2018.10.21
Interview 【vol.7】
森田恭通を突き動かすモテ願望と妄想パワーとは?
LEONはお陰様でこの秋に創刊17周年を迎えました。これを記念して各界で活躍する皆さんに「アナタにとってLEONってなんですか?」を尋ねてみました。第7回はデザイナーの森田恭通さん、経営学者の一條和生さんです。
- CREDIT :
文/篠田哲生(森田)、柴田 充(一條) 写真/斉藤翔平
LEONは“男と女を妄想させハッピーにさせるもの”
僕の仕事では“妄想”が大切。「こんなBARがあったらいいな」「女性と行くならこんなレストランがいいな」「こういうトイレがあったら驚いてくれるかな」とか女性を喜ばせるためにはどうすればよいのかを、とにかく妄想している。
例えば、六本木にあるLOUNGE BAR「1967」は、シャンパンクーラーがドレーンとつながっているので、器を下げずに氷を追加できる。つまり目の前には常にシャンパンがある状態にできるから、隣に座っている女の子の気分を冷めさせないんです。
こうした妄想から広がる“モテたい”という感情は、このうえないパワーの源であり、何万年も前から人類を発展させてきたわけです。それは現代になっても変わらない大きなモチベーションになると思いますし、それをLEONが牽引している。関西圏に熱心な読者が多いのも頷けますね。
彼らはいわゆる“イラチ”で“ええかっこしい”なので、話が早いのが好き。だからLEONがバイブルになっているのでしょう。モテたい欲求は男性がもっているべき永遠の精神。いくつになっても男は女に振り回されるものなんですよ。
■ 取材班は見た!
グラマラスの書斎にて……
MEMO:ジローラモを含め、身近な友人がLEONの誌面を飾ることも多い森田氏。ドン ペリニヨン、モエ・エ・シャンドン、ルイナールなど12本ほどシャンパンを常備してあるオフィスの書斎で仕事の合間、泡を片手にパラパラと目を通すことが多い模様。
● 森田恭通(もりた・やすみち)
デザイナー・アーティスト。1967 年大阪生まれ。GLAMOROUS co.,ltd.代表。インテリアに限らず、グラフィックやプロダクトといった幅広い創作活動を行う。アーティストとしても積極的に活動しており、2015年より写真展をパリで継続して開催している。
経営学者、一條和生が考えるこれからのブランドビルディングの必要性とは?
LEONは“戦略的思考の理想的なモデルです”
我々は“戦略的思考”と呼びますが、ある人をハッピーにする一方で、ある人をアンハッピーにする。捨てる領域を選ぶという日本ではメジャーではない価値観ですが、それを勇気をもって打ち出したところにLEONの意義があるのです。でも、まだ足りない。
ビジネスのトップでも、日本人は自分のブランドビルディングができている人が少ない。服装にしてもセルフプロデュースの手段という自覚がなければ、世界では認められない。それは自己確立の象徴として、グローバルリーダーに当然のことなのです。
この状況を打破すると期待したいのが、30代半ば〜40代半ばのミドルエイジです。彼らの活力が日本のビジネス競争力の源であり、未来を決定するのです。LEONがオヤジ世代を格好良く変え、それに憧れる次世代を育てることで、ひいては日本経済を活性化させます。
ミレニアル世代の価値観にどうフィットするかという課題もありますが、日本企業にとって重要なミドル層を元気にすること。これをLEONには期待します。
● 一條和生(いちじょう・かずお)
一橋ビジネススクール 国際企業戦略専攻 教授。1958年生まれ。ミシガン大学経営大学院Ph.D.(経営学博士)取得。日本人初、スイスのビジネススクールIMDで教授に就任。現在は一橋ビジネススクールで、国際企業戦略専攻にて専攻長を務める。ファッションに対する造詣が深いことでも知られる。