2024.07.16
腕時計の注目ブランド「コンスタンチン・チャイキン」は何がスゴい? 特別な限定モデルも登場
“時計界のアカデミー賞”と言われるジュネーブ・ウォッチ・グランプリで「オーダシティ(大胆さ)」部門賞を受賞した独立系ブランド「コンスタンチン・チャイキン」。国内初の専用フロアのオープンを機に来日したコンスタンチン氏に、時計作りへの情熱を伺いました。
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写真/田中駿伍(MAETTICO) 取材・文/渋谷康人 編集/岸澤美希(Web LEON)
独立時計師界の実力派コンスタンチン・チャイキン、ついに日本に正式上陸!
サンクトペテルブルク出身で今年49歳のコンスタンチン・チャイキン氏は、ロシア初の独立時計師。
2018年には、“時計界のアカデミー賞”と言われるジュネーブ・ウォッチ・グランプリで「オーダシティ(大胆さ)」部門賞を受賞し、そのユニークなクリエーションによって時計愛好家から絶賛されています。
オープンを祝して来日したコンスタンチン氏に、独創的な時計作りへの情熱を伺います。
機械式時計に目覚めたきっかけは2003年の「ブレゲ展」
「私はとにかくモノを作ることと挑戦することが好きなんだ。時計に興味をもったきっかけは2003年、故郷のロシア・サンクトペテルブルクで見た、天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲの人と業績、作品を紹介する『ブレゲ展』だった。
当時28歳だった。それで、自分も時計作りに挑戦してみようと思ってすぐにやり始めたよ」(コンスタンチン・チャイキンさん、以下同)
コンスタンチン氏の特徴は時計職人として優れているばかりでなく、技術者として驚くほど豊かなアイデアを有するところ。氏は時計製作を始めてから約20年で79の特許を取得し、62の実用新案を生み出しました。
愛好家の心を掴んだユニークな大ヒット作『ジョーカー』
この年、当時世界最大の時計宝飾フェアだった「バーゼルワールド 2017」で発表した世界限定99本製作のリストモン(=リスト・モンスター=腕の怪物)コレクションのジョーカーが、開催期間中の1週間で完売してしまったのです。
「ジョーカーは、私がこれまで作ってきた中で最も早く売れた時計です。このアイデアの原点は、2013年のバーゼルでシネマという時計を発表した経験にあります。
シネマは映画の創始者リュミエール兄弟へのオマージュとして、6時位置の窓の中で騎手を乗せた馬がコマ送りのアニメーションとして再生されるモデルでした。それを見た来場者が感動してくれて『見る人の心を動かす時計を作らないと』と思ったのです」
以来、彼のリストモンコレクションは世界中で大人気となり、同じメカニズムのさまざまなデザインのモデルが作られています。
「他の誰も使っていない技術に挑戦し続けたい」
そんな氏が、日新堂 銀座本店の専用フロアオープンを記念して製品化したのが、ここだけで購入できるスペシャルモデルNINJA(忍者)です。
この時計の最大の特徴は、忍者の口の部分のインジケーターが、忍者装束と同様に“メッシュのマスク”で覆われたデザインになっていること。さらに、日本刀の形をした、時計を調整するためのプッシャーも付属します。
彼の唯一無二でユーモラスなメカニズムへの挑戦はまだまだ続きそうです。
● コンスタンチン・チャイキン
1975年、ロシア・サンクトペテルブルク生まれ。28歳で機械式時計作りに取り組み始める。AHCI(独立時計師協会)に所属し、2016〜2019年には代表を務めた。2018年、『クラウン』でジュネーブ・ウォッチ・グランプリ(GPHG)の「オーダシティ(大胆さ)」部門賞を受賞。
■ 日新堂銀座本店コンスタンチン・チャイキンサロン
住所/東京都中央区銀座7-9-13 4階
TEL/03-3571-5611