2018.10.20
Interview 【vol.6】
峰竜太が毎年ミラノまで服を買い出しに行く本意とは?
LEONはお陰様でこの秋に創刊17周年を迎えました。これを記念して各界で活躍する皆さんに「アナタにとってLEONってなんですか?」と尋ねてみました。第6回はタレントの峰竜太さん、服飾史家の中野香織さんです。
- CREDIT :
文/柴田 充文(峰)、持田慎司(中野) 写真/豊田哲也(峰)、斉藤翔平(中野)ヘアメイク/伊藤歌苗(中野)
LEONは“欲しいものが必ず載っている”
ミラノには毎年行きますが、ホテルの中庭で、スーツ姿のイタリアのビジネスマンが朝食を兼ねた打ち合わせをしているのをよく見かけます。それがまた格好良くて! 深みと奥行きが違う。そこまでいくと着こなしを超えたキャラクターでしょう。でもLEONにはそこまで掘り下げてもらいたい。オヤジがお洒落をするには、LEONは少しハードルが高いかもしれません。
でもお洒落ってサイズを直したり、チーフを胸に挿すだけでも印象はグッと変わります。僕なんかチーフを忘れたら、代わりにティッシュを挿しちゃう。意外と気づかれないんですよ(笑)。目指しているのは、そんな真似できるぐらいのちょっとしたお洒落。お手軽、お手頃なね。
LEONにはお洒落をしていない人にもそんな“ちょい”の意識を植え付けてほしい。ちょっと頑張ればここまでいける、そんなセンスを教えてほしい。だって身をもって実感するもの。“必要なのはお金じゃなくてセンス”ですって。
■ 取材班は見た!
某テレビ局楽屋にて……
MEMO:TV収録合間の楽屋では台本、蒲焼き弁当と、LEONがワンセット。番組スタッフみんなに蒲焼き弁当を振る舞うこともあるのだとか。
● 峰竜太 (みね・りゅうた)
司会者・俳優。1952年生まれ。芸能界きってのお洒落好きで知られ、出演TV番組もスタイリストをつけず、すべて自前でコーディネートするほど。年に1度は休みを兼ねてイタリアへ“買い出し”に行く。
服飾史家、中野香織が考えるファッション史におけるLEONの位置づけとは?
LEONは“オトコの夢のユートピア”
でもLEONはそれを生真面目に貫き、コンセプトも変えず、モデルも変えず、でもほかのジャンルのファッションを決して否定することなく、ずっと17年間続けてきましたよね。それが読者の信頼を勝ち得たのではないでしょうか?
そもそもファッションとは、恋愛のためにお金を使い贅沢し、お洒落をすることから始まったもの。そういう意味では、すごく正しいトコロに目をつけたのではないでしょうか。もちろん、ファッション以外にも“寿司シャン”なんてライフスタイルに関する提案も同じこと。「お寿司を食べながらシャンパンを飲めたらなぁ」という欲望にストレートな提案が、ひとつの文化を作ってしまいましたよね。
快楽に忠実だからこそ、読者にも素直に受け入れられ、結果、文化にまでなり得たLEONは、まさに素直な欲望が満載の“オトコの夢のユートピア”なのだと思います。
● 中野香織 (なかの・かおり)
エッセイスト・服飾史家。東京大学在学中に旅行ライターとして文筆業デビュー。服飾史への深い造詣を活かし著書も多数発表。メディアを問わず多媒体で記事を執筆する。現在は日本経済新聞で連載中。