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2023.10.15

「The Newt in Somerset」【後編】

英国の底力を感じさせる超注目ホテル 「The Newt」ってどんなとこ?

海外のラグジュアリーホテルは出発前から大人を期待させるもの。そんな気持ちを決して裏切らない、いや、軽く超えてくるホテルが英国南部に存在します。その名は、「The Newt in Somerset」。広大な庭園に潜むホテルのために、英国へ飛ぶ価値はあるでしょう。

CREDIT :

文・写真/大石智子

世界のホテルフリークが注目する超個性派ホテル

旅ではよく、「一生に一度は訪れたい」「死ぬまでに見たい」なんて表現がありますが、そういうレベルの旅を望んでいる人がコロナ以降増えていると感じています。いつ不測の事態が起こるか分からない世の中。旅はいっそ豪快に渇望する場所へ行くのがいい。

そんなテーマで旅先をお探しの方にぴったりなホテルが、英国南部にある「The Newt in Somerset」(以下、The Newt)です。あちこち回らずともここに滞在するだけでスペシャルな思い出を作れます。なにせ宿の敷地は4k㎡!東京ドーム87個分、銀座の約5倍もの広さがある、もはや村のような場所。

正直、筆者がコロナ以降に行った宿のなかで一番凄い。あえて言いたい、「ゴイゴイスー!」なホテルなのです。というわけで、「The Newt」の底知れぬ魅力をご紹介する本記事、その後編をお送りします(前編はこちら)。
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The Newt in Somerset 広く見えますが、これでも敷地の一部分。
▲ 広く見えますが、これでも敷地の一部分。
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昨年秋の初訪問で心掴まれ、「庭の花が満開の夏も見たい!」と誓って7月頭に再訪した「The Newt」。前編ではその魅力を5つのモテポイントでご紹介しましたが、さらに続きます!

◆ モテポイント6

英国式アフタヌーンティーがたまらない!

The Newt in Somerset クロテッドクリームがコーンウォール産というのもよい。
▲ クロテッドクリームがコーンウォール産というのもよい。
アフターヌーンティーには二度はしゃいでしまった。初回は約6900円のセットのサンドイッチに感心。敷地内のベーカリーのレベルが高くチーズまで自家製だから、そりゃ美味しいです。特にブリオッシュに近い生地で挟んだロブスターサンドはシャンパンを欲する味。そういう気持ちは漏れちゃうのか、察したスタッフがすかさず用意してくれた時には嬉しいため息が出たのでした。
The Newt in Somerset この時より美味しいスコーンはもうないでしょう。
▲ この時より美味しいスコーンはもうないでしょう。
2回目に味わったクリーム・ティーも忘れられない。それはスコーンと紅茶だけというシンプルなセットで全ゲストに提供されるもの。晴れた日で、いただいたのは庭に面するテラス席でした。

自家製スコーンにクロテッドクリームをたっぷりつけて、自家製バラジャムもオン。繊細に崩れるスコーンをアールグレイとともに食べ、そよ風と庭の緑を感じます。思わず、「スコーンと風が合う〜!」と言っていましたね。これはもう、遠足で食べるおにぎりが心底美味しいみたいな部類。きっと再現できない幸福な瞬間でした。
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◆ モテポイント7

採れたて野菜をレストラン&カフェで食べられる!

The Newt in Somerset 「ガーデン・カフェ」にて、採れたてのスイスチャードなどを使ったひと皿。
▲ 「ガーデン・カフェ」にて、採れたてのスイスチャードなどを使ったひと皿。
「The Newt」が敷地内で栽培する野菜は350種類以上。庭の管理チームとシェフたちは毎日密に連携をとり、すべての料理に収穫したばかりの食材を使用しています。
The Newt in Somerset 乾杯の時点で満足感あり。
▲ 乾杯の時点で満足感あり。
ドレスアップしたい夜は本館の「ザ・ボタニカル・ルーム」へ。今回ここで席に着いた時、グラスに泡酒が注がれただけで、女ふたり、うっとりしたのですよね。夕暮れどきの庭と白いクロス、立ち上る泡。シンプルなシーンがただただ美しかった。料理はモダンブリティッシュのプリフィックスコース。3皿なので2時間もかからず、食後にバーへ移動して過ごせるゆとりがいい。

