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2024.05.21

7人制ラグビー 日本代表選手:津岡翔太郎 編

祖父譲りのセイコーと自身の足跡を示すロレックス

お洒落な男性なら誰もがステキな時計を持っているものです。そこでこだわり男子に、こっそり愛用時計にまつわるエピソードをインタビュー。実に興味深いお話がアレコレと飛び出します。

CREDIT :

写真/鈴木克典  構成・文/長谷川 剛(Table Rock Script)

7人制ラグビーの面白さをもっと広めていきたい

病院の院長先生らしからぬ(?)甘いマスクとスマートなボディのこの男子。ポルシェを颯爽とドライビングする腕元には、世界的な人気を誇るアノ時計が光ります。
▲ 日本においてラグビーと言えば15人制がまだまだ一般的。しかし7人制ラグビーは15人のソレとは異なる魅力があると強調します。 
7人制のラグビー競技における日本代表選手である津岡翔太郎さん。来る2024年7月に始まるパリ・オリンピックへの出場が期待されている注目のラガーマンです。俊敏な機動力を生かした頭脳的かつアクティブなプレースタイルは世界からも注目を浴びるもの。現在、夢の舞台へ向けトレーニングを重ねていますが、実は津岡選手、大の時計ファンでもあるとのこと。そこで改めて7人制ラグビーならではの魅力をレクチャーいただきつつ、次世代オリンピアンが愛用する特別な時計についての思いをうかがってみました。
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日本においてラグビーといえば、15人制が良く知られています。津岡さんがプレーする7人制ラグビーとは、一体どんな特徴を持つ競技なのでしょうか?
都内マンションに暮らす坪根さん。合理的で高感度、そしてクリーンなライフスタイルに、人柄がしのばれます。
▲ 7人制ラグビーの日本代表選手である津岡さん。がっしりした体格はさすがラガーメン。一流アスリートでありながら、お洒落にも興味を持つ男子です。
「一番大きなポイントとなるのが、7人というプレー人数と短い競技時間ですね。15人制が40分ハーフであるのに対し、7人制は7分ハーフ。競技コートは両者同じ広さなので、とにかく7人制は走りまくります。選手の役割も15人制の場合は、ほぼ固定であるのに対し、7人制は流動的。僕のように攻撃的なウイングを軸としたポジションでも、局面によってはディフェンスも行わなければなりません。そういった意味でプレーが目まぐるしく変化しますし、同時にビッグプレーが頻発します。いわゆるラックやモールといった密集プレーも少なく、見ている人にとって分かりやすいところが、7人制ラグビーの大きな魅力と思います」
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お決まりの戦術や小刻みなセットプレーにて進行するだけでなく、ちょっとした切っ掛けから見ごたえある個人プレーが次々飛び出してくるということですね。

「そうです。それゆえ世界的なラグビー大会では、7人制競技を“お祭り”と評す人も多いですね。先日香港で行われた大会でも、7人制の試合では多くの飲食屋台が出店し、観客も仮装して楽しんだり、女性サポーターの大胆な薄着応援スタイルが見られたりしました(笑)。香港大会では、ビールの消費量が世界一とのニュースも出るほど盛り上がっているのです」
かつては15人制ラグビーも経験していた津岡さん。現在は7人制にフォーカスしており、体重も従来より5㎏ほど絞って走れる身体を作っているのだそう。
▲ 15人制ラグビーも経験している津岡さん。現在は7人制にフォーカスしており、体重も従来より5㎏ほど絞って走り続けられる身体を作っているのだそう。
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なるほど、本当に面白そうですね。これはぜひパリ・オリンピックでの津岡さん含めた日本チームの活躍に期待したいところ。そしてそんな津岡さんが、ラグビーと同じくらい熱を入れて大事にしているのが時計とのこと。そもそもどういった経緯で時計に興味をもったのですか?

