2019.11.26
パーティーでモテるスマート・エスコート術をご指南
5000本以上のコレクションを持つ日本随一のワインコレクターで、多いときは月に3桁の金額をワインに費やす超愛好家だからこそわかる、真にスマートで男女問わずモテるワイン道ってどんなもの? ちょっとイタいワインおたくや面倒くさい半可通など、周囲の反面教師からも学ぶ、ワインのたしなみ方入門です。
- CREDIT :
文・グラフ/吉川慎二 イラスト/Isaku Goto, オキモトシュウ(吉川慎二氏)
モテるワイン道~パーティー・エスコート編
1. パーティー前
お目当の女子と同じパーティーに出席することがわかったあなた、期待も膨らみ、テンションも高まりますよね。まずは事前準備を抜かりなく進めましょう。第一歩はエスコート役を申し出ることからです。勇気を出して「今度の〇〇のワイン会参加されるのですよね、よろしければ僕にエスコートさせてくれませんか?」と言ってみてください。彼女が単独参加であれば、知り合いがいるのか不安なはず、顔見知りのあなたは頼もしい存在に違いありません。「エスコート」などという気障な言葉は恥ずかしいですけど、女子にしてみれば悪い気はしません。
よくある返答が「ごめんなさい。△△ちゃんと一緒なの」という女子2名参加のパターンです。その場合でも、あきらめずに「じゃあ3人で行きましょう」と食い下がりましょう。うまくいけば両手に花という幸運のご褒美が待っているかもしれません。
パーティーには大抵ドレスコードの指定があります。ブラック・タイ、ビジネス・カジュアル、エレガント・シックなどのフォーマルさの程度を指定する場合もあれば、「サムシング・レッド」(何か赤いもの)とか「帽子」とかのようにワンポイントの場合もあります。ドレスコードは彼女との事前コミュニケーションを取る格好の口実、うまく利用しない手はありません。女子としても、せっかくのエスコート相手が見すぼらしい服装だと自分のお洒落まで道連れにされてしまうので真剣になるはず。カッコつけ過ぎかなあと思うくらいのドレスアップがちょうどいいと思います。
せっかくなので、パーティー前のカクテルにお誘いしてみてはいかがでしょう? 待ち合わせの必要があるなら尚更です。年末のパーティーはお祭的な要素が強く、ワインのクオリティーは二の次的なケースもありますので、事前集合してグラス・シャンパーニュで喉をうるおすのは魅力的なお誘いのはずです。
パーティー中は自分は「エスコート役である」ということをくれぐれも忘れずに。他の女性との会話がNGとは言いませんが、彼女を一人にするのは論外です。常に、エスコート相手の状況には気を配っておきましょう。
逆に、彼女の(男女を問わず)会話が弾んでる場合、いくらエスコート役だと言っても必要以上に介入するのはいけません。ワインのおかわりや、食事を取ってきてあげるくらいの余裕がある方が、むしろポイントアップにつながります。
パーティー会場を後にする際は、お酒も入っていて忘れ物をしがちです。携帯電話や傘、ストールなどの小物などちゃんと持っているかリマインドしてあげましょう。万が一、彼女が携帯電話をテーブルに忘れていようものならば、あなたはPKを止めたゴールキーパーと同じくらいヒーローになること間違いありません。
3. パーティー終了後
終了時間や翌日の予定次第ですが、エスコートしている立場から、一応二次会にお誘いするのが礼儀です。ただし、彼女が気が進まなさそうであれば、プッシュし過ぎるのは禁物です。
通常は彼女の指定場所までタクシーで送ってあげるのがエチケットです。ルートの関係でどうしてもあなたの方が先にタクシーを降りる必要がある場合、最近普及しつつあるネット決済(*1)を利用するのがよいでしょう。野暮に現金を渡すよりもスマートです。
モテるワイン道〜パーティー・エスコート編、いかがでしたか? この年末、あなたもエスコートの達人を目指してみては?
(*1)
あらかじめアプリにクレジットカード等を登録しておいて、タクシー乗車中に車のQRコードを読み取って料金を決済するシステム。JapanTaxi Wallet(https://japantaxi.jp/wallet/)やS.RIDE(https://www.sride.jp/)等がサービスを提供している。
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● 吉川慎二 / Shinji Yoshikawa
1962年三重県生まれ。
東京大学法学部卒業後、三井住友銀行、メリルリンチ自己勘定投資部門のアジア太平洋地域統括本部長を経て、現在は投資家・経営コンサルタント。
2007年、日本ソムリエ協会のワインエキスパート資格を取得。12年にシニアワインエキスパートへ昇格し、同年に開催された第5回全日本ワインエキスパートコンクールで優勝。14年にはエキスパート資格者で初の日本ソムリエ協会理事に就任、2018年まで2期4年務めた。漫画「神の雫」に登場する吉岡慎一郎のモデルともいわれ、プロフィールイラストは「神の雫」作画のオキモトシュウ氏によるもの。