2024.05.25
【完全版】大人なら知ってて当然!? 腕時計の基礎知識・専門用語を解説!
難解そうに思える腕時計の用語や仕組みも一度覚えてしまえば、時計を選ぶ際の強い味方となります。大人なら知っておきたい腕時計の基礎知識と用語を、メディアで培ってきた知見を元にどこよりも詳細にお伝えします。
- CREDIT :
文/高井智世、渋谷康人 イラスト/林田秀一
腕時計の基礎知識と専門用語を知ると、時計選びがもっと楽しくなります
一見、難しそうに思える専門用語や知識も、基本を押さえれば、見るべきポイントがわかってくるはず。奥深く魅力的な腕時計の世界へのガイドとして、ご活用ください。
目次
・機械式ムーブメント
・手巻き
・自動巻き
・クオーツムーブメント
・機械式時計の仕組み
・マニュファクチュール
(2)クロノグラフ 〜クロノグラフで何ができる?〜
・速度を測る「タキメーター」
・距離を測る「テレメーター」
・脈拍数を測る「パルスメーター」
・コラムホイール式
・カム式
(3)振動数 〜時計の精度の決め手〜
・ハイビート
・ロービート
(4)3大複雑機構 〜最高峰の機械式時計〜
・トゥールビヨン
・パーペチュアル(永久)カレンダー
・ミニッツリピーター
(5)7大複雑機構 〜知っていたら通〜
・スプリットセコンドクロノグラフ
・ムーンフェイズ
・レトログラード
・パワーリザーブ・インジゲーター
(6)その他の有名な機構 〜知っていると通〜
・GMT
・ワールドタイム
・超薄型時計
(7)防水性能 〜壊さず使うために〜
・日常生活防水
・スポーツ用防水
・潜水用防水
(8)文字盤 〜腕時計も顔が大事!〜
・ラッカー文字盤
・ギョーシェ文字盤
・天然素材文字盤
・エナメル文字盤
(9)バンド 〜TPOやライフスタイルで使い分け〜
・ブレスレット
・レザーストラップ
・ラバーストラップ
・ファブリックストラップ
(1)ムーブメント 〜何によって動くか?〜
・機械式ムーブメント
機械式の長所は、クオーツ式に比べてトルク(力)が大きいこと。長く太い針も動かせるので、視認性が高い時計にすることができます。一方で短所は、クオーツに比べて精度が低く、ゼンマイを巻かないと数日で止まることです。
さらに、機械式ムーブメントのエネルギーの蓄え方には「手巻き」と「自動巻き」とがあります。
・手巻きムーブメント
使う前に手で巻き、時間を合わせる必要があるのを手間ととるか、風情ととるかはあなた次第。ただ、機構がシンプルであるために、ムーブメントの厚みを抑えられるのがメリットです。ドレスウォッチなど袖口に引っかかりにくいスマートさが求められる薄型の時計によく用いられます。
・自動巻きムーブメント
手巻きの機構にローター部分が付加されるため、一般的には厚みが増しますが、これをいかに薄型化するか、また巻き上げ効率を上げていくか、というところに時計ブランドの工夫が光ります。
・クオーツムーブメント
クオーツ式の長所は、放っておいても動き続ける便利さや、時間の正確さ、価格面、磁気や衝撃への強さなど。短所は、電池交換が必要なこと。電池の寿命は、平均的に3年前後と言われています。修理できないものも多く、故障の際はムーブメントごと交換する場合が多いです。
機械式とクォーツ式、それぞれの長所と短所を知った上で、あなたのライフスタイルや好みに合わせて時計を選ぶのが良いでしょう。
・機械式時計の仕組み
まず、手巻き/自動巻きに関わらず、巻き上げた力を蓄えるのは、ゼンマイを収めた「香箱車」というパーツです。ゼンマイの力を回転運動に変換する香箱車を起点に、そこから連なる歯車機構がエネルギー伝達を行うことから、香箱車は別名を「1番車」といいます。
歯車機構は一般的に「香箱車(1番車)」、「2番車」、「3番車」、「4番車」で構成され、その順番にエネルギーが伝わっていきます。この機構は「輪列」と呼ばれます。
それぞれの歯車は、次に続く歯車の軸回りに設けられたカナという固い部分とかみ合いながら回転数を増幅させ、2番車は1時間に1回転、4番車は60秒間に1回転します。ここから分かるように、2番車には分針、4番車には秒針が取り付けられ、時間が表示されるのです。なお時針は、2番車の同軸上にある12時間で回転する歯車に取り付けられます。