離れの「ファームヤード・キッチン」は薪料理を提供する店で、お洒落酒場的カジュアルさもあり。夏に行った時、白髪の女性グループがお喋りに興じていたのが素敵な光景でした。
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The Newt in Somerset 薪が香る英国酒場「ファームヤード・キッチン」。
▲ 薪が香る英国酒場「ファームヤード・キッチン」。
朝食で必食なのは敷地内で採れた蜂蜜と自家製チーズ。あと、半熟卵を頼むと鶏の足型エッグスタンドで出てくるのが面白いですよ。
The Newt in Somerset 蜂に感謝。
▲ 蜂に感謝。
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The Newt in Somerset エッグスタンドがグロかわいい。
▲ エッグスタンドがグロかわいい。
ランチは庭を一望する「ガーデン・カフェ」が気持ちよく、ここはチェックイン前やチェックアウト後の利用におすすめです。今回は庭のある客室だったので、2日目の昼はサンドイッチをオーダーして外で食べました。客室冷蔵庫にはフリーのサイダー(シードル)ボトルも入っているので、気ままなお庭ブランチでほろ酔いになるのも最高です。
The Newt in Somerset こんな庭での食事、いま思うと夢のよう。
▲ こんな庭での食事、いま思うと夢のよう。
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◆ モテポイント8

本気すぎる博物館が大人の知的好奇心をくすぐる

「The Newt」で感じたのが、彼らのラグジュアリーの世界では“教養”が重視されていること。敷地内には3つの体験型ミュージアムがあり、宿泊者は入場料もオールインクルーシブとなっています。3つとは、ローマ帝国時代の英国を表した「ローマン・ヴィラ」と、蜂の生態を表す「ビーザンチウム」、庭博物館となる「ストーリー・オブ・ガーデニング」。
The Newt in Somerset 約1700年遡る邸宅の基礎。
▲ 約1700年遡る邸宅の基礎。
そのなかで一番時間をとりたいのは「ローマン・ヴィラ」でした。ここは半日はいられますね。なんと敷地内で西暦351年築の邸宅が発掘されたことを機に生まれた博物館。遺跡まで出てくるなんて“もってる”ホテルです。発見後、専門チームが7年以上の歳月をかけて復元し、当時の暮らしを現代に伝える場として公開しました。
再訪すると同館がパワーアップしていた。案内人たちがローマ時代の衣装なのは変わらず、出だしからタイムスリップ感満載。私のお気に入りは入口にあった支配年表で、分かりやすくしたらお洒落なデザインになったのかその逆か、飽きずに見ていられます。

オーディオガイドもかなり優秀。目の前にある展示に合わせ歩くごとに解説が自動で流れ、順路を間違えると「そっちじゃないよ!」とツッコまれたりもする。撮影した自分の顔にローマ時代の人々の髪型を合わせるマシンや(似合わなすぎた!)、ヘッドセット装着で当時の家をヴァーチャル体験できる部屋もあります。約1700年前と最新テクノロジーが融合しているという、博物館の理想みたいな場所でした。

いやはや凄い!と鑑賞後にトイレに行ったら、なんと便座までローマ式。これには笑いましたね。大理石で少々ひんやりしますが、古代に思いを馳せられる使用感でした。
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The Newt in Somerset 便座はローマ式ですが流石に自動洗浄。
▲ 便座はローマ式ですが流石に自動洗浄。
割愛しますが、蜂博物館の「ビーザンチウム」も見応え満点。蜂がいなければ人間の食生活が成り立たないことをよく理解できます。蜂博士と森を歩くビー・サファリのあとには蜂蜜テイスティングも是非お試しください。
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◆ モテポイント9

プール、サウナ、スパが充実で身体も喜ぶ!