「僕の祖父は、学校や役所などに納める大型時計の装飾を手掛ける職人でした。そのため、昔から祖父はセイコーなど古い腕時計を複数持っており、引退後に僕の父親などにいくつか譲っていたのです。ですから、幼い頃から僕にとって時計は身近な存在であり、自然に時計に興味をもつようになりました」

そして、最初に津岡さんが所有する一本も、お爺さんから譲られたものなんですね。

「そうです。キングセイコーのバナックというモデルでした。70年代風のデコラティブな装飾が特に気に入っていたんです。尊敬する祖父から譲り受けたことで、自分にとってお守り的なアイテムでした。しかし、とあるヨーロッパ遠征の際に、宿泊先のホテルで紛失してしまい……。これは本当に残念な出来事でした」
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憧れのロレックスに自分の成長を重ねて

プロ選手になった記念で購入したロレックスのサブマリーナー。かしこまったシーンにジャケット代わりに腕に付けて出掛けるための一本だと津岡さん。
▲ プロ選手になった記念で購入したロレックスのサブマリーナー。かしこまったシーンにジャケット代わりに腕に付けて出掛けるための一本だと津岡さん。
それから幾年か経て、今度は特別な思いを持った時計を自ら選んで手に入れたという津岡さん。

「実は以前に、コンビスタイルのロレックス シードゥエラーを持っていたんです。しかし、そちらは少しヘビーなモデルでしたので、より使い勝手の良いフルステンレスのこのサブマリーナーが欲しくなったのです。入手した2021年は、僕がちょうどプロ選手になったタイミング。記念として何か形になるものを求めていたんです。

シードゥエラーもそうなのですが、僕は福岡県の糸島育ち。海に近い環境ということもあって、防水機能のあるダイバーズがやっぱり気になるんです。

また、ロレックスが機能的にも優れたブランドであるのは誰もが知るところ。腕に付けていると『買ったんだね』『イイね、見せて』と話しかけられ、会話が広がるところも良いと思っています」
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そして、次に手に入れたのがヴィンテージのセイコー。ひょっとしてこれは津岡さんのおじいちゃんに関係するものでしょうか?
祖父から父親に譲られ、それをまた津岡さんが引き継いだセイコーのQZ。明るいカラーのレザーストラップはお父さんのチョイスだそう。
▲ 祖父から父親に譲られ、それをまた津岡さんが引き継いだセイコーのQZ。明るいカラーのレザーストラップはお父さんのチョイスだそう。
「そのとおりです。以前に譲ってもらったバナックをなくしてしまい、その穴を埋めるべくロレックスなどを買いました。しかし、お守りと言えるほどの存在にはならなくて……。そこで父親に相談して、祖父から父に引き継がれたコレクションの一本を、改めて譲ってもらいました。

それがこのセイコー QZ。すっきりとしたローマ数字がドレッシーな印象のクォーツ式三針モデルです。こちらが今の僕のお守りであり、大事なシーンにしか身に着けない時計です。

今年7月のパリ・オリンピックは、僕にとって生涯を掛ける大一番。コイツを連れていこうか、今からとても悩んでいます。前例があるだけにどうしたものかと(笑)」
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何か記念があるごとに、時計を手に入れ形に残してきた津岡さん。今から2年前の2022年にも思い出に残るエピソードがあったと振り返ります。
1979年製というロレックスのGMTマスター。ブラウン文字盤を持ついわゆる「フジツボ」の名で知られる人気モデルです。ヴィンテージらしいこなれたヤケ具合がポイントです。
▲ 1979年製というロレックスのGMTマスター。ブラウン文字盤を持ついわゆる「フジツボ」の名で知られる人気モデルです。ヴィンテージらしいこなれたヤケ具合がポイントです。
「こちらのロレックス GMTマスターは、1979年製のヴィンテージ。いわゆるフジツボモデルですが、ブレスレット以外はフルオリジナル。ヤケ具合などの経年変化が僕の理想的なコンディションであり、ショップで目にした途端『欲しい!』となりました(笑)。2022年はインパクトプレーヤー等に選ばれるなど、年間通して結果を出した年です。非常に充実感を得ることができたので、記念にこのGMTマスターを思い切って手に入れました」
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時計とゴールドアクセを合わせて個性をアピール

聞いたところによると、現在一番出動回数の多い時計がこのGMTマスターだとか。それはどうしてでしょう?