本来、ゼンマイの力がそのまま伝わると歯車は猛スピードで回転し、エネルギーはアッという間に使い切られてしまいます。そこで、力を定量化するパーツが「ガンギ車」と「アンクル」、「てんぷ」です。
この脱進機で調整されたエネルギーを正確にコントロールして循環させるのが、「調速機」である「テンプ」です。テンプは振り子の等時性を応用したもので、アンクルから伝わるエネルギーを、テンプに取り付けられた渦状の「ヒゲゼンマイ」が収縮と拡張運動を繰り返すことで左右の往復運動に変換します。
その力が、テンプに取り付けられた「振り石」からアンクルに戻り、アンクルをリズミカルに左右交互へ動かし、そしてガンギ車へと戻されていくのです。ここで大切になるのが、いかにそのリズムが一定であるかということ。テンプは1秒間に5~10回など規則性を持って正しく振幅し、輪列機構はそれをベースとして1秒、1分、1時間を正確に刻みます。
・マニュファクチュール
時計の世界では、マニュファクチュールは「自社一貫生産」「自社開発製造」という意味です。より具体的には「時計の中核になるムーブメントを、素材から自社内で部品をすべて作り、それを自分たちで組み立てて製品を作ることができる」体制が整っていることを意味します。
(2)クロノグラフ 〜クロノグラフで何ができる?〜
操作はケースサイドに設置された2つの専用ボタンで行うのが基本。スタート/ストップは2時位置のボタン、クロノグラフ針を0位置へ戻すリセットは4時位置ボタンで行います。
一般的な時計は中央に秒針が配置されますが、クロノグラフではクロノグラフ針が配置されます。そのため通常の秒針はインダイヤル(文字盤の中の小さな文字盤)に搭載されることが多くなっています。インダイヤルは他に、クロノグラフ針の駆動時間を30分や1時間の単位で積算する積算計を兼ね備えることもあり、合計のインダイヤルの数に応じて「2つ目」「3つ目」という呼び分けがされます。
・速度を測る「タキメーター」
・距離を測る「テレメーター」
・脈拍数を測る「パルスメーター」
どちらの方式にも共通しているのは、秒針を動かす4番車にクラッチをつなげることで動力を得るということ。まずプッシュボタンを押すとスタート、すなわち動力を得てクロノグラフ針が動き出し、再度押すことで切り離されてストップします。
・コラムホイール式
特に、現在よりも切削技術が発達していなかった90年代以前は、かかるコストも大きなものでした。コラムホイール式=高級クロノグラフと言われるのはこのためです。自社製ムーブメントに多く採用されています。
・カム式
(3)振動数 〜時計の精度の決め手〜
例えば「2万1600振動/時」と書かれている場合は、1時間に2万1600回振動する、ということ。となると1分間の振動数は360回なので、1秒間あたりの振動数は6振動です。
・ハイビート
物体の運動は「慣性の法則」に基づいて、運動するスピードが高いほど安定します。そのため、振動数が高いほど高い精度を実現しやすいのですが、一方で、エネルギー消費が増えることでパワーリザーブが短くなったりテンプまわりの部品の耐久性が落ちることにも繋がります。そのため、腕時計の機械式ムーブメントの振動数は、精度とパワーリザーブ、耐久性を考えて設計されているのです。
・ロービート
その最大の魅力は、脱進機の音。機械式ムーブメントはアンクルの爪石とガンギ車の歯が噛み合う時にカチカチと音が出ます。まるで心臓の鼓動のように聞こえるこの音が機械式時計の大きな魅力なのですが、ハイビートムーブメントでは連続音になってしまうために、時計通は趣深いロービートを好むのです。
また、テンプを動かすためのエネルギー消費が少なく、パワーリザーブが長いという長所もあります。近年ではテンワの直径や構造などに工夫を施すことで、安定した精度のロービートムーブメントも登場しています。
(4)3大複雑機構 〜機械式時計のロマン〜
・トゥールビヨン
懐中時計は基本的に、必要なとき以外はポケットで垂直方向に収められているものです。そのため、常に一方向の重力が機械構造にかかり続け、精度に影響を与えてしまうという問題がありました。そこで考案されたのがトゥールビヨンです。
