから、芝居への熱い思いまでたっぷりお話を伺いました。その後編です(前編はこちら)。
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その人物がどんな人生を歩んできたのかを必ず考える

── 今回のドラマでは村の呪いの元凶ともなる強烈なキャラクターを演じられましたが、役を演じている間は違う自分になる感じですか? 役を憑依させるというか。

恒松祐里さん(以下、恒松) いえ、そこはしっかりオンオフを切り替える方だと思います。特に今回は銀という役柄のドロドロしたものをずっと持っていたら、多分どこかで崩れてしまうので。現場に行って衣装を着替えて、本番がかかるまでは割とフラットでいるようにしていました。
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── そこは器用に切り替えられるものなんでしょうか。

恒松 今回はありがたいことに衣装が着物で、カツラもつけていたので、見た目上の変化がかなりあり、切り替えやすかったんです。銀は黒髪ロングヘアですが、撮影当時私の地毛がパッツンでちょっと短かったので。
── 今作では、役作りの際に原作の漫画も参考にされたのでしょうか?

恒松 そうですね。やっぱり漫画から生まれている作品なので。原作では、銀の生い立ちが強烈な描写で描かれています。銀は自分を産んですぐに亡くなった母親の影響で、村では“穢れた子”として扱われ、すごく酷い仕打ちを受けて育ったんです。父親も誰かわからず、味方もいなくて生きる場所もなくて……。

それでも描ききれていないくらい銀の人生にはいろんなことがあったんだろうなと思ったので、撮影に入る前にはそういう部分も自分なりに深掘りしました。あとは、ドラマのシーンの前の物語が漫画では描かれていたので、漫画を読んでからそのシーンに臨むこともありました。でもドラマは漫画より尺が短くて描かれない部分も多いので、そこをどう表現しようかというのも考えながら演じましたね。
── それでも恒松さんの人生とはかけ離れた人生を送ってきた銀を理解するのは難しかったのでは?

恒松 はい。でも、理解できないことはなかったです。銀のような壮絶さはなくても、今までの人生で何かしら嫌なことがあった時に感じた気持ちや、逆に少しでも人の温もりを感じた時の気持ちとか、似た感情を引き出しながら考えていました。
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── 銀の復讐の心を忘れないように工夫されていたこともあったとか。

恒松 原作の漫画に、村人が畑に撒く排泄物を笑いながら銀に浴びせるシーンがあるんです。私はそれを携帯の待ち受け画面にして、携帯を見るたびに村人への憎悪を募らせていました(笑)。撮影期間が半年ぐらいあって長かったので、感情を途切れさせないようにするのが大変でした。
── 恒松さんから見たドラマの魅力や見てほしいポイントがあれば教えてください。

恒松 シーズン2は現代編と過去編に分かれているのですが、過去編では銀の過去を深堀りして復讐を決意した経緯や、呪われた供花村の原点の物語を描いているのでぜひ見てほしいです。特に5、6話で描かれる、周囲から酷い仕打ちを受けても生き延びていく銀の生命力の強さや、銀の気持ちの移り変りは見どころ。愛を知らずに育ってきた悲しみの中で大切なものができ、愛のようなものを抱いているのか、銀自身もわかっていない。そういう感情のグラデーションを監督と丁寧に相談しながらお芝居しました。
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お茶目な部分も受け入れて、自分らしくいる人がカッコいい

── ところで恒松さんは自身の俳優としての個性はどんなところにあると思いますか?

恒松 それはずっと探しているところなのですが、最近の役の傾向を見ると強い役が多いので、それが私の個性なのかなと思いつつあります。この業界で色々経験してきたから肝が座っているように見られることが多くて、顔もキリッと見られがちなので強い役が多いんだと思います。
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── 今後、やってみたい役があったら教えてください。

恒松 先日、映画で一緒だったある監督に、王道のラブコメに出ているのを観たいって言われて。確かに私はそういう作品に出たことがあまりないので、ラブコメのヒロインを演じてみたいですね。もし演じるなら王道よりちょっとすっとぼけたヒロインがよくて(笑)。子供の頃から『のだめカンタービレ』が大好きで、主演の上野樹里さんの大ファンなんです。でも私は顔が強めだから、気の強い女の子の役に選ばれちゃうかもしれませんが……。
── ラブコメのヒロイン役、楽しみにしています。最近は、ドラマ『SHOGUN 将軍』がエミー賞をはじめ多くの賞を取るなど高く評価されて、日本人の俳優も海外で注目されていますが、恒松さん自身に海外志向はありますか? 今回の『ガンニバル』も世界同時配信ですが。