「日常のファッションとしてヴィンテージ感のあるスタイルが好きで、そういった装いにこのフジツボは非常にマッチします。また、このコンビのゴールド時計に合わせてアクセサリーをコーディネートするのが自分流。指輪やピアスなど、ヴィンテージのゴールドアクセを重ねて楽しんでいます」

こちらのアクセサリーは、よく見るとティファニーですね。
コンビスタイルのGMTマスターに合わせ、津岡さんはゴールドアクセを合わせて着用します。リングに加えピアスもティファニーで揃えています。
▲ コンビスタイルのGMTマスターに合わせ、津岡さんはゴールドアクセを合わせて着用します。リングに加えピアスもティファニーで揃えています。
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「そうです。ティファニーのアクセサリーは、派手すぎずスッキリしているのに個性や歴史を感じさせるところがお気に入り。特にこのカレッジ風のゴールドリングはとても大事にしています。非常にレアなアイテムであり、僕が洋服のことでお世話になっている、恵比寿の『ラッツ』というショップの方に特別に譲っていただきました。なんでも海軍兵学校のモチーフであり、一般的な10金ではなく14金であるのがティファニーらしさとのこと」

そんな、ファッションに関しても熱いこだわりを持つ津岡さん。今回紹介していただける所有時計のトリは、なにを隠そうキング・オブ・ロレックス、コスモグラフ デイトナです。
去年の2023年に買ったばかりというロレックス デイトナ。これは6桁の現行品ですが、いつかはヴィンテージのデイトナも欲しいとのこと。
▲ 去年の2023年に買ったばかりというロレックス コスモグラフ デイトナ。これは6桁品番の現行品ですが、いつかはヴィンテージモデルも欲しいとのこと。
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「やはりロレックスを集めだすと、ココはどうしても避けて通れません(笑)。本当は手巻きのビッグデイトナが夢なのですが、それはまだまだ先のお話。そして一年前となる2023年は、ケガなど波乱もありましたが、最終的に予選出場に間に合い、無事オリンピックへの切符を手にできました。前回の東京五輪ではバックアップの立場でしたので、個人的には確実なステップアップと言えるもの。であればもうデイトナ行くでしょ、ということで去年の冬に手に入れました(笑)」
複数ロレックスを持つ津岡さん。このデイトナはスーツスタイルなどハレの舞台で着用する一本だと言います。
▲ 複数のロレックスを持つ津岡さん。このコスモグラフ デイトナはスーツスタイルなど、ハレのシーンで着用する一本だと言います。
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スポーツロレックスの頂点であるコスモグラフ デイトナを手に入れた津岡さん。これでもう時計コレクションは一段落となるのでしょうか?

「最近になって、自分はしみじみヴィンテージが好きなんだと感じています。フジツボをヘビロテしているのは、ブラウン系という使いやすいカラーもありますが、個人的にヴィンテージなど古い歴史を感じさせるアイテムが自分らしく思えるのです。なので次は、1960年代後半のサブマリーナーのミラーダイヤルなどを探そうと思っています。パリ・オリンピックの成績いかんではすぐに手に入れるかもしれません。というか、積極的にソコを狙って頑張ろうと今から力を入れています(笑)」
津岡 翔太郎 (プロ・ラグビー選手)

● 津岡 翔太郎 (7人制ラグビー日本代表)

1996年3月福岡県生まれ。中学生で先輩に誘われラグビーを始める。高校、大学とラグビーを続け、2018年に帝京大学を卒業。その後、コカ・コーラレッドスパークスに加入。2019年、7人制ラグビーのユニバーシアード日本代表として金メダルを獲得。2021年、東京五輪の7人制日本代表バックアップメンバーに選ばれ、2023年のパリ五輪選考にて代表メンバーに選出される。日本ラグビーフットボール協会及び、コカ・コーラ ボトラーズジャパン所属。

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