ブレゲは機械で最も重力の影響を受けやすい調速脱進機(テンプと脱進機)を、キャリッジと呼ばれる籠に収め、このキャリッジを1分間に1回転させ続けることで、重力を分散させる方法を思いつきました。
もともと懐中時計の重力分散のために開発されたトゥールビヨンは、腕時計全盛の時代へと移り変わると精度上のメリットはなくなりました。腕時計は、腕の上でさまざまに方向を変えるためです(もちろん、腕時計でもその向きによって誤差は生じます。これを姿勢差と言います。ただし、ポケットの中で長時間垂直な状態であった懐中時計に比べると、その影響は格段に少ないのです)。
しかし、トゥールビヨンの駆動する美しさは時計愛好家の心を掴み続け、今なお多くの腕時計に採用されています。そしてもうひとつ、時計愛好家を引きつける理由に、その希少性があります。トゥールビヨンを構成するパーツは大変多く、組み立てにも熟練の技術が必要とされます。ですからトゥールビヨンは、ブランドの技術力の証でもあるのです。
・パーペチュアル(永久)カレンダー
「パーペチュアル(perpetual)」、つまり「永久」を意味する言葉を冠したこの機能は、4年に1度の閏年まで計算してくれて、時計が止まらない限り一切の日付の調整が不要となります。
現在「パーペチュアルカレンダー」を搭載した時計は、西暦2100年まで対応のものが多く、これ以降2200年、2300年のタイミングで手作業の調整が必要になります(※)。
・ミニッツリピーター
世界で初めてリピーター機構を発明したのはイギリスの時計師で、1680年頃のことでした。電灯もなく、夜になると暗がりで時計の時刻を読むのに苦労していた当時には、音で時間を伝えてくれるリピーターの存在は画期的なものでした。
発明当時は鐘の付いた置き時計でしたが、1783年にアブラアン-ルイ・ブレゲが鐘に相当するパーツをリング状のゴングに置き換えたことで、懐中時計に収まるまでに小さくなりました。この方式が現在のリピーターウォッチの原型となっています。やがて精度も30分、15分などの大まかな単位から、1分単位に対応するミニッツリピーターへと発達していきました。
現在のミニッツリピーターは、操作をした瞬間の時刻を、一般的には高音と低音の音を鳴らす2つのゴングと、それを打つハンマーの組み合わせによって伝えます。低音が「時」、高音と低音の交互が「15分」、高音が「分」の音です。バリエーションとして、ゴングとハンマーが3組となる「カリヨン」、4組以上を備える「ウエストミンスター」もあります。
(5)7大複雑機構 〜知っていたら通〜
・スプリットセコンドクロノグラフ
スタートさせると2本のクロノグラフ針が上下に重なった状態で動き出します。例えば、レースでゴールまでの走行時間と、1周目のラップタイムの2つを同時に計測したい場合には、1周目が終了した時点でボタンを押します。
すると、下の針のみラップタイムの状態で止まり、上の針は動き続けます。もう一度異なるラップタイムを計測したい場合は、再度ボタンを押せば下の針が上の針に瞬時に追いつき、再び重なって動き出します。
・ムーンフェイズ
月は「29日と12時間44分28秒」という決まった周期で満ち欠けします。そこで、そこで一般的なムーンフェイズは、この29.5の倍数の59歯の歯車と、その上に2つの月を描いたディスクを載せて回転させています(0.5歯という歯車は作れないため)。
ただ、その場合は約2年8カ月で1日のズレが生じるため、近年ではIWCやA.ランゲ&ゾーネからより高精度のムーンフェイズも登場しています。
・レトログラード
ちなみに、レトログラード(retrograde)とは“元に戻る “さかのぼる”という動詞。英語ではレトログレードと読むのが普通で、グラードはフランス語風の読み方です。
・パワーリザーブ・インジゲーター
そもそもパワーリザーブとは、主ゼンマイに蓄えられたエネルギーによって時計がちゃんと使える時間のことで、一般的に時間や日数で表記されます。主ゼンマイのエネルギー量が機械式時計にとって、パワーリザーブは「使いやすさ」と「時間精度」を左右するとても大事な要素。機械式時計は、手巻きの場合はゼンマイを巻かないと、自動巻きの場合は腕から外すと、やがて止まります。止まる前にもパワーリザーブが少なくなるにつれて、精度が悪化してしまいます。