恒松 私は子供の頃から海外ドラマを見て育ったので、海外志向は昔からありますね。当時はWOWOWで流れていた『BONES-骨は語る―』、『クリミナル・マインド FBI vs. 異常犯罪』みたいな刑事ものをよく観ていました。大人になってからは、色々な配信サイトで海外ドラマを観られるようになったので幅も広がりましたけど。海外の表現の仕方や映像美はすごく素敵ですよね。

『SHOGUN 将軍』は、全編日本語でもみんな海外の方は字幕で観てくれるんだということに衝撃を受けました。今回の『ガンニバル』もそうですけど、配信サービスが盛り上がっていることで、可能性はどんどん広がっていると思います。世界の人は日本人のお芝居にまだ慣れてないかもしれないけど、見慣れてきたら目も肥えてくると思うので、それに合わせて技術もアップしなきゃいけないなと思います。
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▲ ドレス9万4600円/シー ニューヨーク、ブラウス3万1900円/ラム・シェ(ともにブランドニュース)、イヤカフ3万6300円、リング4万1800円/ともにイー・エム(イー・エム アオヤマ
── 英語も勉強していますか?

恒松 一昨年まで、英語でお芝居するスクールに通っていました。最近は行けてないんですけど、また頑張りたいです。『ガンニバル』で注目していただけると思うので、それに向けて準備していきたいですね。
── 毎日仕事が忙しいと思いますが、プライベートはどう過ごしていますか?

恒松 昔から趣味が多くて、最近は編み物にハマっています。海外ドラマを観ながら編み物をしたり、友達とご飯に行ったり。そういう時間もすごく大切だなって。やっぱりプライベートが充実していないと、女優としても内面を表現できなくなっちゃうかなって思います。
── 最後に、LEONで皆さんに聞いている質問ですが、恒松さんの考えるカッコいい大人像を教えてください。

恒松 カッコいいだけじゃなくて、ちょっと“すっとこどっこい”な部分とか、お茶目な部分も受け入れて、自分らしくいる人がカッコいいと思います。着飾るのも素敵ですけど、飾りをとっても自信があって自分を好きでいる大人って余裕があって素敵ですよね。
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● 恒松祐里(つねまつ・ゆり)

1998年10月9日、東京都生まれ。2005年、6歳の時にドラマ「瑠璃の島」でデビュー。09年に『キラー・ヴァージンロード』で映画デビューを果たす。その後、NHK朝ドラ「まれ」「おかえりモネ」、NHK大河ドラマ「真田丸」などに出演。19年に公開の映画『凪待ち』の演技で「おおさかシネマフェスティバル2020新人女優賞」受賞。21年、Netflixオリジナルドラマ『全裸監督season2』でニューヒロイン・乃木真梨子役の体当たり演技で注目を集めた。『きさらぎ駅』(22年)で映画初主演。今年6月には『きさらぎ駅 Re:』も公開予定。

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『ガンニバル』シーズン2

“この村では、人が喰われるらしい―”。美しい村がひた隠しにしてきた恐ろしい噂。その真相に警察官・阿川大悟(柳楽優弥)が迫るなか、村の秘密を守ろうとする後藤家がついに一線を越え、警官隊と衝突する。“狂った村の真実を暴くには、狂うしかない―やつらよりも”。後藤家との狂乱の戦いに自ら身を投じていく大悟は、止められない狂気の渦の先にある衝撃の真相を突き止められるのか? すべての鍵は、呪われた一族・後藤家の過去にあった……。
原作/『ガンニバル』二宮正明(日本文芸社刊)、監督/片山慎三、佐野隆英、大庭功睦、出演/柳楽優弥、笠松 将、吉岡里帆、高杉真宙、北 香那、恒松祐里ほか。
公式HP/『ガンニバル』
3月19日(水)よりディズニープラス「スター」で独占配信中

※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ

イー・エム アオヤマ 03-6712-6797
ブランドニュース 03-6421-0870

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