2024.06.08
味噌ラーメン、本当に美味いのはどこだ⁉ 他「山本益博のラーメン革命!」これまでの人気記事BEST 5を発表!
日本初の料理評論家、山本益博さんが一流の料理へと変貌を遂げつつある街のラーメンを自ら実食リポートする連載「山本益博のラーメン革命!」。2年半にわたる連載の中で特に読者に好評だった記事5本を発表します。
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文・写真/山本益博
そんな新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする人気連載「山本益博のラーメン革命!」も、すでに2年半を迎えました。今回は連載の中で特に読者に好評だった記事5本を発表します。
【第1位】
味噌ラーメン、本当に美味いのはどこだ⁉
私は、今から60年ほど前、札幌に2年間住んでいて、「味噌ラーメン」が大好きになった。とりわけ、寒い冬の日の「味噌ラーメン」は高校生には堪えられないご馳走だった。
ほとんどの店が鍋に挽肉ともやしと玉ねぎを入れてラードで炒め、そこへスープを加えて、味をなじませ、整える。そうして鍋に具を残したまま、味噌ダレが入った丼へスープを流し入れる。ゆであがった黄色い麺を丼へ入れ、それから、お玉で鍋から丼へ具を盛っていき、一丁上がり! 見ていてもとても楽しく、ますますお腹が空いていった。この作り方、丼に味噌ダレがなければ、タンメンと同じ作法ではないか。
【第2位】
ラーメンの鬼 佐野実の魂を継ぐ店たち
佐野実が興したラーメン専門店「支那そばや」は、彼の亡き後、現在、戸塚にあって健在。厨房には妻だった佐野しおりさんが先頭に立ってラーメンをつくっている。その「醤油らぁ麵」をいただくと「清潔、簡潔、明澄」と言った言葉が浮かんでくる。
【第3位】
塩ラーメンでA級と言える美味しい店はどこだ?
私は1980年代初めに「東京・味のグランプリ」というガイドブックを上梓し、「すし、そば、てんぷら、うなぎ、とんかつ、ラーメン」という、いわば東京の郷土料理を取り上げ、飲食店を紹介したのだが、当時、ラーメン屋を訪れても、「塩味」を売り物にするラーメンはなかったと思う。それから10年ほど経って、改めて食べ歩きを再開したのだが、ラーメン界は「豚骨」ブームで、私の興味は次第に薄れ、いつしか視界から「ラーメン」が消えて行ってしまった。
90年代後半に青山「麵屋武蔵」、中延「多賀野」、吉祥寺「一二三」などは食べていたが、本格的にラーメンに目覚めたのは、ずっと後のことで、2010年代半ばになってからである。したがって、私のラーメン遍歴には、途中20年近くエアポケットがあって、その期間を経た後「塩ラーメン」に気が付いたのだった。おそらく、「塩ラーメン」は「湯麵」の延長線上に生まれたラーメンだったのではなかろうか? と言うのが、私の推測だった。
【第4位】
真夏にいただく最高のラーメン! 「昆布水つけ麺」を知っていますか?
それが2021年11月のことで、その年の2月にひとりで出かけたとき、列に並んで1時間ほどで席に着けた。二度目は友達二人を誘い、店の前の並ぶ様子で2時間ほどと見当をつけたのだが、これが大外れ。列がなかなか進まず、立ち話も尽きて、足腰が痛くなるほどだった。
【第5位】
「Japanese Soba Noodles蔦」の大西祐貴さんが亡くなった
今回は、その偉業に少し触れてみたいと思う。
そもそも、1900年創刊のフランスのタイヤメーカーのガイドブック「ミシュラン」には、単一料理の専門店の掲載は一切なかった。近年になって、ようやく「ミシュラン」のフランス編に、パリのラーメン専門店が掲載されるようになったが、星もビブグルマンもついていない。ピッツェリアはいまだ載っていない。