しかし、パワーリザーブ・インジケーターがあれば、オーナーはゼンマイを巻くタイミングを知ることができます。手巻きならゼンマイを巻く、自動巻きなら腕に着けるべきタイミングが一目瞭然となり、優れた精度で使い続けることができるのです。
(6)その他の有名な機構 〜ビジネスで活躍する3種〜
・GMT
今いる場所の時刻(ローカルタイム)の時分針に加えて、24時間で文字盤を1周するGMT針と24時間の目盛りを刻んだ回転ベゼルの組み合わせで、別のタイムゾーン(デュアルタイム)の時刻を24時間制で表示するのが定番です。
・ワールドタイム
24時間で1回転するディスクと、世界24のタイムゾーンを代表する都市名を刻んだ文字盤やベゼルが組み合わされることで、一目で各都市の時刻を確認することができます。このタイプは回転ディクスに世界地図を描いたものも多く、ひと目でワールドタイムウォッチだとわかります。
・超薄型時計
いちばんの難しさは、歯車やバネ、時計の動力源になる主ゼンマイ、歯車や針を正確に動かす脱進調速機など、すべての部品を“紙のように薄く”すること。しかも、この薄い部品をしっかりと連携させて、確実に動かさなければなりません。
超薄型時計のムーブメントの歯車の厚さは1mmの数分の1と、紙のように薄いもの。この歯車をしっかりと噛み合わせ、さらに上下に重ねてスムーズに動かせるようにするだけでも大変です。こうした特別な技術から作られる超薄型ムーブメントの厚さは、多くが2mm前後。時計には文字盤や針、ケースの厚さも加わるので、このサイズに収めなければ、超薄型時計は完成しないのです。
(7)防水性能 〜壊さず使うために〜
現在では大きく「日常生活用防水」「日常生活強化防水」「スポーツ用防水」そして「潜水用防水」に分類することができます。一度でも防水性を超えた使い方をすると、時計の内部に水が入ってすぐに壊れてしまいますから、そんな悲しい事態を起こさないよう、自分の時計の防水性をしっかり確認して、その性能を超えない使い方をすることが大切です。
また、どんなに防水性の高い時計でも、時刻合わせのためにリュウズを引き出した状態では防水性は確保されません。時刻合わせの時以外、リュウズは必ず押し込んだ状態にしておきましょう。
・「日常生活防水」「日常生活強化防水」
日常生活防水や3気圧防水の時計は、手を洗った時に少し水がかかったり、汗や水滴、雨で時計ケースが濡れたりする程度なら、時計の中には水や水分が入ることはありません。だから日常生活で安心して使えます。
また、水仕事程度なら耐えられるレベルの防水性が「日常生活強化防水」です。5気圧防水や50m防水と表記されます。
・スポーツ用防水
実は、時計業界には10気圧防水あるいは100m防水以上の防水性をもつ時計をスポーツウォッチと呼ぶという“暗黙のルール”があります。つまり、このレベルの防水性がスポーツウォッチと名乗るための条件なのです。
本格的なダイビングを趣味としている方に注意していただきたいのは、10気圧防水も100m防水も、時計を検査機器にセットして静的なテストで証明したものだということ。腕に付けて水中で動かした時や、強い水流の中にいる時には、時計のケースやリュウズにはその場の水圧以上の強い圧力がかかる可能性がありますから、一般の100m防水の時計でダイビングをすると内部に水が入ってしまう可能性が充分にあります。
・潜水用防水
また、JIS規格(日本産業規格)が定めるダイバーズウォッチ規格「B 7023潜水用携帯時計」や、ISO(国際標準化機構)が定めるダイバーズウォッチ規格「ISO 6425 ダイバーズウオッチ」をクリアしていることが、本物のダイバーズウォッチの条件。これらの規格では、潜水中での動作に問題がないことが保証されています。
ダイバーズウォッチの規格をクリアしていない場合は、例えば200m防水と書かれていても、その時計をスキューバダイビングなどで使うことはオススメできませんのでご注意を。
(8)文字盤 〜腕時計も顔が大事!〜
スーツやシャツや革小物も、良いものはひと目でわかりますよね? そして、本当に良い素材を使ったものは、使い込むほどにその良さを実感できます。
だから時計選びも、最も目につく文字盤選びにとことんこだわるべきなのです。
