2019.11.06
ロマネ・コンティよりオーパス・ワンに興味を示す女性ってアリ??
5000本以上のコレクションを持つ日本随一のワインコレクターで、多いときは月に3桁の金額をワインに費やす超愛好家だからこそわかる、真にスマートで男女問わずモテるワイン道ってどんなもの? ちょっとイタいワインおたくや面倒くさい半可通など、周囲の反面教師からも学ぶ、ワインのたしなみ方入門です。
- CREDIT :
文・グラフ/吉川慎二 イラスト/Isaku Goto, オキモトシュウ(吉川慎二氏)
お鍋とワインも面白い組み合わせです。私は大好きですが皆さんはいかがですか?
さて、今回はモテ理論に戻って、ワイピ係数αを考えます。あなたのワイピレベルがどれだけモテ度に影響するかはα次第ですから、しっかりと頭に入れておいてください。
モテるワイン道~ワイピ係数α
おさらいしたい方はこちら。
この公式においてワインモテ値MW(=ワインを絡ませることで変化するモテ値の増減分)にかかっている数値が今回テーマのワイピ係数αです。
ワイピ係数αが他の数値と異なる点は「対象とする集団または個人固有の」ものだと言うこと。ワインに対する思い入れやこだわりの強さなど、モテ値を考えるにあたっての相手のワイピ度なので、あなたが直接コントロールすることが困難な要素です。
抽象的な説明ではわかりにくいでしょうから、目安をお示しします。
[ワイピ見習いクラス] α=0~0.25
奮発して5大シャトーやブルゴーニュのGrand Cru(*1)を振る舞っても、猫に小判のリスク大。
このクラスを相手にする場合にはワインを武器にモテようと考えない方が得策かもしれません。
かつて、私のプライベート・セラーにご案内した際に、Henri JayerやDRC(*2)の前では無反応だったにもかかわらず、Opus Oneを見つけてテンションを上げた女子が即時にこのカテゴリーに分類されました。
[初級ワイピクラス] α=0.25~0.75
[中上級ワイピクラス]: α=0.75~1.5
あまりにもベタなワイン(*4)でオ・モ・テ・ナ・シすると「甘く見ないで」と逆襲されかねないのでご注意を。
[危険ゾーン]: α=3.0~
ことの次第では家庭崩壊や健康・財産が危機に瀕するかも知れません。相当な覚悟をもって進んでください(笑)。
ワイピ係数αいかがでしたか? よく見極め、あなたもモテるワイン道を邁進してください。
(*1)
「5大シャトー」とは、1855年のパリ万国博覧会において、フランスのボルドー・メドック地区の格付けで“第一級”の称号を与えられた4つのシャトー醸造所(Chateau Latour、Chateau Lafite Rothschild、Chateau Margaux、Chateau Haut-Brion)と、1973年に昇格になったChateu Mouton Rothschildの5つ。
ブルゴーニュのGrand Cruとは、ブドウ畑単位で格付けをするフランス・ブルゴーニュ地方の最上級「特級」ワイン。その生産量は、全体のわずか1.5%と希少。
いずれも世界トップクラスのワインの代名詞。
(*2)
Henri Jayer(アンリ・ジャイエ)とは、「ブルゴーニュの神様」と尊敬された醸造家。2006年に死亡したため、もはや入手がほぼ不可能な幻のワインとなっている。
2018年6月に、遺族が個人所有のワイン1,064本をオークションで売出し、約3,000万ユーロ(=約38億円)超で落札された。
DRCはDomaine de la Romanee Conti社の略。ロマネ・コンティをはじめ、高品質で高級なブルゴーニュワインの代名詞。
(*3)
大手シャンパーニュメゾンが発売する複数の商品の中で、そのメゾンの最高級商品(Cuvee)のこと。代表的なものにはMoet & Chandon社から発売されるドン ペリニヨンなどがある。
(*4)
高価・希少であることが分かりやすいような高級ワイン。典型例は(*1)
連載Vol.02 「モテるのは片手にワイングラス8脚をモテる男」
連載Vol.03 「一目置かれるワイン会の掟、お教えします」
連載Vol.04 「ワインのカジュアル・フォーマルはここで決まる!」
連載Vol.05 「ダジャレで選ぶワイン、ありやなしや」
連載Vol.06 「ワインを愛するならまず『ワインセラー』を買いなさい」
連載Vol.07 「人のワインを笑うな、けなすな、値段を聞くな」
連載Vol.08 「古酒は小さなグラスにちょびちょびと注ぐべし」
連載Vol.09 「あなたはなぜワインを飲むのか? と聞かれたら」
連載Vol.10 「ワイン会は店選びが9割⁉ 幹事の心得いよいよ最終編へ突入」
連載Vol.11 「宴会幹事必読! ワイン会の開催までにやっておくべきTo Doリスト」
連載Vol.12 「ワインを楽しむ男はなぜモテるのか。公式化してみた」
連載Vol.13 「高価なワインをご馳走すればモテる」と勘違いしていませんか。
連載Vol.14 「こんなワイン好きは嫌われる、ワイピのNG行動とはなにか」
● 吉川慎二 / Shinji Yoshikawa
1962年三重県生まれ。
東京大学法学部卒業後、三井住友銀行、メリルリンチ自己勘定投資部門のアジア太平洋地域統括本部長を経て、現在は投資家・経営コンサルタント。
2007年、日本ソムリエ協会のワインエキスパート資格を取得。12年にシニアワインエキスパートへ昇格し、同年に開催された第5回全日本ワインエキスパートコンクールで優勝。14年にはエキスパート資格者で初の日本ソムリエ協会理事に就任、2018年まで2期4年務めた。漫画「神の雫」に登場する吉岡慎一郎のモデルともいわれ、プロフィールイラストは「神の雫」作画のオキモトシュウ氏によるもの。