The Newt in Somerset 「ファームヤード」のプール。
▲ 「ファームヤード」のプール。
2箇所に異なる温水プールとジャグジーを用意。どちらも絵になりますが、特に元牛舎だったスパ棟のプールが趣深く、歩くだけで浄化される心地です。外のジャグジーに向かって進み、冷気を感じる瞬間も気持ちがいい。
The Newt in Somerset スパ棟のプール。
▲ スパ棟のプール。
スパ棟には施術室はもちろん、ハマムやサウナ、マニキュア・バー等も完備。ちなみにサウナの温度は低めで水風呂もないけれど、ここではほんのり気持ちいいくらいで十分です。張り切ってととのわなくても満たされる。
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スパ棟の近くにヨガスタジオやジムも備え、ヨガスタジオはデザインが秀逸なので必見。あの空間に身を置いて天窓から覗く空を見たらどんなに気分がいいことか。すみません、ヨガはやっていないのですが、申し込むべきだった。

もうひとつ心残りなのが、敷地内でのジョギングです。4k㎡もありクルマが通らない「The Newt」はジョギング天国。綺麗な空気を吸いながら羊を横目に走る朝は爽快でしょう。
The Newt in Somerset 没入できそうなヨガスタジオ。
▲ 没入できそうなヨガスタジオ。
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◆ モテポイント10

お酒の種類と飲む場所の選択肢が幅広い!

「The Newt」は時間を忘れるための場所。そんなひとときに何が必要かといえば、酒です。敷地内にサイダーの蒸留所があり、製造工程の見学や、テイスティングも可能。ソーテルヌのような甘口から辛口まで7種を飲み比べるのが面白いです。
The Newt in Somerset セラー・マイスターのグレッグ・カーネルによる醸造所ツアーは約30分。
▲ セラー・マイスターのグレッグ・カーネルによる醸造所ツアーは約30分。
The Newt in Somerset 敷地内の果樹園ではサイダー用のリンゴを70種類3000本栽培。
▲ 敷地内の果樹園ではサイダー用のリンゴを70種類3000本栽培。
本館にはカクテルを楽しめるバーがあり、アペや食後に最適。別館には24時間自由に出入りできる酒小屋「ガーナー・バー」があります。酒小屋の冷蔵庫には件のサイダーにクラフトビール、ワインが入り、ウイスキーも飲み放題。ジンや氷、柑橘類も揃えるのでカクテルも作れます。

常に解放され、スタッフがいることもなく、「お好きにどうぞ」というスタンスを貫いているのがありがたい。ビール片手にサッカーゲームで遊ぶようなゆるい時間こそ、旅先で必要かなと思ったりします。
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The Newt in Somerset 摘みたてのハーブを使ったカクテルが美味しい「ハドスペン・バー」。
▲ 摘みたてのハーブを使ったカクテルが美味しい「ハドスペン・バー」。
The Newt in Somerset 夢の酒小屋。
▲ 夢の酒小屋。
以上、駆け足で全貌をご紹介しました。気になる価格は一室1泊9万4500円から(予約は2泊以上。)。1泊20万円以上のホテルやリゾートも増えている昨今、博物館入場券や客室のドリンクや軽食、朝食も含めてこの価格は良心的です。盛りだくさんの体験やクオリティが価格以上ですから、こんなに円安なのに費用対効果が高いと感じる。まだ日本人がほぼ行っていない新しさもポイントです。

「The Newt」は、今年9月に初めて行われた「The World’s 50 Best Hotels」で世界37位につき、“Carlo Alberto Best Boutique Hotel Award 2023”も受賞。来年以降、さらに順位を上げることを予測しています。泊まればみんな票を入れたくなるはずですから。

たまに最高のホテルに出会った時、「記憶をゼロにして初見の感動をもう一度味わいたい」なんて思ったりしますが、「The Newt」もそうでした。でも、季節を変えて訪れたら、また別の新しい魅力を発見できて、2回目も新鮮だった。雪が降る頃や、クリスマスにも行ってみたいと思う今日この頃。ぜひみなさんにも、スペシャルな時間を大切な人と共有していただきたいです。
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The Newt in Somerset あまりに広いので地図を見ながら遊歩道を進む。
▲ あまりに広いので地図を見ながら遊歩道を進む。
The Newt in Somerset 蜂蜜クリーム味のアイスもお試しあれ。
▲ 蜂蜜クリーム味のアイスもお試しあれ。
※1ポンド181.1円で計算

■ お問い合わせ

日本での問い合わせ:コンシュマーサービス 03-3403-5355
HP/https://thenewtinsomerset.com 

● 大石智子(おおいし・ともこ)

出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、毎月海外に渡航。スペインと南米に行く頻度が高い。柴犬好き。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。

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