・ラッカー文字盤
色も鮮やかで、そのバリエーションも豊富。しかも、すぐに乾いて表面が固くなり、その表面を磨けばツヤが出ます。また、金属との相性が良い。時計の文字盤は真鍮製が多いことも、ラッカー塗装が使われる大きな理由です。
古いミリタリーウォッチによく使われていた昔のラッカー文字盤はとてもラフに作られていたため、時間が経つと変色やひび割れが起きることも珍しくありませんでした。しかし、近年のラッカー文字盤は塗料の質も塗装技術も格段に向上し美しさが長期間続きます。
・ギョーシェ文字盤
・天然素材文字盤
・エナメル文字盤
ハンドクラフト文字盤の代表が「エナメル文字盤」。金、銀、銅などの金属にガラス質の釉薬を750〜850℃という高温で何度も焼き付けたものです。エナメルは化学的に安定していて、鮮やかな色や深みのある輝きを備えながら、磁器と同様に数百年を経ても変わらない半永久的な美しさを誇ります。
(9)バンド 〜TPOやライフスタイルで使い分け〜
・ブレスレット
ブレスレットの特長は、素材が汗や水を吸って劣化しないこと。特に日本は高温多湿なので、ブレスレットタイプは毎日付ける時計に向きます。そのタフさからスポーツウォッチに合わせられることが多く、ゆえにブレスレットにはスポーティな印象があるのです。
これまでの金属素材は、他のバンドに比べて重かったり長期間の使用中に傷が付いたりといったデメリットがありましたが、近年では軽量なチタン製や耐傷性に優れたセラミック製という選択肢もあります。ちなみに、タフなブレスレットでも汗や皮脂汚れがついたまま放置するとやはり不衛生ですし、サビの原因になる場合もあるので、外した際には柔らかい布で拭くようにしましょう。
・レザーストラップ
時計ブランドの純正レザーストラップで主に使われる素材は3種類。まず高級な素材がワニ革で、クロコダイルとアリゲーターが一般的です。特に表面の「麩(ふ)」が美しいクロコダイルは高価で、主にドレスウォッチに使われます。もっとも広く使われているレザー素材は、生後6カ月以内の仔牛の表皮をなめしたカーフです。
スーツを着る時には、クロコダイルやアリゲーターの革を使ったレザーストラップを。上品な艶を湛えたワニ革のストラップと薄型ドレスウォッチの組み合わせは、フォーマルなシーンでの鉄板です。一方、ステッチのコントラストを効かせたカーフストラップはカジュアルな印象になり、ミリタリーウォッチなどに合います。このように、レザーでも大きく印象が変わるのが、面白いトコロなのです。
レザーストラップのメリットは付け心地が良く、素材のバリエーションが豊富なこと。デメリットは汗や水に弱いことです。特に汗を多くかく夏は、毎日着けずに革を休ませる時間を設けましょう。
・ラバーストラップ
耐水性は抜群かつ、レザーよりもはるかに伸縮性のある素材なので、腕に優しく快適にフィットするのが特長です。唯一の問題点が耐久性。スニーカーソールなどと同様に、素材の酸化により経年劣化を起こすので、ひび割れなどが起きたら交換が必要です。
・ファブリックストラップ
ファブリックストラップ=ミリタリーウォッチというイメージは、第二次世界大戦中にアメリカ軍が一般兵士向けに供給した時計によって確立されたもの。
また、人気のNATOストラップの元祖は、1970年代にNATO(北大西洋条約機構)が、イギリス空軍をはじめ加盟国のパイロットたちに供給する時計に採用したナイロン製のストラップです。
ただ、ナイロンは吸湿性がなく付け心地も良いとは言えないため、近年では「チューダー」のようにコットンをジャガード織りにするなど、プレミアムなファブリックストラップも登場しています。カラーバリエーションが豊富でカジュアルに楽しめるので、腕時計をよりファッション感覚で楽しむのにうってつけの選択でしょう。
■ お問い合わせ
IWC 0120-05-1868
A. ランゲ&ゾーネ 0120-23-1845
カミーユ・フォルネ銀座本店 03-5537-3223
スウォッチグループ ジャパン/ハミルトン 03-6254-7371
セイコーウオッチお客様相談室 0120-061-012
ピアジェ コンタクトセンター 0120-73-1874
ユーロパッション 03-5295-0411